阪神・淡路大震災から30年
震災は終わっていない
都市を震度7の巨大地震が襲い、6434人の死者を出した阪神・淡路大震災から30年。愛する人を亡くした人たちの悲しみは癒えることはない。再開発が進められた街は大きく姿を変えたが、重い金銭的負担を抱える人たちがいる。被害を大きくした木造家屋倒壊や火災を防ぐための対策は今も十分でなく、昨年1月に起きた能登半島地震の惨状が改めてそれを突きつけた。30年前の教訓をどう生かし、いつか起きるかもしれない危機への対応にどうつなげるか。今考えたい。
- 被災者支援に取り組んできた俳優・堀内正美さん
「他者への思いやり」 今改めて大切にしたい俳優の堀内正美さん(74歳)は神戸市で阪神・淡路大震災を体験して以来、被災者支援などに幅広く取り組んできた。昨年11月、これまでの活動や半生を振り返る『喪失、悲嘆、希望 阪神淡路大震災 その先に』(月待舎)を上梓した。震災30年を迎えた今の思いを聞いた。
- 新長田に「箱物」はできても……
商店主を苦しめ続ける「権力災害」阪神・淡路大震災後の火災で大きな被害を受けた新長田(神戸市長田区)の駅南地区では大がかりな再開発を市が進め、高層マンションや商業ビルがそびえ立つエリアとなった。しかし下町らしさは失われ、にぎわいも薄れ、入居した商店主たちは借金や管理費、固定資産税などの重い負担を強いられている。震災の傷跡が残る街を歩いた。
- 届かない女性たちの声
30年前と同じ避難所での苦痛昨年1月の能登半島地震発生以来、被災地では高齢者や女性らが厳しい避難生活を強いられている。30年前、阪神・淡路大震災を経験した神戸の女性たちは「女性を取り巻く状況は、30年前と変わっていない」と厳しい目を向けている。変えるために今なすべきこととは。
- 進んでいない住宅の耐震化
命を守るための備えを阪神・淡路大震災の後、国内では東日本大震災などの大規模な地震に見舞われた。能登半島地震では木造家屋倒壊や火災の被害が起き、阪神・淡路大震災と同じような光景を私たちは目の当たりにした。過去の教訓をどう生かし、地震被害を最小限に抑えていくか、国や自治体がインフラ整備やマンパワー育成などの対策をより強く進めるとともに、市民が命を守るための意識や行動が求められている。
- 司法の裁きを受けずに第2次政権発足させる?
トランプ米国大統領就任迫る - 連 載
尾池和夫の見る 食べる 学ぶ 第7回
兵庫県南部地震30年
生かされなかった51年前の警告 - 各地で浮上「リニア問題」、神奈川県の山間部でも
閑静な集落の直上に造られる
巨大車両基地とは? - 日本の民俗信仰 祀りをたずねて(55)
お山信仰 - 【提携連載企画】
保身の代償~長崎高2いじめ自殺と大人たち 第1部 共同通信編35
長崎新聞社から共同通信社への「見解文書」入手2
遺族「あの本は、私たちの経験に基づいた全部真実」
らんきりゅう(37)
今年の参院選に向け、「戦い方」のアップデートを
はまぐりのねごと(170)
なまくらのれん(257)
写日記(257) - 【提携連載企画】
「公害『PFOA』」 岡山・吉備中央編09
町に対応を求め有志が署名活動
「たとえ反対の声があっても動きを止めてはいけないよ」 - くらしの泉
【食】
昨年の消費動向調査から見ると
庶民の台所事情は2025年も苦しい
新・買ってはいけない(395)
「おいしい免疫ケア」は冬の感染症に有効か? - きんようぶんか
【本】
『就職氷河期世代 データで読み解く所得・家族形成・格差』
『対馬の海に沈む』
『グレートウーマンに会いに行く
それぞれの人生と活動にリスペクトを込めて』
【映画】『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』
【音楽】『Small Changes』
【TVドキュメンタリー】
【TV批評】
【本箱】
次号予告:2025年1月24日(第1505)号
【能登半島地震から1年】 ●住宅再建を困難にする「住家認定」制度|藍原寛子 ●輪島塗や能登牛飼育はどうなっている?|吉永磨美 ●住民をつなぐ地域コミュニティの底力|吉永磨美 【尹錫悦氏逮捕】 ●現職大統領を身柄拘束した韓国・民主主義の源泉 【トランプ政権発足】 ●対ロシア、対中国、対イラン……主要閣僚は強硬派揃い|堅田文彦 【PFOA汚染】 ●〈スクープ〉ダイキンが大阪府の報道発表案を作成|Tansa中川七海 【くらし】 ●合成生物で作られたチョコレートが日本にやってくる?|印鑰智哉 【阪神・淡路大震災30年】 ●「1・17」 鎮魂の祈り|小川直樹 【ぶんか】 ●戦争の時代に入った国際社会に危機感 青木野枝「ふりそそぐものたち」|桑原和久 【好評連載】 ●政治時評|阿部岳 ●尾池和夫の見る 食べる 学ぶ|能登と日向灘で M6・8以上が発生 ●風速計|崔善愛