金曜俳句への投句一覧(6月24日号掲載=5月末締切、兼題「サングラス」)
2011年6月15日9:58PM|カテゴリー:櫂未知子の金曜俳句|admin
「櫂未知子の金曜俳句」投句一覧です
選句結果と選評は『週刊金曜日』6月24日号に掲載します。
どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂さんの選と比べてみてください。
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【サングラス】
サングラス世界に違って見られたい
サングラス李徴は虎になりました
仄見えてきしオアシスやサングラス
サングラス煩悩Aを削除中
サングラスはずすその目の涼しさよ
サングラス臆する我を放ちけり
サングラス裸眼といふもはづかしく
物の怪を除けて通してサングラス
サングラスレンズに映っているのは何
サングラスはずして仰ぐ寺の鵄尾
サングラスホットドッグをかじりましょ
サングラス本の谷間に忘れられ
サングラスはずし己に戻りけり
サングラス掛けておどける三歳児
うたかたのうつつにとほくサングラス
濃き影と濃きサングラス白き顔
サングラス昔の名前忘れたさ
泣き止まぬ赤子をあやすサングラス
清純の田中絹代やサングラス
サングラスいいえ私は地底人
季節なき夜の舗道のサングラス
サックスを吹く指太しサングラス
サングラスかけて一人を演じおり
サングラス熱弁振るひたき時も
サングラスもつと哀しい顔になる
サングラスに残るあの日の海の色
焼きそばの皿の横なるサングラス
サングラス流し目してる象がいて
サングラス毀誉褒貶の紫外線
ドーパミンいきいきとしてサングラス
サングラス甘納豆には勝てません
経を読み終へし坊主がサングラス
サングラス封書三通投函す
サングラススター気取りでポーズ取り
サングラスがちな街角風過ぐる
サングラス妻が遠くに謎めいて
はずさねばならぬ人かとサングラス
サングラス気合入れたる野良仕事
サングラス内の虚ろは隠せずに
異性より三歩離るるサングラス
サングラス挿して出てゆく雨あがり
こわいもの知らず十代のサングラス
見たくなきものの多き日サングラス
主役にはほど遠きかなサングラス
サングラス着けて眺めし杜若
君に似てつい振り返るサングラス
現世を仮の世と知るサングラス
少年の口への字なるサングラス
あの娘がね大人になつてサングラス
いまだなほあの海は見ずサングラス
行きあぐみ日陰にはずすサングラス
三陸の雨はか細きサングラス
サングラス買って上げるや男前
くたばればサングラスなど名前など
サングラスかけて歩幅の変わりたる
ジェット機のよぎる一瞬サングラス
気味悪し屋内で会うサングラス
サングラスかけし私を見るわたし
淡々と離婚会見サングラス
サングラス砂のにほひのほのかなり
バイク吠へサングラス濃き中高年
辞儀のまへ辞儀ののちなるサングラス
サングラス斜めに暮れるビル見上げ
沖縄の空を見てゐるサングラス
サングラス夕焼のためかと思ふ
サングラスまだ店になし和服用
その先は知られたくなしサングラス
サングラス我をかくして静かなり
サングラス微笑んでいて泣いている
サングラス外って海辺の昼寝かな
人波の多き海なりサングラス
サングラス外し童顔出でにけり
サングラスして放蕩の話かな