きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

「勇猛果敢・支離滅裂」のタモガミ航空自衛隊

妙に堂々としたタモガミトシオの存在感はどこか、イシバシゲルにも通じる「座り具合」を感じる。だが、カネにもなびかず信念を貫き通したという人物像も、小松基地の民間宿舎の3分の1がAPAグループの契約という癒着関係が浮かび上がるにつれ、

http://www.asahi.com/national/update/1118/TKY200811180178.html

結局、自衛隊はAPAにいいように使われただけじゃねえか、とケチがついてくる。

役人と商売人がつきあえば、最期に踊らされるのは役人だろう。

もともと“地に足が着いてない”航空自衛隊ならばなおさらか。

 

そんな航空自衛隊を表現する言葉が伝統的にありますよと軍事・おたく・自動車ライターの山崎龍さんがメールで教えてくれたので本人の承諾を得て紹介します。山崎さんありがとうございます。(以下、<>内)

 

<以前、あたごの事故の時に海自を揶揄した言葉で「伝統墨守・唯我独尊」というのものを紹介したと思います(編集部注)。

これと同様の言葉が空自にもあるのはご存知でしょうか?

それは「勇猛果敢・支離滅裂」というものでして、まさに今回の田母上さんの国会で発言そのものを表す言葉だったりします。

 

発足時に、旧陸軍航空隊と旧海軍航空隊の人員が集まって母体になったこと。さらに米空軍式の組織・教育が採用されたことを揶揄しているわけです。しかも、正面装備偏重(とくに戦闘機)の隊編成のために、防空能力で言えば世界でもトップクラスの実力を誇りますが、対地攻撃能力が甚だ貧弱(ちょうど韓国空軍とは真逆の状況)であることも「支離滅裂」と呼ばれる所以ですね。記憶に間違いがなければ、田母神さん以前の空幕長は戦闘機隊出身の人ばかりでした(田母神さんは防空ミサイル隊だったはず)。

 

もうひとつ付け加えるなら、米空軍の採用したものを何でも欲しがる悪癖も「支離滅裂」な部分かも。基本的に米空軍は欧州や中東での作戦を前提に装備体系を整えています。中曽根氏が首相在任中に述べたこともある通り、日本は四方を海に囲まれた「不沈空母」みたいなものです。想定される戦闘も洋上で行われるわけです。そうした環境で、大陸での制空戦闘に特化したF-15F-16ベースのF-2などを導入するのは、果たして適しているのか・・・・・・という議論は昔からありました>

 

新聞やテレビで伝えられると自衛隊は危険な軍事組織に思えるのだが、軍事ライターたちから聞くと、自衛隊は、どこか抜けている軍隊ごっこ集団に見えてくる。

どちらも本当の姿なのだろう。

 

(編集部注) 2008年3月24日号「不祥事相次ぐ海上自衛隊の針路 イージス艦事故の背景に組織疲労する旧海軍体質」