きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

とりあわせ

 対談や鼎談、インタビューにこのごろ凝っています。もちろん読むのも好きですが、それ以上に面白いのが企画する仕事です。11月1日から始まった誌面の一部刷新では、岡田編集長にお願いして、気鋭の論客3人にインタビューしてもらいました。辺見庸さん、水島朝穂さん、浅井基文さんの、時に穏やかな、時に激流のような話しに立ちあえたことは、編集者冥利につきます。

 このあとも、櫻井よしこさんと吉岡忍さん、臺宏士さんの鼎談、広河隆一さんと鳥越俊太郎さんの対談などを掲載する予定です。

 さて、座談会ものの醍醐味は、きっちりと論理を積み上げてゆく文章と違い、思ってもみなかった方向に話が行ったり、まったく違った側面が見えてきたりすることにあります。(もっとも、話をまとめる編集者は大変ですけど。前出の企画も多くの編集部員の協力を得て誌面化しています)

 俳句では、2つの言葉を組み合わせて一句にすることを「とりあわせ」といいます。たとえば「荒海や佐渡によこたふ天の川 芭蕉」のような句です。異なった二物の衝撃によって詩の世界が生まれるのです。

 対談も俳句と同じように「とりあわせ」が命です。どんな人を組み合わせたら面白いのか、読者が、そして対談出席者さえも、驚きながら納得するような組み合わせを考え続けています。