金曜俳句への投句一覧(6月24日号掲載=5月末締切、兼題「夏料理」)
2011年6月15日10:04PM|カテゴリー:櫂未知子の金曜俳句|admin
「櫂未知子の金曜俳句」投句一覧です
選句結果と選評は『週刊金曜日』6月24日号に掲載します。
どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂さんの選と比べてみてください。
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【夏料理】
加茂川や床に風呼ぶ夏料理
夏料理玻璃に映りし洗膾かな
夏料理初物ならべ尽したる
南欧の酢をふんだんに夏料理
鼓を復習う音遠からず夏料理
竹籠に盛って床しき夏料理
林から蝶現はるる夏料理
それぞれの郷土自慢や夏料理
海岸を一望できて夏料理
かつて夏料理であつた大皿よ
夏料理備前焼なる火の記憶
一陣の風吹き渡り夏料理
夏料理氷の器歪みをり
手品のように香辛料変え夏料理
川床の灯にうかぶ夏料理
夏料理細き炎を愛でにけり
木の椅子の軋む館や夏料理
古九谷の波千鳥よき夏料理
谷川にビール沈めて鮎料理
風渡る音を仕上げに夏料理
昼灯を纏ふ酒蔵夏料理
封切のぽん酢の香に立つ夏料理
夏料理無粋なれども迷い箸
確かめる砥石の肌理や夏料理
夏料理羊の如く待ちゐたる
はんなりと運ばれ来たる夏料理
切り口の色みずみずし夏料理
ロック酒グラス響かせ夏料理
一膳を多く頼みて夏料理
玉の汗滋養に満ちる夏料理
夏料理水を得たるか呉須の魚
川風の喉なでゆく夏料理
襷かけ流しそうめん食い競べ
きつぱりと箸置きにけり夏料理
まばたきて映しきらざる夏料理
夏料理きらり硝子の器かな
ガラス器に揺れる緑葉夏料理
川筋の風を招くや夏料理
流れゆく笹舟追いつ鱧料理
夏料理大きな顔をしてをりぬ
夏料理落ちる陽見つゝベランダで
鱧抜きて語れぬ京の夏料理
夏料理奴の分まで河童淵
夏料理豆腐の稜の切れるごと
串刺しに数多されたる夏料理