金曜俳句への投句一覧(5月27日号掲載=4月末締切、兼題「メーデー」)
2011年5月10日6:59PM|カテゴリー:櫂未知子の金曜俳句|admin
「櫂未知子の金曜俳句」投句一覧です
選句結果と選評は『週刊金曜日』5月27日号に掲載します。
どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂さんの選と比べてみてください。
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【メーデー】
肩の児の帽子の揺れてメーデー歌
メーデーの列に傘持つ人多き
黙祷をしてメーデーとなりにけり
不況下の気勢上がらぬ五月祭
メーデーは果て陋巷の星月夜
風船を持つ子を背にメーデー歌
メーデーに行つてみやうか逸れやうか
躙り口潜れば聞こゆメーデー歌
メーデーの由緒知り問う人も絶え
地図からは消えたる国のメーデー歌
メーデーの日比谷に都はるみ聴く
メーデーの地球一周して来たか
熱き手をつらねしメーデー遠くなり
メーデーやインタナショナル口籠もる
来年よりは雨天順延五月祭
メーデーのメール短くやりとりす
メーデーや遠嶺に残雪のあり
メーデーや男勝りの姉妹
地下道を出でてメーデー前夜かな
メーデーの列を横切る機影かな
そもそもはあのメーデーの肩車
メーデーの雑音多き拡声器
メーデーの朝も忙しく宅配す
メーデーや雲なき空に怒りなく
メーデー旗木々のさやげる中を行く
メーデーや路傍の石につまづきぬ
凹凸の多き街路やメーデー旗
メーデーを見る側にをりスニーカー
晴天にかのメーデーを思ふべし
メーデーが旗を振つたり踊つたり
メーデーの意味も知らずに農一途
メーデーの空に吹かるるゲバラかな
メーデーにペットボトルのお茶甘し
メーデー旗多喜二の職場このあたり
メーデーはとほく聞こゆる革命歌
何はとも子らの幸せメーデー歌
メーデーの雨に濡れないやう歩む
メーデーの雨天決行子供泣く
革命は遠くなりけり五二メーデー
メーデー歌ほぼ忘れたる無精髭
メーデーと出会い頭の銀座かな