【タグ】スラップ|ニューテック|六ヶ所村|名誉毀損|四〇億円|渋谷区|白川司郎|西松建設|訴訟|豪邸
裁判で白川司郎氏が主張――西松建設から40億円
2012年11月12日5:11PM
「最後の大物フィクサー」なる記事の表現が名誉毀損に当たるとして白川司郎氏(原発警備会社ニューテック会長)がジャーナリスト・田中稔氏を相手に六七〇〇万円の賠償を求めた訴訟の第四回口頭弁論が一〇月一五日、東京地裁(吉田徹裁判長)であった。原告白川氏は、「(提訴は)スラップ」(恫喝訴訟)ではない、などとする再反論を行なったが、同時に、西松建設から事実上白川氏個人に対して四〇億円の融資がなされていた事実を明らかにした。
この日陳述された白川氏の準備書面には、〈原告が西松建設から『四〇億円融資』を受けたとの事実(は認める)〉と書かれている。
金融機関でもない西松建設が四〇億円を融資した問題は、時期や目的を含めて不可解な点が多い。ただ、これまでは法人ニューテック社に対する融資とみられていた。だが、じつは「個人向け」だったと白川氏自身が法廷で認めた。
登記簿謄本によれば、西松建設は二〇一〇年五月二五日付で、白川氏の住居と指摘される東京都渋谷区の豪邸(日本テクサ社名義)に、ニューテック社を債務者として四〇億円の担保を設定。常識的にみて四〇億円は明らかに担保価値を上回っている。この担保は一一年一〇月一三日に抹消された。わずか一年半で四〇億円を完済した計算だ。実質的な融資先が白川氏なら、なぜそんなに金回りがいいのか。謎は深まる。
白川氏はまた、ニューテック社や関連会社が六ヶ所村核燃サイクル施設の警備事業を受注している事実も認めた。「不当に高額な対価」は得ていないという。
法廷には白川氏の筆頭代理人である元検事・土屋東一弁護士の姿はなく、復代理の上松信雄弁護士だけが出廷した。次回口頭弁論は一二月一〇日一一時三〇分、東京地裁六一五号法廷。
(三宅勝久・ジャーナリスト、10月26日号)