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スマートメーター設置を強制――関西電力の対応に疑義
2016年10月6日10:11AM
政府は2020年代早期に電気検針器をスマートメーターに交換する方針だが、電磁波過敏症患者はこのメーターから発生する電磁波で体調を崩すため、電力会社に相談し、従来型のアナログメーターを設置してもらうことが多い。
ところが関西電力は、電磁波過敏症患者がアナログメーターの設置を依頼しても断り、「スマートメーターに交換しないなら、電気の供給を止める」という、脅迫的な対応をとっている。
市民団体「アナログメーターの存続を望む会」代表の東麻衣子さんによると、問題が起きているのは兵庫県、京都府など4府県で、奈良県などでは患者の要望を受けてアナログメーターに交換した事例もある。
同会と過敏症問題に取り組む「化学物質過敏症、電磁波過敏症倶楽部」(代表・金城学さん)は、8月16日、関西電力に公開質問状を送り、脅迫的な手法の中止と、永続的にアナログメーターを提供・設置するよう求めた。
これに対して、関西電力は、8月29日、脅迫的手法の中止には言及せず、問合せがあれば「ご理解いただけるよう努め」、アナログメーターは「将来的に製造中止となり、調達ができなくなる」ので、永続的に提供・設置する予定はない、と回答。
質問状を送った金城さんは「同社は患者のことをまったく考えていない。アナログメーターが将来、製造中止になるというが、まだ在庫があるなら設置すべき」と訴える。
関西電力の対応は、個人の尊重を定めた憲法13条や、「健康で文化的な最低限の生活」を規定した憲法25条、障害者への合理的配慮を定めた「障害者権利条約」に反するといえるだろう。
関西電力に取材したところ、「お客様との個別の協議内容は回答できないが、実際に給電停止した事実はない」ということだ。
(加藤やすこ・環境ジャーナリスト、9月23日号)
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