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兼題「竹伐る」__金曜俳句への投句一覧(9月18・25日合併号掲載=2015年8月31日締切)

「櫂未知子の金曜俳句」投句一覧です。

選句結果と選評は『週刊金曜日』2015年9月18・25日合併号に掲載します。

どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂さんの選と比べてみてください。

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【竹伐る】
竹を伐るカゴヤという隣家あり
若竹はいまだひよろひよろ竹を伐る
竹伐って貰ふ序に清掃す
竹伐ると竹の子増えて大儲け
竹伐りし空たちまちに竹覆ふ
青空を少し広げて竹を伐る
竹伐って一番星の近づきぬ
よく騒ぐ竹から順に伐られけり
竹伐るや南禅寺山門太柱
風止みてふさぐ路上の竹を伐る
竹伐るやむかし一族山持てり
竹色の闇そのままに竹伐りぬ
幼子を傷つけぬやう竹を伐る
さらさらと湧き水流れ竹を伐る
素性よき肌を選びて竹伐らる
竹伐るや親類某かの畑
還暦の父伐る竹の齢かな
散歩途中竹伐るために帰りくる
山の子の通ふ小径の竹を伐る
竹伐つて赤城の山の近さかな
竹伐れば大原女の負ふ子に日差し
竹を伐る今宵徳利となる青さ
電動ののこはかどりて竹を伐る
山道の尽きて竹伐る音の中
昼闇を竹伐る音の走りをり
竹伐つて瀬音とほのく木曽路かな
竹伐つて始まりを告ぐ能舞台
裏山や竹伐る音の清々し
竹伐れば天の一角崩れ落つ
かぐや姫竹伐る時の心の音
竹林に七人の人竹を伐る
竹を伐る天の窓がひとつ空く
竹伐つて少年の手に余りたる
ここ京都嵯峨嵐山竹を伐る
竹伐って青き匂ひを背負来し
竹伐つてこれほど長き太きかな
竹伐るは隣りの婿か音高し
竹伐って貰ひて重し帰り道
竹伐るや高みに青き窓開く
竹を伐る露出の石は知らぬげに
竹伐らば父の硬さのたなごころ
竹を伐る予告の書類増刷し
竹を伐る妻の呼ぶ声響きけり
汗こらえヤブ蚊もこらえ竹を伐る
竹伐って竹の香残る鉈を研ぐ
竹を伐るみんなで作る祝島幼稚園作り賛否を越えて
空澄ぬ竹伐る音の寂しけり
竹伐つて一瞬の空あをばかり
伐るために吾あるごとく竹を伐る
竹を伐る老夫の軍歌から元気
竹を伐る地下足袋の人過黙なり
竹を伐るバサリと木霊返り来る
茶室より声こぼれけり竹を伐る
竹伐るや斧一閃の翁の技
伐られたる竹は詫びしき笛の音に
竹伐りて行先惑ふ風に会ふ
少年の舞台のための竹を伐る
イメージは竹伐りながらデザインし
竹伐れば躊躇いがちに空を斬り
キッチンはすべて白色竹を伐る
気に入りの撓む一本竹を伐る
竹伐って胸の奥処に風渡る
竹伐るや青竹の香を身にまとい
笑ふこと人に任せて竹伐れり
夕暮れに竹伐る音の響きけり
荒れる竹ばさと伐られしものあはれ
竹を伐る音の賑はひ空に溶け
ゆさゆさと緑かざして竹を伐る
傷跡は肥後守とも竹を伐る
今年また竹伐る兄に嫁の来ず
竹を伐り竹急坂を滑り落つ
急坂に足袋食い込ませ竹を伐る
竹伐るや若人を無駄死にはさせず
釣竿に程よき竹を伐りにけり
山峡に鉈音たかく竹を伐る
竹伐りし空きには星の降り注ぐ
竹を伐る次の楽しみ残しつつ
雨の日を狙ひ竹伐る男かな
伐竹の牛若丸の気合かな
竹を伐る目は足元に落ちにけり
竹伐つていのち引越す荒き音
竹伐つてひさかたの空すぐ閉ぢる
竹を伐る撮る人一歩下がるべし
滝音とまがふ葉ずれや竹を伐る
思い出の公園に来て竹を伐る
竹伐つて空に一穴穿ちけり
竹伐るは風無き山のあの辺り
竹切るや腹筋われてゐるつもり
竹伐って遠き薄暮を曳き行けり
竹伐るや竹の子思い孫思い
かぐや姫中に居そうな竹を伐る
竹伐るや女のこゑもまじりをり
竹伐ってまさをなる空に会ふ
かぐや姫きつとゐる竹選び伐る
伐る前の竹のあをきに触るるなり
葉ずれして影重なりぬ竹を伐る
島にまだ砲台跡や竹を伐る
竹を伐る尺貫法で切り揃え
竹を伐る時皆翁の気持ちなり
千本の竹伐り終えて駅灯
竹伐れば御本尊も出て来ます
竹伐るや一本二本光り増す

【追加分】

竹伐つてすでに跨げぬほどの嵩
伐られたる竹をしづかに手渡しぬ
竹伐つて風の優しくなりにけり
蒼天に触れきし竹を伐り落とす
竹伐つて故郷の空高うせよ

【不明】
ケロッグがポンドにピョンしていとおかし