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【スクープ】死因不明の“福島病”を生み出してはならない
「急性心筋梗塞ワースト1」で福島県が放った奇策
明石昇二郎|2019年5月25日4:56PM
公害事件では、健康被害が懸念されると、原因解明を妨げる動きが出てくる。
急性心筋梗塞に対して福島県が取った対策は驚くべき内容だった。
福島県では、急性心筋梗塞で亡くなる人が大変多い。それは国の統計調査の結果(表1参照)にも端的に表れている。
福島県はもともと、急性心筋梗塞の多発県だった。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の前年に当たる2010年は、全都道府県の中で最も不名誉なワースト1。年齢調整死亡率にして、福島県の男性は人口10万人当たり36・7人(全国平均は同20・4人)。同県の女性は同15・5人にとどまっているものの、それでも全国平均(同8・4人)の倍近くに達していた(表2参照)。
それが、福島第一原発事故が発生した11年以降、さらに増えていく。11年の男性は人口10万人当たり42・7人(全国平均は同20・3人)に、女性も同16・1人(全国平均は同8・3人)へと増加する。
12年はもっと増加し、男性は人口10万人当たり43・7人(全国平均は同19・3人)に、女性も同18・1人(全国平均は同7・8人)へと増え続け、全国平均との差は広がる一方だった。
こうした数字は関心のある者が専門知識をもとに計算しない限り、わからないし、誰も気づかない。
しかし5年に一度、厚生労働省が実施する「都道府県別年齢調整死亡率の概況」ではワーストランキングを公表しており、各都道府県の公衆衛生部門の担当者らは、この結果に戦々恐々としている。