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イラク人質事件の今井さんが講演

2013年10月4日8:04PM

若者支援を呼びかける今井紀明さん。(写真/たどころあきはる)

若者支援を呼びかける今井紀明さん。(写真/たどころあきはる)

2004年のイラク人質事件において、「自己責任」論による社会からのバッシングに苦しんだ今井紀明さん(28歳)がこのほど、神戸市勤労会館で「今明かす 『自己責任』攻撃乗り越え、若者支援へ」と題する講演を行なった。

 今井さんはまず、緊迫化するシリアへの軍事介入問題に言及し、「米軍には関わってほしくない。悲劇を繰り返さず、ストップしてほしい」と強調。当時イラク戦争に加担した日本の「加害責任」と、これに伴い浮上した「自己責任」論の危うさを検証した。

「自作自演」説まで飛び出した「自己責任」バッシングにより対人恐怖症に陥った今井さんは04年秋、英国留学と称して「国外逃亡」。帰国後、06年に大学に進学し、卒業後は大阪の商社勤務を経て、疎外された若者を支援するNPO(特定非営利活動)法人「D×P」の立ち上げ準備を10年から開始し、12年6月から本格活動をスタート。通信制や定時制の高校生を中心に、キャリア教育を実施している。

 今井さんは自分の体験とも重ね合わせ、「どんなに否定された人でも、存在価値はある」とし、「可能性を引き出す授業」に力点を置いていることを説明。「若者支援は、未来への投資」と位置づけた上で、「人質事件から9年。いまだに不思議な思いだが、バッシングがなかったら、この道へ進まなかった」と、語った。

(たどころあきはる・ジャーナリスト、9月20日号)

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