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暴かれた外務省の嘘。麻生財閥の外国人捕虜労働を政府が認知

麻生鉱業が陸軍大臣に炭鉱労働者300人を提供するように求めた文書(提供/藤田幸久参議院議員)

麻生鉱業が陸軍大臣に炭鉱労働者300人を提供するように求めた文書(提供/藤田幸久参議院議員)

政府はようやく外国人捕虜に労働させていた事実を認めた。

12月18日、麻生太郎首相の出身企業である麻生鉱業株式会社鉱業所の外国人捕虜労働を従事させていた動かぬ証拠が厚生労働省が提出した資料から明らかになった。

藤田幸久参議院議員(民主党)が記者会見を開き、麻生鉱業株式会社吉隈炭鉱が陸軍大臣に捕虜を炭鉱労働に従事させるよう許可を求めた一連の文書を公開したのだ。

議員は午前中に参議院外交防衛委員会で関連の質問をしたという。

これまで政府(外務省)は麻生鉱業が外国人捕虜を炭鉱労働に従事させていた事実を否定していた。

藤田幸久参議院議員。

麻生財閥の外国人強制労働を報じた米紙『ニューヨークタイムズ』を証拠がないとして激しく非難する抗議文を在ニューヨーク総領事館のホームページ上で掲載もしていたという。しかし今回、藤田幸久参議院議員が新資料をつきつけたところ、ただちに抗議文を削除した。

在ニューヨーク総領事館(外務省)が抗議文を掲載した当時の外務大臣は麻生太郎首相だった。

藤田議員は「なぜ外務省はなんら調べもせずに抗議文を掲載させたのか。だれが指示したのか今後追及していく。『ニューヨークタイムズ』への謝罪も必要ではないか」と、行政の不作為を批判した。

また、「ロシアなどは日本人捕虜の名簿47万人分を提出してきた。戦時中の捕虜問題は外交の問題です」(藤田議員)と、日本政府の失政を指摘。一方、日本政府は都合の悪い歴史はできるだけ、調べず、伏せ続けてきた。今回、厚生労働省が資料を提出したのも薬害エイズや年金問題であとから、資料が出てくる失態を避けたかったからだという。

「真の近現代史」を叫ぶ人たちは、このような問題もきちんと調べて懸賞論文を書いたらどうか。あまたある事実の中から、批判的にではなく、都合のよい事実だけを収集して歴史観を作りだす作業はなんら科学的でのではないか。

今回の外務省がおこなった不作為と嘘。この失態こそ、国益を損なう行為ではないだろうか。