きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

鎌田慧さんを招く『日本の司法を正す会』を15日に開きます

 本誌連載のワークショップ「日本の司法を正す会」を特別に”一般公開”して開きます。席に限りがありますので、必ず電話予約(03-3500-2200)のうえ、お越し下さい。

 ゲストは、ルポライターの鎌田慧さん(74歳)です。

 鎌田慧さんは、近著『残夢――大逆事件を生き抜いた坂本清馬の生涯』(金曜日)で、特捜検察の暴走の原点とそれに追随する裁判官、事件を生き延び再審請求を闘った人々を描きました。

 冤罪事件としてはこのほか、『死刑台からの生還』『狭山事件の真実』『弘前大学教授夫人殺人事件』など数多くの事件を取材、執筆しています。多くの冤罪事件の背景になにがあるのか、その豊富な取材経験から裁判官の心理に迫る報告をしていただきます。

【日時】2月15日(金曜日)午後2時から4時ぐらいまで
【会費】無料
【場所】『日本の司法を正す会』事務所(村上正邦事務所)
    千代田区永田町2-9-8
    パレロワイヤル永田町203号室 電話03-3500-2200
【ゲスト】鎌田慧さん
【インタビュー及び進行】青木理さん(ジャーナリスト)

※『日本の司法を正す会』は、「国策」と評された捜査のターゲットとなった人々などを囲み、司法やメディア関係者が論議を交わすことを通じて司法のあり方を考えるワークショップです。

大逆事件100年で、いま考える「国家の欲望」

<北村肇の「多角多面」(15)>

 幸徳秋水ら11人がでっちあげの「明治天皇暗殺計画」により処刑されたのは、100年前の1911年1月24日。翌日、管野スガ(須賀子)も死刑台の露と消えた。大日本帝国憲法下では、大逆罪の裁判は非公開が原則。だが、幸徳秋水ら26人に判決(24人に死刑、2人に有期刑)がおりた同月18日の公判は公開だった。桂太郎内閣にはみせしめの意図があったのだろう。本誌今週号から始まった連載「残夢  大逆事件を生き抜いた男 坂本清馬の一生」で、著者の鎌田慧さんもそう指摘している。

 この1世紀前の事件が語りかけてくるものは何か。私は、「国家の欲望」と「個人の欲望」がシンクロしたときのおぞましさを強烈に感じる。明治維新後、日本は異常な速度で帝国主義国家の仲間入りを目指す。そのために欠かせない「戦争」と「侵略」を遂行するには強圧的な国民統合が不可欠。時の政府は「天皇制」を不可侵とすることで、「反国家主義」勢力を弾圧した。まさに「国家の欲望」のもとで、市民の人権や自由を踏みにじったのだ。

 しかし、現実に政策を推し進めるのは「個人」である。その「個人の欲望」は「国家の欲望を実現する」ことで充足する。カネや地位、名誉が中心になるのは言うまでもない。歴史は単純に繰り返さないが、こうした「国家の欲望」と「個人の欲望」のシンクロはいつでも起こりうる。本質的には大逆事件と同様の国家犯罪が絶えることはないのだ。

 さて、2011年のいま、国家が不可侵としているのは「日米同盟」である。米国との連帯を損なうことは、一種の不敬罪なのだ。そう考えれば、鳩山由紀夫首相の退陣も、小沢一郎氏の失脚も背景がぼんやり浮かんでくる。強引すぎることは承知の上だが、私には形を変えた大逆事件に見えてしまう。

 ただし、100年前と決定的に異なるのは、明治時代の「国家」は大日本帝国であり、21世紀の「国家」は米国属国の日本ということだ。つまり、「国家の欲望」とは「米国の欲望」にほかならない。米国に尽くすことで「日本としての国家の欲望」を充足するという二重構造になっているのだ。当然、政治家、官僚、財界人の「個人の欲望」も複雑に歪んでいる。ただ、こちらはつまるところ「カネ、地位、名誉」に行き着く。
 
 そして、一向に変わらないのがマスコミだ。「小沢報道」も「普天間基地報道」も大逆事件報道に通底する。「権力の意向を忖度する」姿勢が垣間見られるからだ。大逆事件判決後、法廷では多くの被告が「無政府党万歳」と叫んだ。『朝日新聞』は翌日の紙面で、「何処までも不謹慎な彼等かな」と報じたという。(2011/1/28)

袴田巌死刑囚救援議員連盟が発足しました

 冤罪の死刑囚、袴田巌さん(74歳)を救援する議員連盟(以下、救援議員連盟)の設立総会が4月22日、東京・衆議院で開かれました。会長に牧野聖修・衆議院議員【民主党・袴田さんの地元の静岡第1区選出】、事務局長に鈴木宗男・衆議院議員【新党大地】を選出しました。

救援議員連盟の設立総会であいさつする牧野会長(左から2人目)。

救援議員連盟の設立総会であいさつする牧野会長(左から2人目)。

(さらに…)

ごみをどうするか

2009年6月16日、東京高裁の判決後に記者会見する住民と弁護士たち(東京・弁護士会館)

2009年6月16日、東京高裁の判決後に記者会見する住民と弁護士たち(東京・弁護士会館)

 東京都日の出町の住民などが、町内のごみ処分場の撤去などを求めている裁判の控訴審で、東京高裁(宗宮英俊裁判長)は6月16日、住民側の訴えを全面的に退ける判決を出しました。

(さらに…)