ジャイアントパンダ
2004年12月10日9:00AM|カテゴリー:風に吹かれて|伊田浩之
不思議な写真展をみた。印画紙にプリントされた写真はなく、会場にあるのは38台のモニターだけ。そのモニターに、画像が次々と浮かび上がっては、消えてゆく。ジャイアントパンダやキンシコウ、トキなど、貴重な野生動物が中心で、画像の点数は180点にも及ぶ。
現在、『週刊金曜日』に連載していただいている動物写真家、岩合光昭さん(公式ホームページはURL http://www.digitaliwago.com/)の写真展「2005年オリンパスカレンダー写真展」(12月15日まで、東京・オリンパスギャラリー、URL http://www.olympus.co.jp/jp/gallery/opg/2004/opg041202.cfm)の光景である。
ギャラリー関係者は、モニターだけによる写真展はおそらく全国で初めてではないか、という。デジタルカメラでの撮影だから思いついた展示方法だろう。岩合さんは「カメラのファインダーをのぞいているようだ、と感想を語ってくれた人がいました。まさにその通りで、(デジタルだから)私がファインダーを通じて見た、オリジナル画像そのものをみていただいています」と話している。
デジタル化などで、画像の加工技術が進み、発色の調整などかなり自由自在にできるようになった。岩合さんの連載「地球に生きる」も、最近撮影された写真は、デジタルデータで渡されることが増えたため、読者に本来の色を見ていただけるよう、色の調整に注意を払っている。デジタルの特性を生かしたモニターによる写真展は、ユニークな取り組みだと思う。
展示方法を詳しく書いたが、もちろん写真の内容も素晴らしい。たとえば、ジャイアントパンダは、いままでパンダに抱いていた印象が大きく変わるほど、意外性と驚きに満ちている。岩合さんには連載の一年間延長をお願いして、快諾いただいた。来年も素晴らしい動物写真を紹介していきたいと思っている。
なお、岩合さんが撮影した「オリンパスカレンダー」(1部1470円、税込)を本誌読者にも5人に抽選でプレゼントします。希望者は、はがきに郵便番号、住所、氏名、電話番号、年齢を明記して、週刊金曜日編集部「カレンダー」係までお送り下さい。12月20日必着で、発送をもって当選発表に代えさせていただきます。