これが“自殺したメディア”が防衛庁と交わした全文書だ
2004年3月19日9:00AM|カテゴリー:風に吹かれて|伊田浩之
イラクに派兵された自衛隊を取材するときのルールづくりについて、『週刊金曜日』では一貫して批判してきました。「知る権利」や「表現の自由」を危うくし、「検閲」に該当する恐れが強いためです。(本誌2月13日号、2月20日号参照)
しかし、防衛庁と日本新聞協会、日本民間放送連盟の三者は3月11日、現地取材ルールで合意しました。中身の問題点は、3月19日号で永井昭子さんが指摘していますので、読んでいただきたいと思います。合意には問題点が多く、同記事のなかで「歴史的な汚点」と指摘する研究者もいるほどです。
また、この合意内容について、詳しく報道しないメディアも少なくありません。『朝日』『毎日』は1ページ全面を充てて報道しましたが、NHKは1分程度のニュースでふれただけですし、日本テレビ、TBS、テレビ東京など一切ふれないテレビ局(地上波)もありました。
そこで、ここで一括して合意文書の全文を掲載します。
文書は下記の4文書です。
1)防衛庁がイラク現地での取材対応の内容を記した「イラク人道復興支援活動に係る現地取材について」
2)日本新聞協会と日本民間放送連盟が取材の基本原則について合意した「イラク人道復興支援活動現地における取材に関する申し合わせ」
3)基本原則に基づき、新聞協会、民放連と防衛庁の三者が取材機会の設定などについて交わした「確認事項」
4)立ち入り制限区域での取材に当たって記者側の「遵守事項」を定めた「イラク及びクウェートに所在する自衛隊部隊に係る立入制限区域への立入取材申請書」