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原子力災害対策特別措置法及び原子力災害への対応に関する質問主意書と答弁

 政府は6月15日、東京電力福島原発事件をふまえ、「シビアアクシデントを想定した防災訓練を実施しなければならないとはされていなかった点等については、十分反省し、原子力防災の抜本的改善を図ることが必要である」との答弁を閣議決定した。その一方で、原子力災害対策特別措置法の改正案は今国会に提出しているものの成立しておらず、同施行令や同施行規則・防災基本計画・原子力災害対策マニュアルの改定については「現在検討中である」と、事故前となんら変わっていないことも認めた。福島みずほ参議院議員(社民)の質問主意書に答えた。

 関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の運転再開について、野田佳彦首相が16日にも最終決定する方針を固めたと報道されているなか、法律面での事故対策がまったく進んでいない実態が明らかになった。危険な事態なので、質問と答弁を以下に全文紹介する。(なお、テキストでは読みやすいように質問と答弁を交互に掲載する)

原子力災害対策特別措置法及び原子力災害への対応に関する質問主意書

原子力災害対策特別措置法及び原子力災害への対応に関する質問に対する答弁書

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原子力災害対策特別措置法及び原子力災害への対応に関する質問主意書

 原子力災害対策特別措置法(以下「原災法」という。)は、その第一条(目的)において、「この法律は、原子力災害の特殊性にかんがみ、原子力災害の予防に関する原子力事業者の義務等、原子力緊急事態宣言の発出及び原子力災害対策本部の設置等並びに緊急事態応急対策の実施その他原子力災害に関する事項について特別の措置を定めることにより、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 (昭和三十二年法律第百六十六号。以下「規制法」という。)、災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)その他原子力災害の防止に関する法律と相まって、原子力災害に対する対策の強化を図り、もって原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護することを目的とする。」と定めている。
 原災法が適用されている東京電力福島原子力発電所事故における原子力災害において、災害発生当時に原子力災害対策本部長を務めた菅前首相が本年五月二十八日、「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」(以下「国会事故調」という。)で重要な発言を行っている。日本政府が、原発の再稼働を検討しているところ、過酷事故への対応体制は極めて重要である。
 よって、以下質問する。

一 菅前首相は、国会事故調で東京電力福島原子力発電所事故の責任について「国策として続けられてきた原発によって引き起こされたもので、最大の責任は国にある。国の責任者としておわび申し上げたい」と証言している。この認識を野田内閣も引き継いでいるか明らかにされたい。

一について
菅前内閣総理大臣の辞職後の個別の発言に係るお尋ねについては、政府としてお答えすることは差し控えたいが、国は、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っており、東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の福島第一原子力発電所の事故(以下「本件事故」という。)への対応についても、その責任を踏まえて行われるべきものと考えている。

 

二 菅前首相は国会事故調で「原子力事故にあたってどのような権限が首相、本部長としてあるのか、詳しい説明を聞いたことは覚えている限りない」と述べている。野田首相は、原子力事故にあたってどのような権限が首相、本部長としてあるのか、詳しい説明を受けているか。説明を受けた日時と説明を受けた合計時間を具体的に示されたい。

三 野田首相は、原発事故を想定した訓練に首相として参加したことがあるか。ある場合は、その日時と場所を示されたい。ない場合は、参加する防災訓練が具体的に予定されているか。予定されている場合は計画の日時とその場所を示されたい。

二及び三について
野田内閣総理大臣は、平成二十三年九月二日に内閣総理大臣に就任して以降、本件事故に係る原子力災害対策本部長としての職務を遂行しており、必要に応じて、原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号。以下「原災法」という。)等に関する説明を受けている。現在、本件事故の教訓を踏まえ、原子力防災対策の見直しを行っているところであり、国が地方自治体及び原子力事業者等と共同して行うこととしている原子力防災訓練については、本件事故の発生以降行われていないが、今後、当該見直しを踏まえ、実施時期や内容等に係る検討を行うこととしている。

 

四 菅前首相は国会事故調で「原子力災害対策特別措置法はシビアアクシデント(過酷事故)に対応できていなかった。事故想定が不十分だった」と述べている。現行の原災法は過酷事故に対応できているのかどうか野田内閣の認識を示されたい。対応できていると認識する場合、その理由を示されたい。また、対応できていないと認識する場合、どのように今後対策を立てていくのか、その具体的な方針と計画を示されたい。

四について
原災法第二十八条第一項の規定により読み替えて適用される災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号。以下「災対法」という。)第四十八条第一項の規定に基づき、原子力事業者を含む災害予防責任者は防災訓練を実施しなければならないとされているが、必ずしも本件事故のようなシビアアクシデントを想定した防災訓練を実施しなければならないとはされていなかった点等については、十分反省し、原子力防災の抜本的改善を図ることが必要であると認識している。このため、原子力事業者に対しては、本件事故のようなシビアアクシデントを想定した原子力防災対策の強化を求めることとし、法令上で明確にするための検討を進めているところである。また、国においては、万一、原子力施設において本件事故のようなシビアアクシデントが発生した場合等に備え、周辺住民の防護措置についての新たな基準や手順の整備等を進めているところである。

 

五 原災法を運用するにあたって、関係法令、マニュアルなど政府が定めているものの名称をすべて挙げられたい。

六 前記五の関係法令・マニュアルなどのうち、今回の東京電力福島原子力発電所事故を受けて、改定されたものはあるか。ある場合は、具体的に改定した関係法令・マニュアルなどの名称と改定内容を示されたい。改定していない場合は、改定の予定の有無、進捗状況等について具体的に示されたい。

五及び六について
政府としては、原災法の円滑な運用を図るため、原子力災害対策特別措置法施行令(平成十二年政令第百九十五号)及び原子力災害対策特別措置法施行規則(平成十二年総理府・通商産業省・運輸省令第二号)を定め、また、原災法第二十八条第一項の規定により読み替えて適用される災対法第三十四条第一項の規定に基づき、防災基本計画を定め、更に当該計画に基づき指定行政機関ごとに防災業務計画を定めている。加えて、お尋ねの「マニュアル」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、これらの計画を運用し、原子力発電所の事故に対応することを目的として先の答弁書(平成二十三年十一月二十二日内閣参質一七九第二一号)一についてでお示ししたとおり、各府省等において規程等を作成している。
 これらのうち、原子力災害対策特別措置法施行令、原子力災害対策特別措置法施行規則、防災基本計画、原子力災害対策マニュアル(平成十二年八月二十九日原子力災害危機管理関係省庁会議)については、今国会に提出している原災法の改正案、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会が平成二十三年十二月二十六日に取りまとめた「中間報告」等を踏まえ改めることとしており、その内容については現在検討中である。また、その他の規程等については、政府全体としての原子力防災対策に係る検討状況を踏まえつつ、個別に検討を進めていくこととしている。なお、原子力防災対策については、常により高い水準を目指して取り組むべきものであり、政府としては、その充実に向け不断に努めているところである。

 

七 東京電力福島第一原子力発電所の事故に政府と東京電力が一体的に対応するため、「福島原子力発電所事故対策統合本部」(以下「統合対策本部」という。)が設置された日時はいつか。統合対策本部の設置は、原災法で想定されているか。この統合対策本部は、どのような法的根拠に基づいて設置されたのか明らかにされたい。

七について
福島原子力発電所事故対策統合本部(当時)については、政府において、東京電力と同じ場所で本件事故の現場の情報を共有しつつ機動的な判断及び指示を行うため、平成二十三年三月十五日に設置した事実上の組織である。

 

八 菅前首相は、東京電力福島第一原子力発電所の吉田昌郎所長(当時)に対して、昨年三月十一日以降、電話で二度話したと証言している。原子力災害対策本部長である首相が原子力発電所の所長と直接話をすることを原災法は想定しているか。原災法が想定していないとすれば、なぜ「想定外」のことが二度も起きたのか、政府の見解を具体的に示されたい。

八について
原子力災害対策本部は、原災法に基づき、原子力防災組織を含む関係機関が実施する緊急事態応急対策の総合調整を行うことをその所掌事務としていることから、原子力災害対策本部長たる内閣総理大臣と福島第一原子力発電所の原子力防災組織を統括する同発電所長とが直接話すことについては、必ずしも、原災法に反するものではないと考えている。

[この国のゆくえ8…菅首相の「永久に忘れない」発言を斬る]

<北村肇の「多角多面」(27)>

 自分でも「まずいな」と思う。最近、何かと腹がたったり、イライラする。「情緒不安定」はジャーナリストにとって“毒薬”だ。へたをすると、全身が侵されてしまう。何とか避けなければとそれなりに努力してきたが、またまた毒の回りそうな出来事……。

「永久に忘れない」――菅直人首相は、訪日したクリントン米国務大臣にこう伝えた。東日本大震災対策支援への謝意をこめた発言だ。「おいおい、安っぽいドラマや歌ではないぞ」と怒りがわくとともに、慄然とすらした。この時期、この場面での発言は、オバマ大統領の名代であるクリントン氏へ、「日本は未来永劫、米国に従います」という誓いの言葉を捧げたことにほかならない。怒りはそのことに対してだが、寒気がしたのは「ひょっとしたら菅氏は深く考えずに喋ったのではないか、あるいは外務省の指示に従っただけではないのか」という疑いを禁じ得ないからだ。

 二人の間では、非公開を前提にしての会話もあっただろう。その内容はまだわからない。ただ、共同会見に日本経団連の米倉弘昌会長と米国商業会議所のドナヒュー会頭が同席したことで、一端はうかがえる。それは、数十兆円単位といわれる「震災復興事業」への米国企業参加だ。もともと米国は日本に対し、規制緩和、門戸開放を強く求めてきた。郵政民営化はその象徴である。今回のヒラリー訪日にも、「これだけ助けたのだから、見返りは当然だろう」という“圧力”が透けてみえる。これに対し、本来の首相の役目は、「それとこれとは別」と、するりと身をかわすことだ。ところが、冒頭から「永久に忘れない」だから、クリントン氏にしてみれば「してやった」だろう。

 米軍基地問題も含め、日本をうまく利用するために、米国は福島原発の致命的崩壊は何としても避けたい。大震災・原発事故という二重の危機による日本経済崩壊は、米国にとっても最悪の事態だ。「金づる」が貧困国になっては困るのである。一方、日本政府が「自分たちで何とかする」と言える状況ではない。もはや米国の力を借りずして福島原発の危機乗り越えは不可能だ。では、どうしたらいいのか――。菅首相が一国を預かる身として、必死に自分の頭で考えたのなら「未来永劫、日本は米国の子会社になります」という宣言はなかったはずだ。謝意は謝意として、協力依頼は依頼として真摯に伝える。その一方で、自立した国家としての立場を自分の言葉で明瞭に伝えればよかったのだ。

 ああ、他にも腹のたつことを思い出してしまった。全国紙はどこも「永久に」発言の問題点をとりあげなかった。報道機関の劣化が政治の劣化をもたらす。これもまたこの国のお寒い実態だ。(2011/4/22)

[この国のゆくえ6…「挙国一致」の「大連立」は危険。目指すのは「挙民一致」だ]

<北村肇の「多角多面」(25)>

 にわかに「大連立」の動きが高まっている。歴史を変える大災害だ。与野党が、目先の下らない政争に血道をあげている場合ではない。だからといって、「大連立」に双手を挙げて賛成するわけにはいかない。相当な歯止めをかけなくては、危険性が大きすぎる。

「大連立」に向けて、いち早く動いたのは菅直人首相。自民党の谷垣禎一総裁に対し、直接、電話で入閣要請をする“禁じ手”を早々に繰り出した。一旦、断った谷垣総裁は3月31日、「常に360度を見渡して進んでいく」と含みをもたせた発言を記者団に披露。もともと森喜朗元首相や古賀誠元幹事長は積極的で、古賀氏は「『えいやっと方向を決めてほしい』と決断を求めている」(『東京新聞』4月4日朝刊)という。一瞬、自民党の流れも決まったかに見えた。だが、反対を表明する小泉純一郎元首相に会った谷垣氏は「今まで連立したいとは一言も言ったことはない」と、またもや軌道修正。民主党内にもさまざまな声があり、当分、右に左に揺れそうだ。ただし、火種が消えることはない。

 与野党協力に関しては、私も早急な実行を求めてきた。これだけの事態となれば、あらゆる知恵と力を結集するのは当然だ。しかし、「大連立」が持つ負の面もしっかりと見据えなければならない。かつて、戦争や大震災といった非常事態は「挙国一致内閣」につながってきた。それは、「国難を前に、国の指示・命令には絶対服従」という社会の出現でもある。「非国民」という概念が生じるこのような国家が、いかに破局の道を歩むかは、いまさら指摘するまでもない。

 仮に「大連立」を実行に移すなら、「挙国一致内閣」ではなく、「挙民一致内閣」でなければならない。それを担保するには、「時限的」はもちろんのこと、すべての政党参加が必須となる。具体的には、共産党、社民党からも閣僚を出すということだ。そして、各党とも、党是は一旦、棚上げにし、とにかく被災者の救援、原発事故対策に一致協力する。

 だが、それだけではこと足りない。民主・自民連合が数を背景に強硬な姿勢をみせれば、「少数閣僚」の声が押しつぶされてしまうことは十分、予測される。そこで、連立政府が暴走しないように監視・検証する第三者機関の設立が重要だ。ここには学者のほかNGO、NPOが加わり、市民目線でのチェックを行なう。そして、問題のある場合は、政府に勧告するとともに、その旨を広く市民に伝える。

 上記のようなことが実現するならば、これをきっかけに、新しい「政治のあり方」が見えてくるかもしれない。(2011/4/8)

「総理の器」は、米国の扱いやすい政治家。「ポスト菅」は前原外相だろう。

<北村肇の「多角多面」(16)>

 菅直人氏が「総理の器」でないことは、永田町、霞ヶ関ではいまや「常識」。通常国会が始まり、多くの市民も痛感したのではないか。だが、肝心なのはその原因。言い換えれば、「個人の資質を問うべきか否か」ということだ。結論を言ってしまえば、本来、首相になるべきではない人がその席についてしまうのは、構造的な問題である。

 1月20日付『東京新聞』の「こちら特報部」に、内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」が昨年末に公開した米外交文書の特集が掲載された。昨年2月3日、ソウルでキャンベル米国務次官補と金星煥(キム・ソン・ファン)外交安保主席秘書官が会談。その内容について在韓米大使館が本国に送った公電に関する記事だ。

<「両者(キャンベル、キム)は、民主党と自民党は『全く異なる』という認識で一致。北朝鮮との交渉で民主党が米韓と協調する重要性も確認した。また、金氏が北朝鮮が『複数のチャンネル』で民主党と接触していることは明らかと説明。キャンベル氏は、岡田克也外相と菅直人首相と直接、話し合うことの重要性を指摘した」
 この公電の意味を読み解くポイントは、米国が交渉の相手として当時の鳩山由紀夫首相ではなく、岡田、菅両氏を名指ししたことにある。>
 
 鳩山政権に反発した米国が、鳩山首相を無視して岡田、菅両氏を交渉相手にしていた、それが「菅政権への布石」になったのではないかという見立てだ。私も複数の永田町関係者から「『日米の対等な関係』と言い出した鳩山氏を苦々しく思った米国が、菅政権成立に向けて動いた」と聞かされていた。だから、昨年の早い段階で「次期首相は菅直人。理由は米国が扱いやすいからだ」と公言していた。
 
 思い出すのが、旧ソ連との関係改善を図った鳩山一郎氏、中国との国交回復を果たした田中角栄氏を批判した米国公電だ。いずれも米国ではすでに公開されている。さらには、東アジアとの協調を打ち出した細川護煕氏の退陣についても、「米国仕掛け説」が取り沙汰されてきた。
 
 米国の思惑、それを最も重視する官僚、そして日米同盟基軸を平然と打ち出すマスコミ、彼らにとって望ましい首相とは「扱いやすい操り人形」にほかならない。つまり、「宰相の器」から最も遠い人間こそが、総理大臣にふさわしいのだ。この構造を打ち崩さない限り、「真の首相」の登場は夢物語でしかない。「ポスト菅」は、米国の覚え目出度い前原誠司外相と予言しておこう。(2011/2/4)

菅首相、いまこそ平和外交に立ち上がりなさい

<「北村肇の多角多面」9>

 なんで、こういつも絶妙なタイミングなのか。「風が吹けば桶屋がもうかる」ではないが、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が世情を賑わすたびに、日本の保守派(特に日米同盟堅持派)に利益がころがりこむ。おそらく沖縄県知事選にも影響を与えたであろうし、近く出される防衛大綱の議論にも響くはずだ。武器輸出三原則の見直しが進んでしまうかもしれない。

 さらにイライラするのは、「武力には武力を」という態度が真っ当なものとされかねないことだ。北朝鮮の行為を容認することはできない。しかし、それを引き起こした「原因」についても目を向ける必要がある。自国領土から肉眼で見える海上で軍事訓練を展開される気分はどうなのか。韓国政府もまた「力」を誇示していたという事実を見逃すべきではない。とどのつまり、朝鮮戦争を終結しない限り、緊張関係の解消はありえないのだ。そして、その解決の手段を「武力」に頼るべきではない。

 米国は砲撃事件を受け、直ちに韓国との合同訓練を実施した。これは同国にとって渡りの船だ。中国の南シナ海への進出に対し、米国は苦虫をかんできた。黄海(西海)での米韓合同訓練を何度か試みたものの、そのつど中国の猛反撃にあい断念してきた。だが、今回ばかりは格好の大義名分が出来たのだ。全長333メートルの原子力空母「ジョージ・ワシントン」は北朝鮮を威嚇しただけではない。中国に対する強烈なメッセージである。

 さらに見落としてはならないのが、同空母は横須賀から出航したという現実だ。日本は確実に、未だ休戦状態である朝鮮半島の緊張関係に当事者として関わっている。そのことが明々白々になったのである。

 すでにマスコミは「ますます日米同盟が重要」という論調で報じている。日米同盟とはすなわち、日米軍事同盟のことだ。対中国戦略の一環として日本列島の米軍基地化は一層、進み、思いやり予算どころではない多額の税金が「米軍再編」に注がれるだろう。

 さて、日本はどうするのか。今こそ、憲法9条を活かさない手はない。米国型武力外交とは真逆の日本型平和外交を確立するのである。民主党政権にとって、こんな絶好の機会はない。武器輸出三原則の見直しなどとバカなことを言わずに「自分たちは自民党政権とは違う。憲法に基づき仲裁外交を目指す」と宣言べきだ。菅直人首相に言いたい。もっと市民を信頼しなさい。あなたが平和外交に立ち上がれば、多くの人間がともに立ち上がり、支えますよ。(2010/12/2)