きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

青田売り

そういえば、「ドキュメンタリー向上委員会勝手連合」として映画の宣伝をひとつ。

あのカルト映画『ゆきゆきて、神軍』の助監督であり、あのオウムを描いた問題作『A』『A2』のプロデューサーである安岡卓治さん。安岡さんは日本映画学校の教師もしていて、彼のゼミ生たちの作品が今度、東京・渋谷で上映されるという。もちろん、ドキュメンタリー作品が中心だ。

ドキュメンタリー映画は、初めて観た人にとって非常につまらなく感じる場合が多いのではないだろうか。

私はそうだった。

しかし、過去の(少ない……)経験から言えば、ドキュメンタリーに対する経験値を少しづつ上げていくと、とても計算しつくせない事実がもつ情報量・メッセージを面白く感じる瞬間が増えてくる。

ドキュメンタリー作品は予算もなにもかもリッパな映画に比べて桁違いに少ない。

だから、正直、どうひねって考えていいところを見つけて観ようとしてもつまらない作品もある。

だが、お金なんかかけなくてもこれだけのメッセージを伝えられるという、リアルで衝撃を受ける作品もあるのだ。マイナスのメッセージも強烈な場合で、滅入ることもある。

それは、ハリウッド作品のように完全に作り込まれ計算されたフィクションとは違う奥の深さを感じさせてくれるでしょう。

とはいえ、私は『ロード・オブ・ザ・リング』のようなファンタジーやハードボイルドな警察ものやジャッキー・チェンの作品も同じように好きです。

そういえば、本誌編集委員をしている作家の椎名誠さんも、昨年の本誌の恒例の講演会で本を読む楽しみは徹底的に事実に忠実なものを読むか、極端に想像力の限界に挑戦したSFとか虚構を読むかのどちらかだと言っていた。

本と映画の対決・SF編ならば、「原作の映像化不可能だった」なんてのが映画の売り文句になるくらいだから、SF本の想像力のほうがSF映画に勝つだろう。

しかし、事実に関してならば情報量に勝るノンフィクション本よりドキュメンタリーが勝つのではないだろうか。

(なんでも勝ち負けをつけるなとクレームが来そうだ……)

そんなドキュメンタリー集団である安岡さんたちの映画企画は「青田売り」~Documentary new age~という。

「青田買い」の反対という意味だろう。

最近は若い才能のあるドキュメンタリー作家が増えてきたということなので。

「青田売り」の中身は、宣伝文をそのまま引用すると

「210代の新進映像作家たちによるドキュメンタリープログラム、『青田売り』が渋谷、アップリンクファクトリーにて3月30日から4月4日までの6日間、開催されます。

数々の映画祭で大賞を獲得した『home』(Eプログラム)を筆頭に、各プログラム充実したラインナップとなっております。

 このプログラムの特徴として完成直後の作品が半数以上を占め、これから各映画祭に出品するものもあります。それに先駆け、多くの方々よりお言葉を頂きたく、今回の上映プログラムが設けられる事になりました。」

ということだそうです。

会場などは

渋谷UPLINK FACTORY  東京都渋谷区神南1-8-17横山ビル5F

TEL 03-5489-0750 詳しくは http://journal15.tripod.co.jp/

 

だそうです。

ラインナップを見ると、確か昨年に日本映画学校の卒業上映会で観た作品もいくつかあるようです。

事実に迫る姿に脱帽した作品もありました。深かったっす。

「青田売り」の予備調査はここまで。

いずれにせよ、ドキュメンタリーは単館上映が多く、なかなか全国で上映されません。

今回は、さらにその下を行くローカルな上映ぶり!(苦笑、すみません)

「青二才」がナマ言いすぎたようです。

ともかく、「スカッとする」より、「なんか考えてしまう」、ということを楽しみたい。

そんな人には「青田売り」のようなドキュメンタリーはお薦めではないだろうか。

離党と辞職

辻元清美氏の議員辞職は残念でした。

さて、3月26日は辻元清美報道で一色でしたが、その報道の最中、何かのついでに加藤紘一議員と鈴木宗男議員の疑惑の2人がテレビに映ったとき、その国会の席って、中村喜四郎議員(ゼネコン汚職)と加藤紘一議員(口利き疑惑)と鈴木宗男議員(ODA利権そのほか疑惑)が並んでいた。

知る人ぞ知る「疑惑の3点セット」。(ちなみに中村喜四郎議員は無罪を主張して裁判で闘っている)

3人はいずれも離党したが、いまだに現職議員である。
(平井康嗣)