きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

「金曜日の素朴な疑問」を惜しむ

『週刊金曜日』愛読者の方はお気づきでしょうが、7月から「表2」の連載が変わりました。

ちなみに「表2」というのは、表紙の裏側のことで、ここの会社では、「ヒョウニ」と呼んでいます。他の会社または団体あるいは個人では、他の呼び方で呼んでいるかもしれないのに、自分の知っている会社や知識だけが当たり前だと思いがちですからね。自戒を込めて、解説してみました。

7月からの連載については、また次に譲って、今回は終わってしまった「金曜日の素朴な疑問」について。

この連載では2008年4月4日号から2009年6月26日号まで60回、12の質問に5人の回答者が答えています。この60回のリスト化に挑戦!

とりあえず質問一覧。

その1 人は何のために生きるの?
その2 フツーって何?
その3 宇宙人っているの?
その4 恋と愛はちがうの?
その5 なぜ時間は元に戻らないの?
その6 馬鹿な人ってどういう人?
その7 夕焼けを見るとなぜ悲しくなるの?
その8 ルールは守らなきゃいけないの?
その9 運命は自分で変えられるの?
その10 カラダを売っちゃいけないの?
その11 幸せって何?
その12 戦争はなくせるの?

回答者が、井筒和幸さん、萱野稔人さん、中村うさぎさん、本田由紀さん、宮沢和史さんの5名。あらためて読み返してみると、いろいろな質問があっても、全部を通してみると、それぞれの方が透けて見えるような気がします。

残念ながら、回答の内容まではリスト化できませんでしたので、具体的なところはバックナンバーでごらん頂きたいと思います。(または、1万人くらいの方が頼み込んでいただければ書籍化されると思います。)

一つだけ選ぶとすれば、個人的にはNo.29の本田由紀さんに深く同意です。

この連載のもう一つの楽しみは、寄藤文平さんのイラスト。回答を見てから書くというイラストは、回答とピッタリすぎず、いい具合にずれているところが、楽しませてくれました。

こちらも一つだけ選ぶとすれば、No.56 ですね。
書籍化頼み込みや、あなたのお気に入り、そうそう、No.37 の解答など、よろしければお聞かせ下さい。

ではリストをどうぞ。

(バックナンバーが見たい!という方は本誌バックナンバーのお申し込み
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(さらに…)

ニート・ひきこもり・不登校 「育成」大作戦か?

ニート・ひきこもり・不登校「育成」?

誰が?

国が、、、、、

えっ?

マジ?

マジです。

今月「子ども・若者育成支援推進法」が国会で成立して、公布され、来年施行されます。

最初は、「若者健全育成推進支援法」だったのです。15歳以上30代前半の若者を、健全に育成しちゃおうというのです、国家が。

健全って何?

どうやら、きちんと学校へ行ったり、職場で働くように、健全に育成するらしいです。

法案が内閣府から国会へ提案されて、6月頃に、健全っていう言葉がなくなって、

15歳以上の若者が、15歳以下の子どもも含めて、子ども・若者の支援になっちゃいました。

0歳から30代前半の大人まで、幅ひろーい未成年&若者が対象になりました。

発端は、教育再生会議の第三次報告書です。若者を社会総がかりで育成支援する、っていう項目がありました。

社会総がかり? 大人がよってたかって?ってこと?

それが、内閣府で、青少年大綱ってのを決めたり、麻生太郎さんが、青少年を健全育成したいって言ったり、

子ども・若者育成支援勉強会ってのが、去年開かれて、有識者や、文部科学省、厚生労働省、などなどよってたかって、議論しました。

ニートが63万人、不登校中学生が10.3万人、これが、学校も行かず、働きもせず、家にこもっちゃって、ぶらぶらしている。

大人はそれが許せないわけです。

生産しない人たちは、税金を稼ぎ出さないし、ひどい場合は、社会で凶悪な犯罪まで起こしてしまう人も出てくる。

そんな子どもや若者を家から引きずり出して、支援センターへ入れて、治療のために病院へ行かせたり、自転車整理の仕事を訓練として、させるらしいです。

こわ~~~い。

そのため、ニート、ひきこもりを、早期発見、早期対応するのが、この法律の狙いです。

ずばり、ターゲットは、ニート、ひきこもり、不登校!

次回は、この法律について、もうちょっと、掘り下げてみたいです。

内閣府の「青少年育成」、ちょっと読んでみて、、

http://www8.cao.go.jp/youth/index.html

ディベート「死刑」(下)

シジフォスの希望(33)

 死刑「廃止派」と「存置派」に分かれた学生たちの立論をもとに、森達也さんと藤井誠二さんが加わって討論は展開された(7月11日、「僕らにとって死刑って何だろう?」in立教大学)。
 主な討論内容は「死刑は合憲か違憲か」「絞首刑は残虐か」「償いとは何か」「応報(復讐)か教育(更生)か」「死刑支持の世論に従うのが民主主義か」などであった。いくつかのやりとりの要旨を抜粋・構成し直して紹介する。

 合憲か違憲か
――1948年の最高裁の大法廷で死刑は合憲とされている。確かに憲法36条では「残虐な刑罰」は禁じられているが、現在の絞首刑は果たして残虐か。
――仮に絞首刑が残虐なら、電気椅子とかガス室とか静脈注射ならいいのか。「残虐」の基準は?
――憲法36条(拷問及び残虐な刑罰の禁止)と31条(法定手続の保障)は矛盾しているように思う。どのやり方が残虐か残虐ではないかではなく、人が人の生命を奪うこと自体が残虐だ。
 償いと更生
――死刑で殺してしまっては更生は不可能。国家には犯罪者に償わせながら更生させる義務がある。
――償いなどありえない。人を殺めた以上、修復は不可能だ。死刑になったからといって償えない。
――刑法では社会秩序を乱したことに対する罪刑であって、被害者が賠償金を求めるには民事裁判を起こすしかない。
――死刑になったら民事裁判も起こせない。刑務作業もできない。被害者のことを思いながら反省させ、賠償の観点も含めて刑務作業を続けることが償いではないか。
――償いとは別に、国の更生制度はあらためる必要がある。
 世論と民主主義
――2004年の内閣府調査では死刑に「賛成」が8割を超えている。「廃止」を求める声は一ケタだ。民主主義の原理からしても死刑は存置すべきだ。
――世論の支持が多ければ間違っていても従うのか。世論イコール民主主義なのか。
――フランスでは世論の6割超が死刑を支持していたとき、時の大臣が廃止を訴え、結局、廃止した。世論イコール民主主義だとすればフランスは民主主義ではないことになる。
 応報(復讐)感情
――死刑を廃止した国のほとんどで犯罪が増えていない。つまり、死刑が犯罪の抑止につながることはない。問われているのは応報感情だ。
――確かに死刑が犯罪抑止効果があるとは思えない。ただ、日本は廃止されていないので実証できない。刑罰の社会的使命として被害者の感情の修復は必要だ。
――しかし死刑の有り様はまったく公開されていない。国会議員が出向いて渋々と刑場を見せる程度だ。遺族によっても意見は分かれるが、公開すべきだと思う。
――応報感情というが、被害者が天涯孤独な人なら応報は成り立たない。また仮に遺族が「死刑にしないで」と言ったら減刑する必要があるではないか。

 以上のやりとりの中には森さんと藤井さんの発言、コーディネーターを務めた服部教授の発言も含まれている。

 シンポでは、「クリッカー」と呼ばれるテレビのリモコンに似たハンドヘルド端末を来場者約200人に渡し、討論の前と中間と終了後の3回、それぞれ「死刑に賛成か反対か(どちらでもないか)」の回答をしてもらい、その数が瞬時に壇上の拡大スクリーンに映し出された。討論前は「賛成」「反対」がほぼ同数の100前後と拮抗していたが、中間では「賛成」78、「反対」127、「どちらでもない」33、討論終了後は「賛成」62、「反対」130となり(「どちらでもない」は選択項目から外した)、「反対」が「賛成」の倍以上に増えた。

 さまざまな論点を持つ死刑制度についての、森さんと藤井さんのスリリングな対談本(『死刑のある国ニッポン』金曜日刊)が8月5日すぎから書店に並ぶ。深みとすごみのある死刑ディベート、ぜひご一読を。

(2009年7月14日・片岡伸行)

ディベート「死刑」(上)

シジフォスの希望(32)

 5月に裁判員制度が始まり、その初公判が8月に迫っている。「国家による殺人」である死刑をいよいよ、くじ引きで選ばれた市民が宣告するときが近づいてきた。そうした中、作家の森達也さんとライターの藤井誠二さんを迎え「僕らにとって死刑って何だろう?」と銘打った学生参加型シンポジウムが7月11日、東京・池袋の立教大学で開かれた(同大学・服部孝章教授と砂川浩慶准教授の両ゼミ、『週刊金曜日』の共催)。350人以上の市民・学生で会場は埋め尽くされた。

 シンポではまず、死刑「廃止」派と「存置」派(藤井さんが「スンニ派とか、みたいじゃない?」と苦笑していた)に分かれた学生たちがそれぞれの理由を述べた。「廃止派」は齋藤美雪さん(4年)、李周炫さん(3年)、大塚功祐さん(2年)の3人。「存置派」は上田岳雄さん(3年)、宋美恩さん(3年)、古庄剛章さん(2年)の3人だ。
「廃止派」の理由は、
①現在執行されている絞首刑は、拷問および残虐な刑罰を禁じた憲法第36条違反である
②死刑は犯罪に対する償いになるのか。償いには反省が必要で、被害者補償の観点からも生かして償わせるべき
③国家は国民である加害者を更生させる義務があり、死刑は加害者を排除するもので更生義務を放棄する行為だ――の3点。
 対する「存置派」の理由は、
①仮釈放のある無期懲役では社会正義・社会秩序が保たれない
②憲法第31条は「法律の定める手続き」によれば「生命もしくは自由を奪う刑罰」を可能としている
③被害者遺族を含めて国民の約8割が死刑を支持している――の3点だ。

 この立論をもとに、森さんと藤井さんが絡んで討論が展開されたわけだが、やりとりの紹介の前に、当日の資料として配布された「死刑」をめぐるデータをいくつか整理しておこう。
 〈死刑廃止が世界の主流に〉
 世界の死刑廃止国は139カ国(法律上、死刑制度のない国94、死刑執行がない事実上の廃止国35、通常の犯罪では死刑がない国10)で、死刑制度がある国は58カ国(アムネスティ・インターナショナル、2009年7月8日)。「死刑廃止」が世界の主流となっている。
 国別の死刑執行数を見ると、1位:中国、2位:イラン、3位・サウジアラビア、4位・パキスタン、5位・米国、6位:イラクと続き、日本はリビアに次いで11位(アムネスティ・インターナショナル、2007年データ)。
 〈殺人認知件数の減少〉
 日本における殺人の認知件数は、1954-55年の約3000件をピークに、いわゆる高度経済成長期を通して下がり続け、1991年のバブル崩壊後はやや横ばいながらも2006年には1955年の半分以下の約1300件にまで減少している(警察庁統計)。1955年と言えば「昭和30年」で、あの『ALWAYS三丁目の夕日』の舞台となった時代である。当時に比べて、「殺人」は半減している。にもかかわらず「体感治安」が悪化しているように思われるのは、これでもかとセンセーショナルな事件報道を繰り返すメディアの報じ方に問題がある、との指摘もある。
 以上のようなデータを前提に、学生たちは「存置派」と「廃止派」に分かれて議論を繰り広げたのである。

つづく

(2009年7月13日・片岡伸行)

真夏の夜はやっぱりジャズ

総選挙を目前にして色んな人が色んな思惑で動く。そんな中、だれが見ても失敗に終わりそうな東国原英夫宮崎県知事の自民党出馬事件とは逆に、橋下徹大阪府知事が、全国知事会の前面に出て、「大阪発“地方分権改革”ビジョン」をぶちあげて、メディアもそれを持ち上げている。でも、この人の目的って、結局、「道州制」で「関西州」ができたときに、お代官様になることではないの? と疑ってしまう。光市の事件や、府知事になってからの手法をみても、「橋下恐怖政治」劇場が、関西一円に広がるのか、オソロシヤ。

その橋下知事のお膝元で、死刑制度廃止を訴え、大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)の切り捨てに反対してきた女性ジャズ・サックス奏者Swing MASAが、7月17日、サンスクエア堺(大阪府堺市)で「Don’t Kill Concert -山の動く日-」と題したコンサートを開く。

 MASAを知ったのは、昨年、野宿労働者の支援コンサートを取材したとき。紫陽花が満開の浅草・隅田公園で行なわれた野外ライブは、力強さと優しさが同居した素敵なライブだった。ふだんは、ニューヨークで演奏活動をしている。ジャズの本場でやっていくことだけでもスゴいなあ、と関心するのだが、出身が関西(河内)なので、日本に戻ったときには、釜ヶ崎などで度々ライブを行なう。今回の堺市のコンサート・タイトル「Don’t Kill」は、MASAのファーストアルバムに入っている同名曲のタイトルでもあるが、死刑制度廃止の思いだけでなく、毎年3万人以上の自殺者が当たり前のようになっているこの国のあり方そのものへの訴えではないだろうか。

 まだチケットに余裕があるとのことなので、お近くの方、ぜひ、MASAのすばらしいサックスとボーカル(こちらはアルバムでしか聴いたことがないけれど、それでも絶品でした)、そしてMASA率いる女たちのジャズバンドを堪能してください。

 チケットの購入や問い合わせ先は下記のホームページを見てください。

 http://swingmasa.at.webry.info/

 Don’t Kill Concert -山の動く日-

Produced by Swing MASA

 2009年7月17日(金)

18:30開場 19:00開演

前売り2000円 当日3000円

 Swing MASA Osaka Jazz Womyns

Swing MASA saxophone&voice

河野多映 piano

廣田昌世 bass

今井康鼓 drums

池田安友子 percussion

 ●会場

サンスクエア堺

〒590-0014

大阪府堺市堺区田出井町2-1

Tel 072-222-3561

最寄駅 JR阪和線 堺市駅

バス停 南海バス 阪和堺市駅前

 ●主催

Swing MASA Jazz Office

公文書管理法と自民下野前夜のただならぬ関係?!

公文書管理法というなんとも地味な名前の法律が6月24日、参院本会議で全会一致で成立した。

 

ところが、この法律の持つ意味はとても大きいので、要チェケです。

先日、お会いした民主党の逢坂誠二衆院議員(注)などは同法案の強力な推進者だったそうですが、議員が口を酸っぱくしていっていたことが、「情報は民主主義の酸素」。

まさにそのとおりですね。

情報という酸素が切れれば民主主義は死んでしまう。憲法における表現の自由も、民主主義実現のために情報が広く市場を流通することを前提としている。だから知る権利が発生する。

ところが日本政府の情報非公開・隠滅ぶりがひどいものだ。

これまで何人の議員、記者、NGO、学者などがそのことに時間を費やしてきたことか。

情報公開法にしろ成、裏をかえせば何年経てば情報を廃棄していよいという情報非公開法である。おかげで過去の資料がみられなくなった。

公文書管理のずさんなものとして年金記録など最たるものだろう。今回の法律は先般の不祥事が後押しして成立したのであろう。

さて、民主党の政権交代で一番何が変わるのか。高速道路が無料化するからか。そうしたらETCも売れなくなるから、今買う必要はなくなるから迷ういます? いやいや何人かの永田町関係者に話を聞き、自分でも納得するのは個別具体的な政策の違いではありません。

情報開示である。

つまり、政策の前提となる情報を省庁が手放すということだろう。

自民党や官庁は予算や金の流れの情報を非公開することによって権力を維持してきた。

情報が権力の源泉なのである。

国会の与野党の攻防も資料を出す出さないので審議の大部分が費やされるのだから、民主党にはぜひとも斬り込んでもらいたいものだ。というか、本来なら当たり前のことなのだから、やらなければ政権交代する意味はないでしょう。

自民党議員も、もっぱら政権交代を前提に補正予算で10兆円もの借金をしているとも言われている。

今回の公文書管理法も自分らが野党に下ることを前提にしているから(与党・民主党を追及する資料を得るために)成立したのかな? なんてうがった見方もしてしまいました。

盗人の心理は盗人が一番わかるのでしょうからね。

(注)

逢坂議員は、twitterを利用している数少ない国会議員。カネのかからない選挙活動をするために、twitterやブログでの発言が挙活動に当たるかどうか総務省に問い合わせたそうだが、「当たる」ということで選挙期間中はお休みするらしいロイターやBBCからこの点についても議員のネット活動について取材を受けたそうだ。不思議な国ニッポンというこなんでしょうね。

http://twitter.com/seiji_ohsaka

実はぼくもtwitterを一年前からやっています。といっても更新は一年くらいしていませんでしたが。あくまでもぼくのつぶやきなので、アドレスは内緒ですが。

幸福実現党 新聞全面広告

今日(2009年7月2日)の幸福実現党の広告が、なぜだか眼に止まった。

本誌(『週刊金曜日』)755号の記事「「幸福実現党」の迷走も神仏のおつげ?」を読んでいたせいだろうか。

または、広告の「じゅうたん爆撃」についにやられてしまったといえるかもしれない。

(ほんと、お金持ちです。うらやましい。“広告の「じゅうたん爆撃」”って空から札束がばさばさ降ってくる映像をイメージしてしまう。)

そんな、大スポンサーの幸福の科学=幸福実現党の支持母体への配慮が必要なメディアもあるかもしれないけれど、「スポンサーから自立した」メディア=『週刊金曜日』なら大丈夫。

「大川隆法」や「幸福の科学」の名前だけは知っているけど…という場合、選挙で投票する人を決める前に『週刊金曜日』要チェックです。

ちなみに私、大川隆法さんが守護霊と話をしているとは知りませんでした。