金曜俳句の投句一覧(4月末締切、兼題「端午」)
2010年5月7日3:43PM|カテゴリー:櫂未知子の金曜俳句|admin
「櫂未知子の金曜俳句」投句一覧
(選句結果と選評は『週刊金曜日』5月28日号に掲載します。『週刊金曜日』の購入方法はこちら)
【端午】
父ひとり海を見てゐる端午かな
札幌の天地悠々端午かな
キジバトのででぽっぽうと端午来る
限界村なれば幟や吹き流し
真中で鍾馗胸張る骨董市
日がな一日順序かはらずこいのぼり
磯鵯や瑠璃の子らと遊びをり
幟一基命ありけり谷の村
我れ住めり叫ぶ代りの鯉幟
白き峯鯉の尻尾でたたかれし
風薫る端午の節句夏近し
端午の日四人育てしころのこと
大利根の用水溢る端午かな
夕刊は兜に替はる端午かな
端午の日湯上がりの子の唇赤し
公園に集ふ子の無き端午かな
白球を打つ子忘れる端午菓子
川の幅いっぱい泳ぐ菖蒲の日
雲ひとつ連山越ゆる端午かな
鯉のぼりこどもと夢を語り合う
端午の日孫五人衆押し寄せて
端午とて外に遊びに行ったきり
こいのぼり中空放つ山家かな
伸びらかに桃李の里の鯉のぼり
貝の潮ふかれ浮き立つ子供の日
菖蒲湯を点てる孫らの端午かな
端午まで保たし続けし香の物
河川敷どこもかしこも端午かな
読めさうに声だして読む菖蒲の日
矢車の音地に降りぬ村となり
開け放つ団地の窓や端午の日
端午の日緑うまるる村に居り
昭和の日猛々しきは鯉幟
草食系柏餅でも食べなさい
団地の子小さな鯉に夢のせて
端午の日たゆたふ雲や蝦夷の空
男の子鯉のぼりから夢もらう
鯉幟濡れて棒にまつはりぬ
新聞の兜大きく端午の日
鯉のぼり強い風ほど見事なり
やまびこを呑みこみ太るこいのぼり