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総選挙は公共事業も争点――ハコモノ時代再来か
2012年12月12日6:31PM
「公共事業徹底見直し」に取り組む一一三団体が一一月一六日、衆議院第一議員会館に集った。衆議院解散をまたいで訪れた各党議員からは緊迫した挨拶が相次いだ。
民主党の大河原雅子参議院議員は「公共事業予算は三二%削減したが切り足りない。八ッ場ダムは継続とされたが官房長官裁定で本体工事を凍結した」と民主党政権の実績と危機感をアピール。東祥三前衆議院議員は「政権交代を果たしたが、自民党五五年体制よりももっと官僚に呑み込まれた。消費増税法案が六月に通過した時点で『国民の生活が第一』を作った。行財政改革を行なわない限りやっていけない」と訴えた。
「八ッ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟」事務局長を務めた初鹿明博・前衆院議員は「今、離党届を出してきた」と報告。福島みずほ参院議員(社民党)は「公共事業のほか、もんじゅや核燃料サイクルも止まらない」と現政権を批判。赤嶺政賢・前衆院議員(共産党)は「高江の森の米軍オスプレイ計画ではヘリパッドには賛成だった人も反対。那覇空港沖合滑走路延長計画には県知事が防衛予算を使ってでも作ってくれと言う」と沖縄問題を訴えた。
市民からは、(1)復活した外環道路(2)見直しから外れた東京・江戸川区のスーパー堤防(3)ラムサール条約登録湿地になった中池見湿地を破壊する北陸新幹線(4)検証の結果、継続とされたサンルダムや石木ダムや最上小国川ダム――など必要性や環境配慮が欠如した事業への批判が次々とあがった。
現政権下で経済・雇用対策として公共事業を進めた抵抗勢力は、国土強靱化法案提出や、社会保障財源を公共事業に充てる消費税増税修正法も成立させた。総選挙で守旧政権が返り咲けば、復興庁と相まって史上最悪の“ハコモノ整備時代”が再来しかねない。
(まさのあつこ・ジャーナリスト、11月23日号)