「月刊フルコンタクトカラテ」にうなる
2008年12月5日5:44PM|カテゴリー:マカロニほうれん総研|Hirai
先週末は、『月刊フルコンタクトKARATE』を発行する福晶堂の部長とホームパーティーで知り合った。私は空手を始めとする格闘技が好きなので、すっかり盛り上がってしまった。
私は中学生の時分は将来の夢としてカラテカになりたかったが、まずをパンチを極めようとボクシングをしたところ、そこで終わってしまった。
もちろん、パンチは極められなかった(大山倍達だって死ぬまで拳の握り方を迷っていたというし)。
しかし、その後も格闘技を観るのは好きで、特に90年代初頭の総合格闘技ブームには興奮した。『総合格闘技通信』を読み、WOWOWでリングスを観て、後楽園ホールに足を運んだものだ。
当時はグレイシー柔術に日本人選手が道場破りをしたり、大道塾(注)やシュートや正道会館が他流試合や異種格闘技を盛んに展開するなど、妙な熱っぽい空気に包まれていた。
それに刺激されて、シュートや大道塾の選手をモデルにした小説やマンガなどが登場してきたものだ。表紙の加藤氏も『グラップラー刃牙』の登場人物のモデルになっているし、加藤氏が所属している大道塾には作家の夢枕貘がいれこんで、いくつものモデル小説を書いていた。
しかし、商業メディアと連携したK1グランプリでオランダやロシアを始めとする超ヘビー級の選手が体格にものをいわせて台頭してくるにつれ、空手最強神話が崩壊し、格闘界の軸もずれてきた。
おまけに94年には大山倍達総裁が他界し、極真会館が複数に分裂し、なんだかケチがついて、格闘技界の動向に関心が急速に失われた。一応は「PRIDE」「HEROES」などもほとんど観ていますが。
そして先月、テレビ東京で新極真会の全日本大会をひさびさに観て、愕然とした。
当時観ていた選手がいまだにトップクラスにいるのである。選手の高齢化だ。
もちろん若手もいるが、中心は30代半ばや40代ちょい前。でも、選手のインタビューなどを観ていると、マスコミすれしていなくて非常にさわやかで気持ちがいいものだった。武道家である。
そんな話を福晶堂の方としていたのである。こちらはオーナーが空手好きで始めた出版社だそうなので、空手界との関係が深い。いまさらながら、空手界の空気はボクシングとは違うことを痛感する。
また空手界の動向が気になりはじめましたなあ。
読者の方のリクエストがそこそこありましたら、取材して『週刊金曜日』向けの記事にしますよー。
(注)『月刊フルコンタクトKARATE』12月号には「極真王者 魂の系譜 第三回 東孝<前編>」が掲載されている。東氏は大道塾の塾長。インタビューでは自分史=空手の近代史を語っており、わくわくしました。そのほか『グラップラー刃牙』のモデルとなった平直行氏の自由きままな感じのコラム「心と身体のおもちゃ箱」が掲載されている。いやー、ページをめくるたびに「おおー」とうなってしまいました。