暴力団排除運動の末路 東京のパチンコ業界はこうなった
2011年9月21日3:33PM|カテゴリー:マカロニほうれん総研|Hirai
警察庁が熱心な暴力団排除運動。10月1日は東京都で暴力団排除条例が施行され、暴力団排除の一つの節目となる。島田紳助氏もそのフレームアップに使われたのだろうということはヤクザ業界の常識だ。
暴力団対策法や暴排条例の合憲性の議論はさておき、都内のパチンコ業界では1998年に暴力団追放は完了したと警視庁後援の大会まで開き宣言をしている。
その結果、どうなったか。
警察の天下りを業界で受けいれて、常に警察が監督するようになったのである……。
さて、円高が騒がれているが、これは実質的にはドル安である。
安いドルを嫌った投機資金が円のほか金にも流れて高騰しているのだ。
これに都内パチンコ店も影響を受けている。
東京ユニオンサーキュレーション株式会社(TUC)が扱う金賞品の値上げがまたしても行なわれる予定なのだ。
都内パチンコ店では、市場価格とあまりにも乖離する特殊景品を排除して、金を一般景品として換金賞品にしている。
TUCとはで金景品を流通させている企業で、景品問屋の組合である東京都商業流通組合(東商流)の事業部門である。つまり実質支配しているのは東商流である。
このTUCの金景品はこれまで3度にわたる金賞品の値上げが実施されてきた。
その結果、この金賞品、中身はまったく同じ1gの金だ。にもかかわらずシールによって、3500円、4000円、5000円と三段階の価格を区分し設定している。この時点で金商品の価格が市場と連動しておらず特殊景品と同じ価値はこの業界では認められていないとも言え、特殊景品の疑いが濃厚であるが、この論点については、前回のコラムなどを参照されたい。
景品に貼るシールは問屋が負担して購入しているが、その数がハンパではない。
現在、都内に出回っている金賞品は800万個とも言われている。かりに500万個だとして、シールが500円だとすれば勝手に値上げを決められる東商流にとっては、一晩で500円の値上げで25億円の利益が出ることになる。
しかもこの値上げを決めているのは警視庁OBである。
勝ち組は警視庁OB
東商流は理事会で値上げを決定しているとしても、その中心に位置するのは専務理事。その専務理事が警視庁OBの若杉秀康元高尾警察署長なのである。
パチンコ業界への警察天下りである。
結局、この金景品は金よりもシールの真偽が重視されるようになってしまっているわけで、中身が本当に金地金なのか疑わしいとも言える。値下げ前のシールの金賞品を持っている人は貴金属商に持ち込んだらどうだろう。
本物ならば貴金属商は買い取ってくれるし、偽物ならば東商流の詐欺ということになる。
健全遊技を目的としたパチンコ業界に天下った警視庁OBの錬金術はいったいいつまで続くのだろうか。