金曜俳句への投句一覧(1月27日号掲載=12月末締切、兼題「福寿草」)
2012年1月13日5:00PM|カテゴリー:櫂未知子の金曜俳句|admin
「櫂未知子の金曜俳句」投句一覧です
選句結果と選評は『週刊金曜日』1月27日号に掲載します。
どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂さんの選と比べてみてください。
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【福寿草】
ふるさとは空までつづく福寿草
アイゼンを解く足許に福寿草
福寿草咲いて気になる小径なり
福寿草川辺の春を集めをり
大いなる我がスランプよ元日草
福寿草ほほ近づけて覗き込む
福寿草東日本に季は巡り
いくたびもまなざし灯す福寿草
谷底の光あつめて福寿草
歩みだす福寿草の自然見に
福寿草何を孕んで売られゆく
やはらかき日を鉢に盛る福寿草
真実を秘めて嫁ぐ日福寿草
坪庭に日のさし初めて福寿草
薄明かり老舗の土間の福寿草
パラボラに光集める福寿草
薄墨の野に黄燦たり福寿草
快復の証に植えし福寿草
母の膝知らぬ別れや福寿草
仮の世と言へどいとしき福寿草
小さき佳き兆しにてあれ福寿草
福寿草古き調度に囲まれて
福寿草古刹に低く風の舞ふ
福寿草女が泣いてる表紙
開きての後愛でられぬ福寿草
けふの空黒い旗なき福寿草
初孫の笑顔に似たり福寿草
廃村の空にぎはしき福寿草
大陸にも福寿草ありと老兵士
しんしんと朝日降り積む福寿草
福寿草添えし指染む黄金かな
無口ほど伝わる愛も福寿草
パンドラの箱の中なる福寿草
まごろしの山窩のやどり福寿草
合掌のてのひら温し福寿草
雪割れて土の香ぬくまる福寿草
福寿草庭一面に灯しをり
迎春や松竹梅に福寿草
小上がりの千本格子福寿草
嫁取りを迫られてゐる福寿草
健気なり直植えされし福寿草
咲くときは二人が似合う福寿草
雪の端に顔のぞかすや福寿草
福寿草もう大丈夫かもしれぬ
竹箒立て掛けてある福寿草
床の間にほのかにともる福寿草