「武器輸出反対ネット」が――軍需企業連続訪問し抗議
2016年6月29日10:48AM
「武器輸出反対ネットワーク」は6月3日と7日、神奈川県を中心とした軍需企業を連続して訪問し、武器で儲ける「死の商人」としての企業の在り方に抗議した。
同「ネットワーク」は、安倍政権による武器輸出禁止三原則の撤廃に反対する市民によって、昨年12月に結成。3日の行動は、大手の軍需産業を中心に事前に訪問を告知した上で、「死の商人にならないで」と訴える要請書を手渡すという趣旨だ。この日、訪問したのは三菱電機鎌倉製作所(神奈川県鎌倉市)、富士通本店(神奈川県川崎市)、東芝小向工場(同)、三菱重工本社(東京都港区)の4社。このうち富士通と東芝は、要請書の受け取りをかたくなに拒否した。
さらに7日には、今月にパリで開催される武器見本市「ユーロサトリ」に二度目の出展を予定しているジャパンセル(東京都町田市)とNEC本社(東京都港区)、藤倉航装(東京都品川区)をそれぞれ訪問。だがNEC側は警備員十数人を本社前に配置し、要請書の提出を妨害する態度に終始した。
携帯型サーチライトを製造するジャパンセルは会議室で対応し、「警察や消防関係者も『ユーロサトリ』に入場するので、人命救助、災害対策で役立ちたい」と回答。これに対し「ネットワーク」側は、「軍事転用の可能性は残り、せめて出展は見合わせてほしい」と要請した。また、自衛隊にパラシュートを納入している藤倉航装は、名前も名乗らない社員らしき人物が、「要請書は受け取らない」と一方的に宣言するだけだった。
この4月には、三菱重工と川崎重工がオーストラリアへの潜水艦売り込みに失敗。同2社を含む大手6社が昨年と違って「ユーロサトリ」への出展を中止するなど、安倍政権の思惑に反して武器輸出は停滞状態だ。このため同「ネットワーク」は、「今後も反対運動を強め、日本の武器輸出大国化を阻止したい」と語っている。
(成澤宗男・編集部、6月17日号)