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764号目次

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764号の注目記事

■佐藤優の歴史人物対談8
 マサリクと語る

民主主義が人間の最もよい部分を引き出す

八月三〇日の総選挙では民主党が勝利し、政権が交代するという予測が多い。
だが、新政権の誕生によって、貧困問題は解決に向かうのだろうか。
民主主義は、国家は、国家間の関係はどのようにあるべきなのか。
政治には、政治家にはどのような理念、哲学が必要とされるのか。
二〇世紀最大の哲人政治家とよばれたマサリクと静かに語り合う。

■「女性の貧困」の可視化から
 「貧困の女性化」の可視化へ
 伊藤 みどり

ここ数年で急激に注目されるようになった労働者の貧困問題。
だが、女性はずっと以前から、そして今も、
圧倒的に貧困状態におかれている。

■痛憤の現場を歩く 特別対談
 同時代をルポするための姿勢と手法
 雨宮 処凛  鎌田 慧

鎌田慧さんの本誌連載ルポ「痛憤の現場を歩く」が
次回で一〇〇回を迎える。これを記念して、
貧困の現場に詳しい本誌編集委員、雨宮処凛さんと
「闘うこと」「書くこと」について語り合った。

新しい価値観や新しい生き方や文化が日々生み出されていて、それがすごく面白い(雨宮)

いろんな人たちを書かないとよくわからない、いわば文学的な状況になった(鎌田)

■歴史の抹殺とすり替えは許さない
 関東大震災時の朝鮮人虐殺・追悼碑が完成
 藤田 五郎

関東大震災直後、自警団らに虐殺された「韓国・朝鮮人被害者」を追悼する碑が完成する。建設地をめぐり墨田区と日本政府は協力を拒否、さらに虐殺を正当化する言説が世に出る中、市民団体が地道に進めた調査・運動が実を結ぶ。

■産休切り・育休切りが急増
 出産する女性が「雇用調整」の標的に
 森 映子

育児・介護休業法が前国会で一部改正されたが、出産を理由とした
事実上の解雇などの違法行為が改善されるかどうか効果は不明だ。
特に非正規雇用者は本当の理由を明らかにされずに
雇い止めにあうことも多い。現在の雇用情勢が続く以上、
出産する女性が職場から排除される可能性は減らないのではないか。
政府は本気で改善する気があるのだろうか。

■自治体が貧困を放置・推進する
 「官製ワーキングプア」をなくすには法制度改革が急務
 野村 昌二

既得権益批判の中で、バッシングにさらされがちの公務員。だが、その公共サービスの現場にも、
民間と同じく短期契約を更新しながら低賃金で不安定に働く非正規職員が急増している。
非正規化と民間委託とで広がる「官製ワーキングプア」。自治労が初めて行なった調査などから、その実態を見ていく。

■佐久総合病院が乗り出した「再構築」
 医療と産業、自然を結ぶ
 まちづくりに挑む第一歩(下)
 山岡 淳一郎

地域医療のメッカとして知られる佐久総合病院で、患者の「人生のクライマックス」を支えるのが地域ケア科だ。現場では医療、介護、福祉が溶けあい、「治す医療」と「寄り添う医療」が連繋してきた。この「佐久病院らしさ」を保つための病院再構築。そこには医療と産業、自然を結ぶ「まちづくり」という視点も含まれる。医師たちは未来を見すえている。

763号目次

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763号の注目記事

■ルポ ヒロシマ 09年夏
 「田母神」を迎えて問われた「被爆地の平和」
 成澤 宗男

八月は、一五日の「玉音放送」と六日、九日の広島・長崎への原爆投下によって、戦争の記憶の月だ。その広島は当日、核武装論者の前空自幕僚長・田母神俊雄の来訪で揺れた。そこで問われたのは、「被爆地ヒロシマ」が、進行する戦争への動きにいかなるメッセージを持ちうるかだった。

■『多摩ニュータウン わたしの街』
 平均年齢75歳が記録映画で街の再生に挑む
 黒川 宣之

全国のニュータウンで急激に進む高齢化。若い人を多く迎え入れ、高齢者にも住みやすい街に変えていくにはどうしたらいいのか。東京・多摩ニュータウンでは記録映画が街の再生に一役買っている。

■佐藤優の飛耳長目42
 米朝交渉の進行を可視化したクリントン元大統領の訪朝

■きんようぶんか
 廣瀬純の生の最小回路(7)

ドゥルーズ、ベルクソン、西多幾多郎などの研究で知られる檜垣立哉には、競馬ファンとしての信仰告白とでも言うべき著作『賭博/偶然の哲学』がある。そこで描き出されるのは「賭博的主体」としての人間の姿だ。

パスカル/ロメール/檜垣立哉
『賭博/偶然の哲学』
『緑の光線』

■国策捜査17
 朝鮮総聯中央本部の土地・建物売買で詐欺罪に問われた緒方重威氏 元公安調査庁長官
 特捜部が描いた不可解な被害者なき詐欺事件
 青木 理

■知ってるようで知らない心の病
 パニック障害
 上野 玲

過密都市空間に人々が分刻みで動く現代社会。
心はいつ悲鳴をあげてもおかしくない。

◆円 広志インタビュー
関西を中心にワイドショーなどで、親しみのあるトークが人気の円広志さん(五六歳)がパニック障害に陥ったのは、一九九九年のことだった。もはやテレビに出演することもできなくなり、四カ月間治療のためすべてのレギュラー番組を降板。そして、復帰を果たすまでは、筆舌には尽くしがたい、苦しい闘病生活があった。

 
■新・買ってはいけない140 拡大版
 美白化粧品
 境野米子

今の時期、気になるのが日焼けによるシミやそばかす、くすみ。
最近の化粧品CMでは1年を通じて「美白」が強調され、シミを消して色白肌になれるような錯覚に陥りますが、本当に「美白」をもたらしてくれるのでしょうか?
今回は美白有効成分と言われるものに注目して、検証してみました。

762号目次


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762号の注目記事

■ONE DAY WORK
荻 由美佳

■侵略の前線基地 日本列島8
 横田
 成澤 宗男

在日米軍司令部が置かれた東京都の横田基地。同時に米軍再編により、ミサイル防衛における日米共同の情報調整所の機能を有することになった。このことは、航空自衛隊が米太平洋軍と一体化することを意味する。

◆遠藤洋一・前福生市議に聞く
 市民として何度でも言う。
 それでも米軍基地はいらない

■防衛省全面支援! 自衛隊法違反もお構いなし?
 “ヒゲの隊長”に学ぶ選挙必勝術
 三宅 勝久

二〇〇七年七月の参議院選挙、自民党の新人候補が二五万票あまりを獲得して初当選した。イラク第1次復興業務支援隊長で元陸自1佐の佐藤正久氏、“ヒゲの隊長”だ。自民党に逆風が吹くなか、なぜ勝てたのか。選挙戦がはじまった今、防衛省ぐるみのマル秘選挙作戦を検証する。

■控訴審が始まった靖国合祀拒否裁判
 戦争に動員する仕組みを裁判官は見抜けるか
 田中 伸尚

戦死した肉親の靖国神社合祀を取り消してほしいと遺族らが訴えている裁判の控訴審が、七月一〇日から大阪高裁で始まった。靖国神社と国を被告にしたこの訴訟の第一審で大阪地裁は今年二月、原告遺族の請求を全面的に棄却している。靖国問題の核心である合祀を問う原告らの訴えに高裁はどう応えるだろうか。

■茨城県笠間市
 ここから還らぬ人となった「若者たち」を語り伝えたい
 八〇歳を超えた戦争の語り部たち
 樫田 秀樹

戦争の本質を伝えようと、塩畑寛さんたちが「筑波海軍航空隊・友の会」を
設立したのは2006年。このとき、塩畑さん(現会長)も、
初代会長の長谷川久良太さんもすでに80歳を超えていた。
この高齢にして塩畑さんたちを突き動かすのは、
若い世代が戦争に巻き込まれないようにとの思いである。

■薪能「俊寛」の島
 写真・文 芥川 仁

五月三〇日の夜、鹿児島県の硫黄島で
薪能「俊寛」が上演された。
この島にゆかりの深い僧・俊寛を主人公とした演目だ。
舞台の様子をお伝えする。

■教育があぶない2009
 教科書記述 正確な歴史認識のために
 「集団自決」「慰安婦」の改善と復活を
 俵 義文 西野 瑠美子
 
歴史的事実を正確に記載しようとする関係者の努力で、いったんは「慰安婦」や「集団自決」への軍の強制などの記述がすべての教科書に載っていた。ところが、いまはほぼすべての教科書から消されている。これからはじまる中学・高校の教科書制作と検定期を迎えて、その攻防は重要な局面にある。