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848号の注目記事

◆田中優子責任編集◆

■国家に拠らない、真の自立のために
 反復帰論が問い続けるもの
 田中 優子

一九七〇年前後、沖縄の日本復帰が現実化しようとしている時、
沖縄の自立を根底から問うた思想が「反復帰論」である。
現在もこの思想が語り継がれるのは、今なお「自立」の意味が問われ、
それに応えようとする人たちがいるからだ。
今回、沖縄でそのような人たちと会った。

■対談 胡冬竹×田中優子
 境界を越えようとする「飢え」

「国家」とは何か、「国境」とは何か。
大陸中国に生まれ、台湾や沖縄の人々と向き合ってきた胡冬竹さん。
身体感覚から紡がれる「吐き気」「窒息感」「飢え」といった言葉からは、人々を分断する境界そのものをなくそうとする強い意思が伝わってくる。

身体で行動しないと
なかなか納得
できないんです。
胡冬竹

壊されてきたのに、
残っているものの
強さです。
田中優子

■沖縄80’s対談
 内原英聡×上江洌清作

変わりゆく時間とともに、沖縄は大切なものまで失ってはいないか。
そう危機感を抱くのは田中優子編集委員の弟子・内原英聡さん。
今回、「変わらない沖縄」を唄い続けるロックバンド・モンゴル800(ボーカル&ベース)の上江洌清作さんと内原さん、1980年代生まれの2人が語り合った。

「沖縄のバンドだから、
アジアで重要位置に立てる」

新都心と同じ感じで
街ができるんだったら
面白くない。―上江洌

沖縄の独自の文化や
精神性を、どう受け
継いでいくか。―内原

◆言葉を探し、創り続ける若手世代
 田中 優子

■新・買ってはいけない161
 合成甘味料を入れた「マッコリもどき」が横行中
 渡辺雄二

■減反よりも増産体制確立が急務。
 今すぐ“バラマキ農政”をやめよ
 垣田達哉

消費税増税よりも、戸別補償制度や農業農村整備事業を復興財源にあてるべき。

■浮躁中国36
 つぶされたシンポジウム
 麻生 晴一郎

四月、筆者が参加予定だったシンポジウムが妨害される事件が起こった。
主催のNGO活動家は暴行を受け入院。
社会的活動や発言をする人々の拘束が、ますますエスカレートしている。

■残夢 坂本清馬の一生 第12回
 放浪
 鎌田慧

847号目次


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847号の注目記事

■茨城・福島 風評被害と闘う農家たち
 東電よ、このつらさがわかるか!
 写真・文 冨田 きよむ

東京電力の原発事故で、福島県産や茨城県産の作物が「出荷停止」「摂取制限」品目以外でも売れない
――風評被害である。政府と東電による賠償論議も進んでいるが、農家にとっては、作れないこと、
販売できないことが一番つらい。風評被害に苦しみながらも、お互いに助け合う農家の姿を追う。

■チェルノブイリから
 福島の人たちへ
 パーヴェル・ヴドヴィチェンコさんに聞く
 (NGO「ラディーミチ チェルノブイリの子どもたち」)

福島原発震災最中の4月下旬、チェルノブイリ事故による放射能汚染地域の一つ、ロシアのノヴォズィプコフから、事故後の子どもたちを支援するNGOのパーヴェル・ヴドヴィチェンコさんが緊急来日した。チェルノブイリの経験は、原発震災に苦しむ私たちに多くのことを教えてくれる。

■人間だけが避難すれば終わり、ではないのでは? 
 二〇キロ圏内に取り残されたペットを救え!
 写真・文 形山昌由

福島第一原発から二〇キロ圏内には、多くのペットが取り残されています。彼らの命を救うすべを、真剣に考えたいです。

■『金曜日』で逢いましょう
竹森久美子さん 飯田圭子さん 土田多賀子さん
避難者の新生活を支援する
「生活スターターキット」送付活動

「頼る人もいない知らない土地で心細いはず」と、東京で新生活を始める被災者への
生活物資を送る女性たち。多数の共感を呼び、続々と支援物資が集まっている。

■東京電力の正体
 賠償スキームは誰を救済してるのか?
 阻まれた「東電解体案」”古賀ペーパー”
 横田 一

東京電力福島第一原子力発電所の事故の賠償策で、「原発賠償機構」(仮称)の設立が検討されている。
一時は「解体」も視野に入れられていた東電にとっては、九死に一生を得た賠償策となった一方で、
握りつぶされた「東京電力の破綻処理策」があった――。

■飯舘村での土下座説明会
 横田 一

「被曝してたら、子どもを産む夢が潰れる」
女子高校生の悲痛な訴えに東電は……

読者会から(声明)2011年5月6日

京都読者の会

「週刊金曜日」京都読者の会が「声明」を発表しました。

 私たちは京都内外に暮す「週刊金曜日」の集まりで、一昨年12月から現在まで毎月第1金曜夜に例会しています。3月11日東日本に発した大天災・大人災は幸い当地では大禍を逸れていますが、拱手許されず、以下声明します。

1) 原子力発電は、第二次世界大戦後、アメリカで広島原子力爆弾の燃料だったウランが余り、これを“原子力の平和利用”(Atoms For Peace, アイゼンハワー大統領)と称して開発された。
2) ウランを瞬時に核分裂させるのが原子爆弾で、ゆっくり核分裂させたエネルギーを発電に回すのが原子力発電であること。即ち、原発は核兵器製造の副産物以外の何物でもなかったこと。
3) 軍隊は、いくら戦争防止、平和のため、と言っても本質が武力、人殺しであるように、原子力発電も、いくら平和利用と言っても本質は核兵器製造の延長上で、科学技術者や経済人たちの知識欲や財力の追求、充足の対象でしかないこと。
4) 長崎原爆に3キログラム使われた燃料プルトニウム(日本はもう36トン蓄積)は半減期が2万4千年。この一事でも見れば、原発推進の愚、王様が裸なのを子供だけが笑える愚は、もはや許されない。
5) 原発は全て止めなければイケナイ。特に、静岡県御前崎市の中部電力浜岡原子力発電所は、今すぐ操業を止めよ。日本原子力研究開発機構は、今すぐ福井県敦賀市の高速増殖炉“もんじゅ”の廃炉を表明せよ。
6) 自衛隊は全隊員の約半数10万人が東北被災地で人命の救助、捜索、物資の確保、搬送に従いている。有難い。これから、自衛隊は緊急災害援助隊等に衣替えして活動を続けて行かれるよう要望、提案する。
7) 私たち京都読者の会は、今後とも1)~6)により適った暮しを求めて、生きて行く。

A・A67(2011)年5月6日
「週刊金曜日」京都読者の会5月例会参加者

※A・A=After Atomic=ヒロシマ・デーを元年とする核暦

『週刊金曜日』臨時増刊 原発震災(2011年4月26日号) 「全国の原発と反・原発運動」

『週刊金曜日』臨時増刊 原発震災(2011年4月26日号) 「全国の原発と反・原発運動」地図PDF

846号目次


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846号の注目記事

■佐藤優の飛耳長目61
 WLで見えた政治家・官僚
 の米国と沖縄への異なる顔

■70年代の光と影
 山田太一「岸辺のアルバム」
 と崩壊家庭を立て直そうとする者
 佐高信

■メディア一撃
 新聞テレビの問題点が露わになった東電原発の事故会見
 日隅一雄

■ちょっとクールな心の科学6
 意識と「私」
 坂上雅道

「考えない脳」の瞬間的とも言える働きと違い、
「考える脳」はストーリーを作るのが得意です。
これ、まさに、人間が人間たるゆえんであるところ。

■緊急時に20倍甘くなる基準値って何?
 放射線リスク評価仕切り直しに期待
 植田武智

被曝量の基準値を引き上げれば、危険なものも安全になる、ヘンな事態が進行中です。

■廣瀬純の生の最小回路26
 風評被害も原発事故の内部にある
 デリダ/原発事故

「風評」とそうでないものの区別は、事故を起こしている原発あるいは原子炉の
内部から自然に発せられた言説とその外部に人為的に生み出された言説といった
言説の「本性」上の区別から自然に導かれるものではない。

■太陽が見えない私たちに届く
 光を探す物語
 中條寿子

新しいサブタイトルは
全ての女性に通じるテーマ