関電株主代表訴訟
大阪地裁、文書送付の嘱託申し立て 大半を採用
2022年3月26日10:00AM
関電原発不正マネー還流問題で、取締役らの責任を追及する関電株主代表訴訟の第3回口頭弁論が1月25日、大阪地裁で開かれた。
法廷では、原告参加人の馬場滋夫さんが企業のリスク管理経験をふまえて意見陳述を行なった。行動憲章、倫理規定や内部通報窓口が事件前からある関電だが、その内実は、張本人である岩根茂樹前社長自身がコンプライアンス委員会委員長ということからも明らかなように、諸制度は飾り物であったとしか思えないこと。事件発覚後、取締役会や監査役会が隠蔽に走り、自浄作用を期待した馬場さんは失望と怒りを感じたこと。この裁判によって、関電が生まれ変わり、信頼回復のスタートにつながることを希望すると締めくくった。
前回昨年6月4日の口頭弁論期日から3回の非公開の手続きを重ね、争点整理などが行なわれてきた。重要な点は、同年5月28日付文書送付嘱託申立(関電の社内調査委員会、第三者委員会、取締役責任調査委員会の報告書の基となるメールや議事録などを裁判所から所有者に提出を求めた)の採否である。
最終的に、裁判所は1月14日に申し立ての一部を採用し、2月18日までに資料を出すよう送付嘱託を行なった。報告集会で井戸弁護士は、「却下されたのは金品受領の背景事情にあたるもの、森詳介、八木誠、岩根ら会社訴訟に分離された被告に関するもので、大半は採用された」と述べた。文書送付され新たな事実が明らかになれば、主張を補充する予定である。
(関電株主代表訴訟原告団事務局 末田一秀、写真も)