警視庁の天下り問題1 暴力団排除運動
2011年7月14日7:57PM|カテゴリー:マカロニほうれん総研|Hirai
2011年3月4日号に続き、5月27日号の『週刊金曜日』ニュース欄「アンテナ」で、パチンコ問屋業界と警視庁OBの天下りについて2回目の短い記事を書いたが、その後日談があるので、報告しよう。
まずはリテラシーを上げる解説に少々お付き合いをお願いしたい。
最近のヤクザ
警察庁が目下、やっきになっているのは「暴力団排除」である。
具体的には山口組殲滅である。
どこの世界でも仮想敵は必要なのである。仮想敵さえうまく設定できれば、仕事になる。生きられる。世の中、見回しても仮想敵シフトだらけ。いやなものだ。
そんな暴力団員、ヤクザがどうなっているのか。現在、暴力団対策法による指定暴力団の構成員は徹底的な監視を受けてがんじがらめになっている。差別的扱いは法的にオッケーである。ヤクザとわかればその動きはすぎに通報されていると思っていいだろう。
最近は高級ベンツなど現金で買ったりすれば一発で足がつくという。だから警戒心の強いヤクザはそんな買い方をしないし、銀行口座から郵便物まで金や情報がどのように流れているか敏感である。
それゆえ、パンチパーマとか、いかにもヤクザ風な輩はなかなか希少な存在になってきた。パンチパーマは威嚇するための武装のひとつだったと思うが、威嚇や暴力はもはや一般社会では通用しない。通用させようとしたらすぐに逮捕される。
ヤクザも幹部になればなるほど商売の元である暴力性を隠そうと腐心している。
とはいえ、お姿を見ればおおよそその筋かわかりますけど。
パチンコ業界
そんな警察の暴力団排除運動を東京都のパチンコ業界に当てはめれば、中心に位置するのがパチンコ玉と換金する景品の問題、金景品の問題となる。パチンコは30兆円産業とも言われた美味しい業界だが、東京のパチンコ業界ではほとんどヤクザは排除されたと言われている。というか業界がそう宣言している。
その結果パチンコ業界はどうなったか。
風適法(風営法)の監督官庁である警察のOBが業界に天下っているわけだ。監督官庁強し。
永久に終わらないらしい「暴力団排除」を大義名分に。これはパチンコに限らず、一部上場企業をひっくるめてそうだ。警視総監を顧問に迎えていた企業もあったが、私からすれば、それまで暴力団とお付き合いをしていたということをあからさまに認めているとしか思えない。相撲協会を見てもそれは証明されている。
警察庁は経済産業省と連携して、昨年から業界別に締め付けている。だからか、経済産業省の暴排担当官僚が県警本部長をやっている県もあるなど、経産省と警察は相性がいいらしい。
ともかくコンプライアンス(法令遵守)の徹底は年々厳しくなっている。
もちろんこれを批判する法的な理由はないが、世の中グレーゾーンというか異界というか、そういう存在が排除される一方だ。在日朝鮮人学校の無償化排除もそうだろうし、菅政権においてその「一里塚」は、社会保障と税の一体改革で登場する共通番号制だろう。
話が大きくなりすぎるので今回は、所轄が力を発揮する風適法、そのなかでも門外漢であるパチンコの問題に話を戻して駄文を引き続き書く。
パチンコを批判的に書くジャーナリストなど、ほとんどいないのでこんな駄文でも少しは意味があるだろう。
(つづく)