金曜俳句への投句一覧(11月末締切、兼題「神の留守」)
2010年12月3日9:35PM|カテゴリー:櫂未知子の金曜俳句|admin
「櫂未知子の金曜俳句」投句一覧です
選句結果と選評は『週刊金曜日』12月24日号に掲載します。
どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂さんの選と比べてみてください。
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【神の留守】
他界より昇天が好き神の留守
一畳のベッドで彷徨ふ神の留守
神の留守アイヌ刺繍の糸紡ぐ
大名行列の雲や神の留守
人前の結婚誓う神無月
神の留守夜な夜な開く遠野譚
世捨人森かげに住み神の留守
へっついに洩る木もれ陽や神の留守
神の留守よそに建てます原発を
神の留守ノーベル戦争賞あげます
神の留守たつぷりよそふ茶碗飯
神の留守団地存続署名かな
神の留守醜聞を盛る週刊誌
声のごとき遠き風あり神の留守
水の神ゐまさぬ井戸の黒きさび
ブーメラン鋭く曲がり来る神の留守
神の留守死ぬ智慧探す生きる智慧
神の留守「メメント・モリ」は版重ね
衛星の帰る地球や神の旅
神の留守胃再検査とあいなりて
神の留守瞽女唄流る杣の宿
北へ行く列車待ちをり神の留守
神の留守かくも長きにわたるとは
神無月みなとみらいの夜の景
神の留守へそくりの花咲かせます
賑はへる物産展や神の留守
鎮もれる無数の空や神の留守
決まりごと踏みつけにして神の留守
巫女服の屈託もなき神の留守
小童が泣き止まずして神の留守
神の留守いいのよどうせ慣れてるから
大風の抜くる坂街神の留守
深々と神留守の野に隠れゐる
神の留守猫の絵を観に北の街
茶柱の二本立ちたる神の留守
あれこれとニュース悲しや神の留守
改築の裏に捨て井戸神無月
アベックが子は生まないと神の留守
白地図の国境あたり神の留守
神発ちて菜根かくも甘かりし
五円玉拾ふ気になり神の留守
公園の砂場にお家神の留守
神の留守森に斧鉞の音乾く
神の留守こころつなぎて佛よぶ
神の留守何度も同じ道に出る
神の留守お金儲けに励むなり