きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

兼題「初髪」__金曜俳句への投句一覧
(1月28日号掲載=12月31日締切)

初髪は、新年になって初めて結い上げた髪です。

さて、どんな句が寄せられたでしょう。

選句結果と選評は『週刊金曜日』2022年1月28日号に掲載します。

どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂さんの選と比べてみてください。
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予約もできます。「週刊金曜日」で検索してください。

※差別を助長するなどの問題がある表現は、この「投句一覧」から省きます。
※上記以外で投句した句が掲載されていない場合は、編集部(伊田)までご連絡ください。
※公式サイトが攻撃を受けていたため、掲載が遅くなったことをお詫びいたします。

【初髪】
初髪や細き路地より大通りへ
初髪で妍を競ふやをなご衆
初髪や嵯峨野の人の雪めきて
初髪のおでこに天日心地よく
結ひ初めの臙脂色なる令和かな
初髪に胡麻塩光り祖母になる
初髪にまだ不機嫌の残りけり
初髪を結いて大人となる気持
初髪の大発会の手締めかな
初髪を高く結ひ上げ若女将
夕暮れを初髪娘そぞろ行く
初髪を見せる人無し天満橋
初髪の重さ重ねる振袖に
初髪の終えて夜道をジーンズで
磨かれし三和土の二人初髪へ
初髪やそれぞれの性生きる自由
初髪の褐色にして清楚なる
初髪に腰のすわりも堂々と
初髪に遠山の風とどきをり
初髪や後ろ髪ひかれぬショート
初髪や姉妹よく似た歩きぐせ
初髪を解きて眠れぬ日もありし
初島田雪も簪として暫し
初髪を見たし初髪を結ひたし
初髪の肩に乗りくる小さき猫
初髪を結ひ終へ少女伏目がち
初髪の橋なかほどに傘回す
初髪をきりりと結ふて事始め
初髪の重心高く歩きをり
初髪の香とすれ違ふ先斗町
ハグしてよ初髪のわれ思いっ切り
初髪の鬢の影享く盆の窪
初髪や神楽坂から靖国へ
初髪や目もと声色よそ行きに
初髪の赤を誇れるギター弾き
初髪の鬢の解れや古書を買ふ
引き締めて初髪結いしテレワーク
初髪をとけば大路の風匂う
初髪を気付いてくれぬ夫なれど
初髪の耳に小さな黒子かな
初髪の顔の幼さ香の大人
初髪や灯のなかいまだ崩れざる
初髪の艶ほれなほす途上かな
初髪の姉妹を先に行かせけり
美容師の多忙初髪手の足らず
初髪や連れ立ちゆける同い年
初髪や近くも遠き従兄弟半
初髪の高きに背伸びする彼氏
初髪の鏡を離れては戻る
初髪やチーママけふは酔ふと云ふ
初髪や海を眺むる美容室
初髪や家の鏡で手直しす
初髪や未来の光さす鏡
初髪やパソコン会議の前に結い
初髪や声湧き上がるサッカー場
初髪に悪戯のごと向かひ風
初髪に編込む風と恋と嘘
古都の路地初髪に道ゆずらるる
初髪や香炉の煙沁み入りて
初髪と笑みし舞子の目つきかな
梳きおろすだけの初髪君すこやか
初髪のままお太鼓を解きにけり
初髪を解きて女の顔となり
初髪や心構へを弟子に告げ
初髪はスマートフォンに夢中なり
初髪をキリリと結ったラップ歌手
初髪や木戸の狭きの恨めしき
初髪にうなじの痤瘡吉とする
初島田結へば好きことばかりなり
タクシー停まり初髪のくぐり出づ
人力車初髪を乗せ風切れり
初髪や自由に人に会う喜び
初髪やむかしエレベーターガール
初髪や自粛二年の白いもの
初髪を崩してけふは御三どん
初髪の妻があつちへこつちへと
初髪の襟足高き芝居かな
初髪や産毛和毛もひとくくり
たそがれをまとひ初髪やはらかに
初髪を揺らし手締めの取引所
初髪や養母譲りの富士額
初髪のほつれるままに日暮かな
初髪に独居の朝も一人分
さいはひの溢る初髪結ひたれば
初髪や骨の太さは母譲り
初髪の後ろ姿に気をひかれ
初髪や出会ひし頃の妻に逢ふ
初髪に添ひし男は何を着る
初髪の綺麗に結へて佳き顔で
ライダーや初髪なびく二人乗り
初髪や姉妹のうなじ母に似て
初髪のやさしく置きし柄杓かな
初髪を束ねて銀の火花かな
初髪や妻は毎朝結うように
大年の髪梳く妻に手を貸せし
おくれ毛のくるくるはねて年の髪
逢ふまでに初髪に合ふ貌にせむ
初髪やこめかみ紅くなりにけり
初髪にフランス料理フルコース
しこうして初髪に花たわわなり
寛解に和毛はえくる初髪や
快復の初髪見せし妻とゐし
長き髪あつさり切りて初髪に
初髪を迎ふる里の爺と婆
初髪にをんな師匠のこゑの艶
男どう言ふ初髪を剪り揃へ
初髪に漉き込めらるる京の風
たらちねの母に初髪結ふ時間
初髪の漣めきて大鳥居
和紙の紐絞める初髪バイト巫女
初髪の和装オーデコロン帯びて
初髪を整ふ間なく明けにけり
初髪や犬の餌持つ美しく
人混みに遠く初髪泳ぎ行く
初髪や電線のない側歩む
初髪の何人かあり京都駅
初髪の肩へに掛かる掌
気新たに櫛を使えば初髪に
初髪や鶯谷の風俗嬢
ちょこまかとお運びをする初髪や
初髪のうすうすとしてなほ多情
初髪の娘の挨拶へ返し兼ね