きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

【ざっくりメディリテ講座  『産経新聞』編】 一面トップで報じたニュースを事実とも誤報とも認めずっておかしくないすか?

2月17日付『産経新聞』1面。

反共、反北という色が明確な『産経新聞』。その目的にあった記事を取材、報道しており、それは価値観の自由ですから批判するつもりはありません。他メディアの逆張りを行なって『産経新聞』だけが正しいということもたまにありますしね。だが、事実無根はまずい。

『産経新聞』当該記事の詳細は下記のリンクを参照していただきたい。

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100217/stt1002170131000-n1.htm

 

そこで、同社広報部に質問をしてみました・・・・・・・。

2月17日付け御紙1面下段記事< 拉致解決 総連幹部に直談判 衆院特別委員長「打開図りたい」>との記事について質問があります。ご多忙とは存じますが、以下、ご回答願えれば幸いです。

 1 拉致問題特別委員会の城島光力委員長が祝賀会で「南昇祐副議長ら幹部に拉致事件解決を求めて直談判に及んだことが16日、分かった」と報じています。ところが、本誌の取材によれば、城島は御紙の男性記者が出席したのかと電話をかけてきて「はい、そうです」と答えただけと回答。さらに、「直談判するなら相手国のトップ。あのような場でそのような話は持ち出さない。記者が想像で書いたのでしょう」とも答えています。以上から御紙の記事は誤報だったと考えられます。事実関係及びご見解、今後の対応をお聞かせください。

 2 また、同記事によれば、政府筋によればデヴィ夫人が参加していたと書かれてありますが、デヴィ夫人は参加しておりません。本人も否定しております。なぜご本人に確認をとらなかったのか。事実関係及びご見解、今後のご対応を聞かせください。

 

まあ、厳密にいえばですね、城島議員とデヴィ夫人が本誌に虚偽の回答を言っていて、産経記者には上記のように回答した可能性もあります。そうではないとの感触を得ていますが。

ところが、広報部経由の産経新聞社の公式回答ですが、

「お問い合わせの件についての回答は以下のとおりです。

①②正当な取材に基づく記事です。

以上です。よろしくお願いします。」

とのこと。

「事実なのか誤報なのかをということだけでも教えてほしいのですが」と質問しても以上がすべてです、と繰り返すばかり。新聞に載っていることが事実かどうか答えられない新聞って「×スポ」以外にあったのか。

しょうがないので、この少ない情報を読み解きますが、「正当な取材に基づく」とは取材方法が正当ということであって、記事は正当であるとは言っていないということになるわけですよ。

誤報ならば訂正したほうがいいのではないでしょうか。

また記者の方も記事中ネタモトの「政府筋」の情報は今後はあまり信用しすぎないほうがいいでしょう。的中率5割ですからアブナイアブナイ。

なお、取材を基にした記事は、2月26日発売の『週刊金曜日』「メディア一撃」面に掲載します。 

 

【あと、お知らせ】

2月26日金曜日には作家の森達也さんと勝間和代的生き方問題視本がベストセラーになった香山リカさんの公開対談があります。佐高信編集委員と沖縄の照屋寛徳衆院議員の対談もあります。かなり豪華なメンバーですので、この機会にぜひとも話を聞きに来てください。『週刊金曜日』も協賛しています。

時間 18時00分開場

場所 総評会館

参加費 500円

詳しいことは→主催者 「憲法行脚の会」のHPまで

http://homepage2.nifty.com/kenpou/