全国一万人規模で審査請求募る――生活保護基準、引き下げNO
2013年8月21日10:04PM
八月から、生活保護基準が約二年半かけて全体で六七〇億円引き下げられる。平均六・五%、最大一〇%という大幅な引き下げを受け、生活保護利用者を支援する法律家や支援団体関係者らが七月二六日、「生活保護基準引き下げにNO! 全国争訟ネット」を結成、東京都内で記者会見を行なった。
「争訟ネット」は、全国一万人規模で審査請求を行なう生活保護利用当事者を募り、一斉提訴活動につなげていく構えだ。
審査請求は、行政に対する不服申し立ての手続きで、八月分の保護決定通知書を受け取った日の翌日から六〇日以内に福祉事務所などに提出する必要がある。審査請求をしておかないと後から裁判で争うことができなくなる。
会見では、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい代表理事の稲葉剛さんが、「食料品や電気料金など値上げが続いており、本来、生活保護基準を引き上げなければならないなかで引き下げが行なわれようとしている」と指摘。「生活保護は自公政権による社会保障切り下げの最初のターゲットであり生け贄だった。ここでストップをかけて、社会保障制度全般を守っていきたい」と語った。
生活保護基準引き下げは、非課税基準、最低賃金、年金、就学援助適用など、生活保護以外の制度の切り下げにもつながり、市民生活への影響も大きい。
生活保護問題対策全国会議事務局長で弁護士の小久保哲郎さんは、「たくさんの人に立ち上がってほしい。当事者が声を上げるきっかけにしたい」と語る。
審査請求の方法や必要事項を記入するだけで完成する審査請求書も以下のHPで公開されている。
URL http://ameblo.jp/seiho-shinsaseikyu/entry-11580331921.html
八月六日・七日一〇時~二〇時には「生活保護基準引き下げ 全国一斉ホットライン」を開催する。TEL 0120-193518。
(清水直子・ライター、8月2日号)