安倍首相の“お友だち”金美齢氏が侮辱発言――「オバマが白人なら当選しない」
2014年3月19日5:54PM
「そもそもオバマ氏が出てきた大統領選挙。もしオバマさんが白人だったら、あのレベルの政治家では大統領に当選しなかったと私は思ってるわけ。あの当時、やっぱりある種の旋風が巻き起こったんですよ」
こう発言したのは、評論家の金美齢氏。タカ派的な主張を数多く取り上げることで知られる「たかじんのそこまで言って委員会」(読売テレビ系列)で2月23日、「オバマ大統領の内向き発言に対して、言いたいことは何ですか?」という質問に金氏が答えたものだ。「内向き発言」という表現は、1月28日に行なわれたオバマ大統領の一般教書演説で、多くが内政問題に割かれたことからきている。
金氏の発言は、人種差別とも受け取れるが、真意を金氏の事務所に問い合わせたところ、「貴誌のために時間を割くことができません。(中略)貴誌のメール処理はできましたら今後は無しにしたいと考えております」とのことだった。
金氏は安倍首相の“お友だち”であることでも知られる。昨秋、安倍首相をはじめ“お友だち”を自身の事務所に招いて寿司パーティーを開いていたことが『日本経済新聞』電子版で報じられている。
今回の「たかじんのそこまで言って委員会」は生番組ではなく、事前に収録したものを編集して放送していた。なぜ金氏の発言をそのまま放送したのか。読売テレビ宣伝部にその意図を質問すると「個々の番組の内容についての質問については、お答えしておりません」という回答だった。
金氏の発言について、元駐レバノン大使で作家の天木直人氏は、「これはオバマ大統領批判にとどまらず人種差別と戦っている米国国民すべてを敵に回す暴言だ。金美齢氏が安倍首相に近い言論人であることは皆が知っている。米国は安倍不信をさらに強めるだろう」と語っている。オバマ大統領が金氏の侮辱発言を知れば、国賓待遇どころか4月の来日自体を拒否することになるかもしれない。
(赤岩友香・編集部、3月7日号)