「頑張れ日本!」のシンポジウムで発言――下村大臣が強権発動を示唆
2013年4月1日5:17PM
「頑張れ日本!全国行動委員会」(会長=田母神俊雄・元航空幕僚長)の東京・荒川支部が三月七日開いたシンポジウムで、下村博文・文部科学大臣が第一次安倍政権の教育基本法改定後、初の教育委員会への是正要求発動を示唆した。
シンポで、八木秀次・日本教育再生機構理事長(高崎経済大教授)は「政府の教育再生実行会議委員ではなく個人の意見」と繰り返した上、「『朝日新聞』幹部が私に『第一次安倍政権では全面対決し部数が減った。論説委員室にはおかしな人が二〇人くらいいるが、少なくとも政治部では対決姿勢はとりません』と言ってきた。彼らもビジネスだから。だが警戒の目を緩めてはならない」と語った。
また八木氏は、(1)正式な教科でない道徳は、「仲間作り」との触れ込みで席替えの時間に当てるなど軽く扱われている(2)沖縄の八重山採択地区協議会の育鵬社版教科書採択答申に反し、竹富町教委が東京書籍版を配布したのは違法だ、と独自の“根拠”を提示。「道徳を教科化し、偉人の具体的生き方の教材を使用せよ。文科省や首長がもっと関与できるよう、教育委員会制度の抜本改革を」と主張した。
メイン講師の下村氏が「中教審委員にこれまで入っていた日教組代表を私が外し、代わりに櫻井よしこ氏を入れた」と語り出すと、会場は割れんばかりの拍手。
下村氏は八木氏発言を受け「偉人伝等、道徳の教材作りはすでに文科省の有識者会議で進めており、来年四月の『心のノート』改訂版に反映させる」と述べ、竹富町教委については「四月の新学期が迫っており、われわれの要請に従わなければ新たな判断をする」と、強権発動(改定地方教育行政法第四九条の是正要求)を示唆した。
安倍首相が「政府主催で主権回復の日式典挙行」を明言したこの日、ボルテージが上がった下村氏は「建国記念日(ママ)の式典も政府主催でやりたい」と発言した。
(永野厚男・教育ライター、3月15日号)