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外務省、60年前の極秘文書開示
韓国へは「償い」でななく「経済援助」
植松青児|2020年3月24日3:52PM
1960年7月22日に外務省北東アジア課が作成した極秘文書「対韓経済技術協力に関する予算措置について」が情報公開請求によって開示された。日韓基本条約および日韓請求権協定が締結される約5年前、韓国側から出された補償金請求に対する同課での協議内容を示す文書である。
2月28日に行なわれた「3・1朝鮮独立運動101周年東京集会」で、情報開示請求に関わった新潟国際情報大学教員の吉澤文寿さんが、当該文書現物の画像を紹介し、解説を行なった。
当該文書は手書きで合計8枚。ところどころに赤インクで書かれた書き込みが生々しい。「財産請求権問題は一種の棚上げにするほうが適当である。その一方で日韓会談妥結の為に韓国に何らかの経済協力をする必要がある。我が国にとっても、過去の償いということではなしに韓国の将来の経済に寄与するという趣旨ならば、かかる経済的援助を行なう意義ありと認められる」と書かれ、さらに「無償援助は韓国側請求権を全て放棄せしめるものではなければ国内で支持を得られない」という外務省高官の書き込みもある。
吉澤さんは、「過去の償い」ではなく「韓国の将来の経済的援助」を行ない、しかも韓国側に請求権を全面放棄させようという外務省のシナリオが、条約および協定締結の5年前に描かれていたことを指摘し、このような「加害者中心アプローチ」を日本政府が実行してきたことを批判した。
さらに吉澤さんは、この資料が当初の情報公開請求では「不存在」とされ開示されなかったことについても問題視する。「これ以外にも、日本外務省側にとって都合の悪い資料が存在している可能性もあるでしょう」と述べた。
同文書の現物は「日韓市民でつくる日韓会談文書・全面公開を求める会」サイトで公開されている。(URL http://www.f8.wx301.smilestart.ne.jp/nihonkokai/2019-00547/2019-00547-0002-IMG.pdf)
(植松青児・編集部、2020年3月6日号)
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