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福島第一原発周辺の海水汚染続く――魚介から放射性セシウム検出

2013年8月2日11:03AM

小名浜港で採取したスズキ。1キロ当たり49ベクレルのセシウムを検出。(撮影/グリーンピース)

小名浜港で採取したスズキ。1キロ当たり49ベクレルのセシウムを検出。(撮影/グリーンピース)

福島第一原発二号炉近くの海際の井戸から高濃度の放射性物質トリチウムが検出され、海水汚染の広がりが懸念される中、同原発から南へおよそ一〇キロメートル地点で採取した貝類など魚介類から放射性セシウムが検出された。国際環境保護を促進するNGO(非政府組織)グリーンピース・ジャパンが福島県で継続的に行なっている魚介類の放射能調査で明らかになったもので、事故収束からほど遠い状況にあることが改めて浮き彫りとなった。

 同調査は今年六月一五日から一七日に福島県の富岡港、久之浜港、四倉港、富神崎港、小名浜港で地元の漁業者などの協力の下、各港で水揚げされた魚介類を入手し、第三者機関でゲルマニウム半導体検出器を用いて検査した。

 サンプル中最も汚染値が高かったのは同原発から南へ約一〇キロの富岡港で採取した貝類のバテイラ(シッタカ)で、一キログラム当たり九一ベクレルの放射性セシウムが検出された。そのほか同港で採取した三サンプル(アカモクから同一〇ベクレル、ナガアオサから同五二ベクレル、フクロフノリから同八一ベクレル)、四倉港の一サンプル(アカモクから同一七ベクレル)、小名浜港の三サンプル(アイナメから同三九ベクレル、マゾイから同二五ベクレル、スズキから同四九ベクレル)から放射性物質が検出された。

 高濃度汚染水漏洩の原因は特定できておらず、効果的な対策も行なわれていない。政府や東京電力による調査と対策の強化が必要なのは言うまでもないが、第三者機関による客観的な調査体制の構築も急務で、地元漁業関係者もそれを求めている。

 またグリーンピースは食卓に並ぶ魚介類の約七割を販売するスーパーマーケットに安全対策強化を求めるオンライン署名を実施中だ。URL http://www.greenpeace.org/japan/susea2/

(花岡和佳・グリーンピース・ジャパン、7月19日号)

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