三菱自動車の“欠陥”を見た
2004年6月11日9:00AM|カテゴリー:マカロニほうれん総研|Hirai
みなさん、おひさしぶりです。
今週は、えせモータージャーナリストとして「エンジン」系のお話を。
今国会では道路交通法の改正がいくつかあった。多くは規制強化であるが、バイク乗りにとって画期的な規制緩和が一つあったのである。
意外と知られていないようだが、高速道路二人乗りの解禁である。一年以内に施行されるらしい。この点、路上の自由を愛する心優しき警察ストーカー、モータージャーナリストKが国会を監視しており成立日に教えてくれた
(http://response.jp/issue/2004/0603/article60934_1.html)。
免許取得3年以上、都市高速道路への乗り入れの禁止など制約条件はあるが、個人的には四輪車のシートベルト着用義務化、AT車専用免許以来の衝撃を受けている。
車といえば、連日世間をうんざりさせているのが三菱自動車。
私もかつて友人から譲り受けた三菱のチョー有名なオフロード四輪駆動車に乗っていた過去があるので、欠陥車事件は他人事ではない。
その愛車は金がなかったので残念ながら養えきれず、数年前、車検場に持っていくときに道路沿いにあった中古車買い取り「ガリバー」に道草して、そのまま売っぱらってしまった。次の飼い主の方に事故や理不尽な故障が起きていないことをひたすら祈る。
さて、近所に住んでいた高校時代の友人Zの父は三菱銀行で働いておられた。
彼が大学に入ったのち、90年頃だろうか、オヤジ殿は車を買い換えた。もちろん三菱自動車で、車種はシルバーの新型ギャランだった。
当時、息子は免許とりたてだ。
オヤジの車は自分の車。ウキウキ気分であれこれ口を出したのだろう。
だが、残酷なことに彼のこだわりの注文とディーラー(取扱い店)から上がってきた仕様が異なっていた。
なんと、車のエンブレム(人間でいうなら鼻の部分についている会社のマーク☆!)が注文と違っていたのだ。ギャ、ギャランドゥ!
とはいっても、四菱、五菱(暴力団かっ!)になっていたり、メルセデスのエンブレム(それならいいかっ!)がついていたわけではない。
シルバー三菱(ダイヤモンド)で注文したはずが、レッドダイヤモンドになっていたのだ。
ギンピカボディーを夢見ていたらしいZは、早速、三菱自動車のディーラーにクレームをつけたそうだ。私は車を見ながら彼の愚痴を聞いたが、三菱自動車はかなり困るだろうなと思った。なにせエンブレムはボディと一体になっているタイプだった。一見、小さいことのようだが、もう1回工場に戻してバラさないと改修できないだろうから。
もちろん、ギャランはディーラーにつっかえされた。
修理には時間が費やされた(らしい)。
数日が経ち、車が出直してきたというZの家に遊びに行くと、「銀色になっただろ」と車を見せてくれた。確かにダイヤモンドが銀色ににぶく光っていた。
だがなんと。よく見ると、どうみてもつや消しシルバーのカラーペンが赤いダイヤモンドを上から塗りつぶしているではないか。
ディラーの営業マンはどちらかといえば、不器用な人だったようだ。ダイヤモンドはつるっとした赤から、ガビガビの銀になっていた。
Zは「オヤジが三菱だからしょうがねえよ」と悲しげだったが、サラリーマンの息子ではない私にはその理屈がよくわからなかった。
三菱の義理で車を買い、三菱の義理でクレームもつけられない。
ガビガビのシルバーダイヤモンドを見ると、当事者ではないのになんだかプライドを傷つけられたような気分がしたものだ。
なんかシンミリした展開の話になってしまったけど、Zはそのギャランとともに大学生活を謳歌したようだ。
デートや失恋も車とともに体験し、ドライブの帰りには、その車でオカマも掘っていた。ギャランドゥ!?
修理してもシルバーダイヤモンドはそのままだったとか……。
(平井康嗣)