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聖マリアンナ医科大学入試
女子受験者のみ一律80点減点しても 差別を否定する大学に抗議集会
小川たまか|2020年2月21日5:44PM
東京医科大学が女子学生や浪人生の点数を操作し合格者数を抑えていた問題は、調査により10大学で同様の操作が行なわれていたことが認定されている。だがその一つである聖マリアンナ医科大学(以下、聖マリ)は非を認めていない。そのため、聖マリに対する抗議集会が2月12日、参議院議員会館で行なわれた。
聖マリでは少なくとも2015~18年の入試で不正が行なわれ、18年には2次試験の配点180点のうち女子学生の一律80点減点が認定されたが、同大は「意図的ではない」と差別を否定。不正を認めた東京医科大は私学助成金の全額カット処分となり、不正を認めない聖マリは処分が先送りという不合理な状態となっている。集会に出席した文部科学省の担当職員は「合理性のある見解を求めているところ」と話した。
抗議のリレートークでは「医学部入試における女性差別対策弁護団」の角田由紀子弁護士ら12人が声をあげた。角田氏は「(医学部受験での女子減点は)別の不正入試をきっかけに発覚したこと。偶然の出来事がなかったら今も続いていたかもしれない。日本社会では女性差別は巧妙に隠されている。確信犯的で根深くやっている」と指摘した。
集会には「政府が責任を持って被害者救済の立法を。女性差別を禁止する法が一刻も早く必要だ」と発言した共産党の吉良よし子議員ら野党議員も出席したが、自民党議員の姿はなかった。一般社団法人の大学生、山下チサトさんは「この中に自民党議員の方はいますか」と呼びかけたあと、「スタンスに一貫性があって感激です。(女性差別に)興味もないみたいですね」と切り込み、満席の会場を沸かせた。
終盤、文科省の担当者が、聖マリ以外の9大学については再調査や追跡調査を行なう予定がないことを明らかにすると、参加者らからは抗議の声が噴出。怒りの声が響く中での幕切れとなった。
(小川たまか・ライター、2月21日号)