パレスチナ
2002年5月31日9:00AM|カテゴリー:風に吹かれて|伊田浩之
ジャーナリストの広河隆一さんが今年5月、『パレスチナ 新版』(岩波新書、URLhttp://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/43/8/4307840.html)を出しました。お薦めです。発売日の翌日には増刷が決まるほど、好評のようです。
旧版が出たのは1987年でした(大学生のときに熟読したのを覚えています)。新版を出す理由について広河さんは、「その後もパレスチナ情勢は激動を続け、戦争状態に突入している。パレスチナ問題は、絶えず世界の火薬庫であり続け、投げかける問題はいよいよ大きくなっている。ここに南北問題、富と貧困、占領と支配と植民地の問題が凝縮されている。この問題を解決できないままでは、人類は21世紀を生き延びられないだろう。その最初の兆候が、今世紀最初の年に起こったニューヨークのツインタワー崩壊だとも言えるのではないだろうか」と書いています。
広河さんが初めてイスラエルに向かったのは1967年5月、23歳のときだったそうです。それ以来35年間、中東を見続けている広河さんならではの鋭い指摘と分析は、説得力があります。
『週刊金曜日』でも、6月7日号で広河さんのパレスチナ・ルポを掲載する予定です。『週刊金曜日』のルポは、写真を中心に最新情報に焦点を絞っているので、この『パレスチナ』とあわせて読むと、さらによくわかると思います。
小泉政権が有事法制の成立を強行しようとしていますが、パレスチナ問題を考えると軍事力では平和を創れないことがよくわかります。
広河隆一さんの写真・記事を掲載した『週刊金曜日』は下記の通りです。
「イスラエル侵攻 ジェニン虐殺現場をいく」410号〔5月10日〕
「パレスチナの岐路 和平か全面戦争か」405号〔3月29日〕
「パレスチナ 倒れゆく兵士」400号〔2月22日〕
「アフガニスタン 死にゆく人々」394号〔1月11日〕
「アフガン難民キャンプの子どもたち」390号〔01年11月30日〕
「軍事報復の背後で 暴走するイスラエル」386号〔01年11月2日〕
「“難破”するイスラエル シャロン、戦争への道」365号〔01年6月1日〕
「出口なき中東和平 イスラエルの誤算」338号〔2000年11月3日〕