杉田水脈議員のLGBT発言に自民党本部前で約5000人が抗議
斉藤円華|2018年8月16日11:47AM
「杉田は辞めろ」。雑誌に「LGBTは『生産性』がない」などと寄稿した、自民党の杉田水脈衆院議員の辞職を求める抗議デモが7月27日夜に自民党本部(東京都千代田区)前で行なわれた。LGBT当事者らが呼び掛け、主催者発表で約5000人が集まった。
夕方7時から始まったデモは時間を追うにつれて膨れ上がり、自民党本部ビル向かいの歩道を埋めつくした。性の多様性を象徴する「レインボーフラッグ」がたなびき、「私の生き方私が決める」「他人の価値を勝手に決めるな」「This is Pride」「(杉田議員は)恥を知れ」などのコールが響き渡った。
大阪から参加した40代女性は「杉田氏の発言は人権を無視している。自民党は相応の責任を取るべきだ」。横浜市内の30代男性も「杉田氏は基本的人権をまったく分かっておらず、(寄稿の内容は)ナチスの優生思想と同じ。今の日本でそれはない」と話した。
杉田議員は月刊誌『新潮45』(若杉良作編集長)8月号に「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題する文章を寄稿。「LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか」「なぜ男と女、二つの性だけではいけないのでしょう」などと差別的な主張を展開した。
デモのスピーチで「LGBT法連合会」の林夏生共同代表は、「(差別の)言葉はその言葉に触れた人の心の中にずっと残る」「今回のことはみんなが優しくなれば解決することではない。私たちには制度、ルールが必要だ」などと語り、LGBT差別禁止法を整備する必要性を強調した。
また、LGBT自治体議員連盟は抗議声明を自民党本部に提出しようとしたが、党職員ではなく警備員が預かった。自民党は週明けの30日になってから受領した。
杉田氏は批判噴出後、23日を最後にツイッターでの発言を停止し沈黙(30日時点)。公人として果たすべき説明責任から逃げている。
(斉藤円華・編集部、2018年8月3日号)