脱MSのすすめ
2001年12月7日9:00AM|カテゴリー:風に吹かれて|伊田浩之
ウイルスが猛威を振るっています。ここ数週間、私にも毎日のようにウイルス付きのメールが届きます。情報処理振興事業協会セキュリティセンター(IPA /ISEC)のHP(http://www.ipa.go.jp/security/index.html)によると、いま急増しているのは「W32/Badtrans」というウイルスで、11月30日までに同センターに寄せられた届出・相談は合わせて800件以上になっています。
この「W32/Badtrans」を含め、いま蔓延しているウイルスには共通点があります。それは、マイクロソフト(MS)製のメールソフト「OutlookExpress」では、ウイルス付きのメールを表示(プレビュー)しただけでウイルスが動作することです。そして、「Outlook Express」のアドレス帳を参照して、登録してあるメールアドレスすべてにウイルス自身のコピーを送信します。しまつが悪いことに「OutlookExpress」は、一度でもメール送信したメールアドレスを自動的にアドレス帳に加える仕様になっています。つまり、あなたが「Outlook Express」を使っていたら、パソコンがこの種のウイルスに感染すると、一度でもメールを送った相手全員に対し、あなたが加害者となる恐れがあるのです。
こうしたことから、私の知人はホームページで次のような啓発をしています。
〈ウイルスの件から考えると、(何も考えずにOutlook Expressを使っている人には厳しく聞こえるかもしれませんが、)OutlookExpressユーザは現状では潜在的犯罪者と呼ばれても仕方が無い状況です。Outlook Expressの開発元が現状を鑑みて仕様を是正することが望まれますが、ユーザ側の対処として、「現状ではOutlookExpressを使わない」ということが最善策です。また、メーリングリスト等では、「Outlook Expressを使わせない」ということをルールに盛り込んで、事態を啓発するべきですし、企業ユーザは経営者に対してOutlook Expressの使用停止を訴えるべきです〉
ほとんどの人は、パソコン購入時に自動的に入っているため、「Outlook Express」を使っているのだと思います。そうした初心者を「潜在的犯罪者」と呼ぶことは過激かもしれません。そう呼ばれた人はショックを受けるとも思います。しかし、被害の深刻さを考えると、「知らなかった」で済む話ではないのです。
388号(11月16日)の金曜アンテナ記事「買ってはいけないウィンドウズXP」にもあるように、MS製品には問題が多いようです。いずれ、詳しく紹介したいと考えています。MS製品の欠陥について情報をお持ちの方はお知らせいただければ幸いです。