「人権後進国」可視化したウィシュマさんの死
望月衣塑子|2021年5月6日4:30PM
日本の小学生と並んだフェイスブックの写真。彼女の表情は凛として、希望に満ちた目をしていた。
スリランカ人のラスナヤケ・リヤナゲ・ウィシュマ・サンダマリさん(33歳)。スリランカ大学を卒業後、「日本の子どもたちに英語を教えたい」という夢を抱き、2017年6月に来日した。だが、わずか3年半後の今年3月6日、名古屋出入国在留管理局の施設で亡くなった。
来日後、千葉県内の日本語学校に通っていたが、親からの送金が途絶えて退学。在留資格も失った。その後、同居男性から暴力を受け、保護を求めて警察に駆け込んだ。DVシェルターと入管施設との区別がついていなかったウィシュマさんは、DVから逃れるために「施設に収容してほしい」と頼んだ。入管に言われるままに「本国に帰国する」と書かれた紙にサインをしてしまったという。