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脱原発運動を威嚇、個人に多額の損害金請求――国が経産省前テントを提訴

2013年5月20日5:38PM

記者会見する大口昭彦弁護士、渕上太郎さん、正清太一さん(右から)。(撮影/赤岩友香)

 脱原発運動のシンボルの一つである「経産省前テントひろば」をめぐる攻防が新たな局面を迎えた。

 本誌三月二九日号で報じたとおり、国がテントに対し「占有移転禁止仮処分」を訴えていたが、二〇一二年度末である三月二九日、国がテントの撤去と土地の明け渡しを求めて東京地裁に提訴。これに対し、経産省前テント共同代表の渕上太郎さんや正清太一さんらが四月一〇日、緊急記者会見を開いた。会見には講談師の神田香織さんも駆けつけた。

 国は訴状で、土地の明け渡しとともに「土地使用料相当損害金」として、渕上さんと正清さんの個人に対し約一一〇〇万円の納付を求めている。

 大口昭彦弁護士は「テントの運営が二人のみにされ、他の人の主体性が無視されている」ことを指摘。個人に多額な金額を請求することは威嚇以外の何物でもなく、今回の国の提訴が「スラップ訴訟」であると述べた。

 また『朝日新聞』四月九日付で「テントの中心は、60年安保闘争に参加した元全学連のメンバーである」旨を報じたことについて、江田忠雄さんは「確かにメンバーの中には学生運動をしていた人もいるが、福島の女性たちをはじめ北海道から沖縄まで多くの人に支援されている。“過激”と印象付けることはやめてほしい」と批判した。

 東京電力福島第一原発事故から二年余り。事故は収束するどころか、汚染水漏れ(詳細は右ページ)など課題は山積している。かりにテントを排除しても原発事故の傷が消えるわけではない。「脱原発と命を守る裁判」(渕上さん)の第一回口頭弁論は五月二三日に行なわれる。

 なお、「テントひろば」では運営費の支援を呼びかけている。

▼ゆうちょ銀行(店名:〇〇八 店番:〇〇八) 普通口座:5289163 経済産業省前テントひろば

(赤岩友香・編集部、4月19日号)

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