きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

エイベックスミュージシャン小室哲哉逮捕で思い出す 浜崎あゆみ自宅の香ばしさ

  小室哲哉が114日、大阪地検特捜部に逮捕された。

“この程度”の「詐欺話」で特捜部が動くことに違和感を感じる。

詐欺罪は立証が難しい事件だ。だから詐欺的マルチ商法などがなかなか立件されない。騙す意思などないと徹底的に開き直り突っぱねてとぼけるからである。

 

案の定、その後、話はふくらみ小室容疑者の周辺の怪しい素顔が浮かび上がってきた。

 

しかし、怪しい素顔は本体のエイベックス・グループや所属タレントも例外ではない。そもそも芸能界とはそんなものだ。

 

そもそも小室容疑者が所属していたエイベックス・グループが再三、「暴力団」「右翼」「総会屋」にまとわりつかれていることは、本誌でも今年の株主総会にまつわる話に関して報告している。

この企業が定期的に「総会屋」「右翼」にまとわりつかれていることは、本誌でも今年の株主総会にまつわる話として報告している(注)。

 

このエイベックスの代表的なタレントといえばご存知、「歌姫」の浜崎あゆみだろう。

 

「アクセス・ジャーナル」→『週刊新潮』というチームプレー?で木曜日発売の『週刊新潮』には「あゆ」の少々古くさい元彼の告白話が紹介されている。

エイベックス関係者に聞くと、記事は事実である点と事実と異なる点があるとクビをかしげていた。

たとえば、ハワイのエイベックスの別荘(松浦勝人代表の別荘)で、浜崎がその恋人と二人きりになったとあるが、それはありえないとか。スタッフが何人も泊まっているし、現地でのボディガードがついているのだとか。

 

さて、その浜崎の自宅兼個人事務所は青山学院大学からほど近い場所にある要塞のような建物である。ごつい監視カメラも設置されており、小洒落ているが、防御目的であることは明らかな鉄格子もはめこまれている。日本でトップクラスの芸能人ならば、それぐらいのセキュリティが必要なのだろうと思いつつ、その不動産登記を開くと“武装豪邸”のそもそもの所有者は浜崎ではなかったことがわかる。

 

そのお歴々がなんとも香ばしい。

階ごとに敷地権のついた建物として登記されているのでその一部の登記から所有者を紹介しよう。

 

1992年にある会社に登記された建物は、登記が抹消されるなど複雑な経緯をたどりながら、20004月にアーバンコーポレイションに所有権が移転する。

 

以下、

200012月にアーバンからエイベックス現代表取締役の松浦勝人氏に所有権は移転。

2000212月には今度はダイナシティ(港区)に所有権は移転。

20042月、ふたたびエイベックス役員K氏に移転。

200510月に濵崎歩(浜崎あゆみ)に移転し、今に至る。

 

という具合だ。

浜崎宅の資産評価額は不明であるが、関係者によれば数十億という説もある物件である。

上記の面々から事情通はすぐにピンとくるだろうが、次にこの建物所有者に関するプロフィールを簡単に紹介する。

 

アーバンコーポレイション(広島市)といえば、2558億円の負債を抱えて破綻した不動産会社。「暴力団のフロント企業」を使い、同じく今年に破綻したスルガコーポレーションと取引関係があった不動産会社である。

 

松浦氏のエイベックスは1999年に東京証券取引所一部に株式上場している。創業者利益は莫大なものだったから、それが購入資金になったのかもしれない。

 

ダイナシティは、代表取締役Nが20056月に覚醒剤所持の現行犯で逮捕されている。その後、0512月にライブドアがダイナシティの筆頭株主となり、061月にライブドアの取締役だった宮内亮次が社長に就任している。しかし1月末にはライブドア代表の堀江貴文や宮内が証券取引法違反容疑で逮捕されていることは、ご案内の通り。

 

また結果的に無罪となった事件だし、私も当事者を取材したのでここで引き合いに出すのも気が引けるのだが、菱和ライフクリエイト(東証2部上場)の社長(当時)も“魔の2006年”5月に所有権不正登記で逮捕されている。菱和はダイナシティとともにうさんくさい噂が流れた企業である。しかし、結局、この事件は山口組系後藤組との関係を見込み捜査した警視庁の無理筋の立件だった。警視庁は国家賠償請求に応じるべきだろう。

 

このように浜崎宅の所有者及び関係者を見てみると、2005年末から2006年にかけて登場した新興上場企業ばかりなのである。

まるで暴力団および薬物ルートを捜査してきた警視庁捜査二課や組織犯罪対策課の捜査対象リストのようですらある。

 

そして、この中でいまだ“無傷”の企業がエイベックス・ホールディングスである。

 

青山の路地裏にたたずむこの建物は一体どのような人間ドラマを見つめてきたのだろか。 (文中一部敬称略)

 

(注) エイベックスについては本誌10月10日号でマックス松浦氏が株主から脅威疑惑で辞職勧告を受けた件を報告している。