金曜俳句への投句一覧(2月25日号掲載=1月末締切、兼題「梅」)
2011年2月7日6:24PM|カテゴリー:櫂未知子の金曜俳句|admin
「櫂未知子の金曜俳句」投句一覧です
選句結果と選評は『週刊金曜日』2月25日号に掲載します。
どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂さんの選と比べてみてください。
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【梅】
探梅の風にまろびつ三人連れ
建売の小さき庭先梅一本
梅散りてチェルノブイリの空思ふ
主未だ眠りし北の梅屋敷
開けた戸を閉てかねるほどに梅かおる
梅が枝や爪弾く琴の糸の張り
白梅や五十年後のわれに遇ふ
暮れ残る白梅千手観音像
鉄幹の一輪今朝の濃き茶かな
咲き競ふ紅白梅の花吹雪
梅咲いて娘はピアノ修行中
宅配便梅の香の中現はるる
白も紅も梅のバックは蒼が好き
母紅梅祖母白き梅墓の下
盆梅の隅にミニチュア茅葺家
梅の香や長き眠りの父目覚む
散歩道日々異なりぬ梅の頃
梅咲いてマシュマロ一つコーヒーに
姉上の所在つかめぬ花の兄
梅の香や人すれ違ふ道の端
志士たちの蹶起の社梅白し
白梅に雪積む朝の別れかな
梅林や白い大地の香仄か
ひとこふを知り初めし頃や梅の花
つぶらかに今朝の紅梅咲きにけり
盆梅や化粧の似合うおばあちゃん
かをりのみ置きて紅梅闇に消ゆ
梅が香のままに歩きし疲れかな
一年の貯金はたいて梅が咲く
野梅咲く峠を越せば山白し
夕闇に染まず白梅薫り立つ
金山の遊郭いまは梅の園
梅の香や末うめぼしともおもほへず
淫らなる緘黙のあり梅二月
梅が香や暮れなずむ空城の内
白ならぬ白にてかをる闇の梅
梅林やうすうす濁る千曲川
はつこひはどこか梅の香ににている
梅が香へ揃ひて背伸びしたりけり
梅干しや人たぶらかせし日もありき
路地に入る梅の香ぞする花見えず
みちのくの梅は百花に香りけり
紅梅の蕾膨らむ門出かな
梅咲きてとほくより豆腐屋の声
白梅や丘のてつぺんにて抱く