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922号目次


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〈注目記事〉
●財務省主導の民自公大連立実現か
 小谷 洋之
 

いま政党名を覚えても、それが投票日まであるかどうかわからないのが現状だ。生

き残りを賭け、政党の離合集散が繰り返されるだろう。政策のすりあわせと数合わ

せが、現在も行なわれている。そしてそれは選挙後も続いて、憲法改定へとつなが

る民自公大連立政権が樹立する可能性も高い。

●「維新」橋下徹氏はナポレオンになるか
 佐藤 優
 

総選挙後、時間をおかずに民主党が解党する可能性があると筆者は分析する。では

注目すべき政党はどこか。安倍晋三総裁が率いる自民党なのか。それとも、石原慎

太郎前都知事が代表になった日本維新の会なのか。選挙結果次第では、日本が帝国

主義的傾向を一段と強めかねない。危険性はどこにあるのか。

●世界はネットで政治参加している
 市川 裕康

「アラブの春」や首相官邸前デモなど、インターネットの普及に伴うソーシャルメ

ディアの活用が、民主主義の発露に果たす役割は今日とても大きい。米国や韓国な

ど、選挙活動でも大きな影響を与えているソーシャルメディアだが、ネット選挙が

解禁されていない日本では活用は難しいのか。

●国家と資本の奴隷から脱却せよ
 白石 嘉治

ネオリベラルな欲望、安倍晋三の欲望、竹中平蔵の欲望、橋下徹の欲望、原発の欲

望、消費税の欲望、TPPの欲望……総選挙後に予想される国家と資本の強権の悪

夢に、理性による批判は無力だ。かれらの欲望の奴隷となることを断ち切るには、

みずからの欲望を生き直すしかない――。

●被災地が知らない「震災復興」の妨害
 地元業者による県外業者排除の談合疑惑
 成田 俊一
 

宮城県が発注した被災地の復旧・復興工事を受注した名古屋市の企業が、地元仙台

の業者から組織的に資材供給を妨害されている実態が明らかになった。宮城県土木

部も公正取引委員会東北事務所も調査に乗り出している。復興特需の裏で何が起き

ているのか。現地取材をした。

●国の認可ナシでも思川開発は国からの補助金を受給
 まさのあつこ

利水・治水という本来の機能ではなく、カネを引っ張る装置としてのみ期待される

ダム。結果としての「水余り」││。栃木県の思川開発事業では、国の認可も、認

可の前提となる水の利用計画等もないまま、国の補助金が給付され続けていること

がわかった。

●カネミ油症救済法
 根治できないのなら「難病指定」を被害者を救済できるのか
 明石 昇二郎

発覚から四四年が経ち、ようやく総合的な救済法が成立したカネミ油症事件。
しかし、次世代への影響が懸念され、真の「救済」になるか危ぶむ声もある。

921号目次


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〈921号注目記事〉
●編集長緊急インタビュー
 都知事選出馬を表明した本誌編集委員・宇都宮健児弁護士
 人にやさしい都政を目指す

多重債務者の救済、反貧困、原発被災者の支援……弁護士として常に弱い者の視点から発信し、活動してきた本誌編集委員である宇都宮健児さん。
一一月九日、東京都知事選への立候補を表明すると、多くの人が応援にかけつけた。なぜ今回、都知事選へ? 平井康嗣本誌編集長が聞いた。

●ベラルーシ・ベルラド放射能安全研究所所長
 A・ネステレンコ博士が語る
 放射線被曝と「エートス・プロジェクト」
「子どもたちの内部被曝量を測っても、結果は公表しない。
彼らはやるべきことを行なわないのです」
さくらぎ 美子

チェルノブイリ事故後、放射能汚染地域住民の生活復興を目的にベラルーシで始まった「エートス・プロジェクト」。その流れを汲むグループが福島で生まれたが、内部被曝を問題にしない姿勢などには批判の声もある。今年一〇月、福島市での講演のために初来日したA・ネステレンコ博士に、「エートス」という存在について、疑問をぶつけてみた。

●宮城県と環境省が二重の処分契約
がれき広域処理も復興予算の流用だ
 青木 泰

がれきの広域化をいち早く始めた石原都知事が突如、放り投げ辞任をした。一方、このがれき問題を筆者たちが調査してわかったことは、広域処理とは被災地との絆を掲げながら国庫金を無駄遣いし、二重取りする政策だったという。

●中国新体制はどこへ向かうのか?
 興梠 一郎

一一月一四日、中国共産党の第一八回党大会が終わり、習近平をトップとする党の新指導部がお目見えした。これから一〇年、中国は新体制の下で運営される。党内抗争、社会矛盾など、直面する課題は大きい。

●「法螺吹きと詐欺師」と 呼ばれた盟友
  若松孝二が逝った
 足立正生

●福島女子は今を生きる 8

起業するね。あたしたちが社会を作るの
 宍戸慈

3・11。あれから、私たちの中では何かが変わった。
けれども社会の大半は変わっていない。その狭間で押しつぶされることもある。
でも、わたしたちがやらなくちゃ! 来年1月、立ち上がる仲間がまたここにひとり。

●米軍による「レイプ反対なら、SOFA(地位協定)を変えよう!」キャンペーン
 米軍性暴力サバイバー・ジェーンさんが沖縄へ
 増山 麗奈

週刊金曜日 書評・本箱の本(2012年11月16日)

『週刊金曜日』の書評・本箱欄に掲載された本です。
画像・リンクをクリックするとAmazonの詳細ページへジャンプします。

■書評

2666 阿武隈共和国独立宣言 バンギャルちゃんの日常
2666

by ロベルト・ボラーニョ=著 野谷文昭、内田兆史、久野量一=訳

¥6930

読み始めたら止められない 読み終えたら忘れられない 佐々木 敦/評
阿武隈共和国独立宣言

by 村雲司=著

¥1260

闘いに対する「本気」さ伝わる小説 伊藤 氏貴/評
バンギャルちゃんの日常

by 蟹めんま=著

¥1050

初心者にもわかる? 奥深きV系の魅力 倉本 さおり/評
  

◆本箱 白井基夫(編集部)/選
  
よみがえる歌声―昭和歌謡黄金時代 昭和桃色映画館―まぼろしの女優、伝説の性豪、闇の中の活動屋たち 香具師口上集
よみがえる歌声 昭和歌謡黄金時代

by 林家たけ平=著

¥2940
昭和桃色映画館 まぼろしの女優、伝説の性豪、闇の中の活動屋たち

by 鈴木義昭=著

¥2310
〈新版〉香具師口上集(坂野比呂志のすべてCD付)

by 室町京之介=著

¥2993
越後瞽女ものがたり―盲目旅芸人の実像 ものがたり芸能と社会
越後瞽女ものがたり 盲目旅芸人の実像

by 鈴木昭英=著

¥1575
ものがたり芸能と社会

by 小沢昭一=著

¥5775
説教 埋もれた芸能史からの招待 話芸の源流を探る

by 小沢昭一、関山和夫、永六輔、祖父江省念=著

¥古書で1000円程度
見世物小屋の文化誌
見世物小屋の文化誌

by 鵜飼正樹、上島敏昭、北村皆雄=編著

¥古書で2500円程度円
日本の流民芸

by 鎌田忠良=著

¥古書で1000円程度




920号目次


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〈注目記事)
●11.11 反原発100万人大占拠
 文・斉藤円華(ジャーナリスト)

雨ニモマケズ
デモ中止ニモマケズ
冬ノ寒サニモマケズ
脱原発

●石原氏を支えた都知事選の有力候補
 ”改革派”猪瀬直樹氏の正体
横田 一

行政の長として、ありとあらゆるデタラメをやらかした石原慎太郎前知事。
彼を副知事として支え続けた猪瀬氏の名が、「後継者」として挙がっている。
だがこれまでの同氏の言動を詳しく検証してみると、
「改革」を口にしながら、権力者に擦り寄ることで出世してきた実像が見える。

●原発スラップ訴訟、
 白川司郎氏のゴルフコンペに
 集った:大物;たちの名前
 田中 稔

本誌二〇一一年一二月一六日号の記事が「名誉毀損」とされ、ジャーナリストの田中稔氏が原発警備会社ニューテック社元経営者の白川司郎氏から六七〇〇万円の損害賠償請求訴訟(スラップ訴訟)を起こされている(既報)。自分はフィクサーではないなどと白川氏は主張するが、ニューテックグループの懇親パーティーやゴルフコンペからは別の側面が浮かび上がる。

●チバレイが見た
 原発に「ノー」突きつけたリトアニアの国民投票
 千葉 麗子

「3・11」後、官邸前などで抗議に参加している元俳優、千葉麗子さん。
「福島県出身である私からしたら、原発に反対することはごく自然な
当たり前の感覚」という彼女が、リトアニアの国民投票をレポートする。

●国策捜査 第32回
 三鷹痴漢冤罪事件で公判中の 津山正義さん
 バッグを体の前に置き両手が塞がってるのに
 青木 理

●自由と創造のためのレッスン
 時間だけが潜勢力を発動させる
 廣瀬純

今年で生誕三〇〇年を迎えるジャン + ジャック・ルソーを読み解く第三回。ルソーを「起源」の思想の呪縛から解き放った上で、「始まり」を、「出会い」を思考する新たなルソー像を提示する。

●田中眞紀子文科相をたたいて終わり?
 高い授業料と私費負担で悪化している大学事情
 大内裕和 中京大学教授

田中眞紀子文科相が11月2日、3大学の新設に「不認可」を表明、その後二転三転したものの結局8日には開学が認可された問題で大臣に批判が集中している。しかし、大学生を取り巻く環境そのものに問題はないのか。

週刊金曜日 書評・本箱の本(2012年11月9日)

『週刊金曜日』の書評・本箱欄に掲載された本です。
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■書評

ある男 非道に生きる (ideaink 〈アイデアインク〉) 演劇 vs. 映画――ドキュメンタリーは「虚構」を映せるか
ある男

by 木内昇=著

¥1680

庶民の側から見るときに違う相貌で迫ってくる歴史 伊藤 氏貴/評
非道に生きる

by 園子温=著

¥987

「文化」と欲望にあるべき汽水域 倉本 さおり/評
演劇vs.映画 ドキュメンタリーは「虚構」を映せるか

by 想田和弘=著

¥1995

橋下市長、ぜひ、ご一読を。 鈴木 沓子/評
  

◆本箱 小長光哲郎(編集部)/選
  
僕の知っていたサン=テグジュペリ 上京する文學―漱石から春樹まで 映画は私の大学でした (-)
僕の知っていたサン=テグジュペリ

by レオン・ウェルト=著 藤本一勇=訳

¥2100
上京する文學 漱石から春樹まで

by 岡崎武志=著

¥1575
映画は《私の大学》でした

by 小宮山量平=著

¥2310
「こどもと映画」を考える 13才までに見せたい名作映画50ガイド ぼくが百姓になった理由〈わけ〉――山村でめざす自給知足 (有機農業選書 3) 女たちのお葬式
「こどもと映画」を考える 13才までに見せたい名作映画50ガイド

by キネマ旬報社=編

¥2100
ぼくが百姓になった理由 山村でめざす自給知足

by 浅見彰宏=著 日本有機農業学会=編集協力

¥1995
女たちのお葬式

by 葬送を考える市民の会=著

¥1050
日中二百年 支え合う近代 (東アジア叢書)
島の美術館で何が起こっていたのか 震災、原発事故、ベン・シャーンのこと

by 黒川創=編

¥2415円
日中二百年 支え合う近代

by 劉建輝=著

¥2520




919目次


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〈注目記事〉
●原子力規制委員会が現地調査と評価会議
 大飯原発、活断層の疑い濃厚
 粟野仁雄 ジャーナリスト

再稼働してから地盤の再調査が行なわれた関西電力大飯原発。原子力規制委員会の初の大仕事となった調査結果は「グレー」。100%活断層でないという証明ができない以上稼働させられないのが当然だが、規制委員会は「運転停止」の判断を下せるのか。

●ファルージャで激増する先天性欠損症の子どもたち
 米軍爆撃の影響か、近くWHOが調査結果発表
 高遠菜穂子

イラク戦争時の二〇〇四年に起きた米軍によるファルージャ総攻撃。非人道的兵器・白リン弾が使われ、一週間で民間人を含む約六〇〇〇人が死亡、約三〇〇〇人が行方不明に。そのファルージャで先天性欠損症の子どもたちが激増している。

●佐藤優の飛耳長目 78
 米兵の集団強かん事件機に主権回復に向かう沖縄

●民主化は途上、投資・支援は準備万端?!
 世界資本が虎視眈々と狙うビルマ
 村上朝子

民政移管後、豊富な天然資源や安価な労働力のため、
経済成長の可能性に世界から注目が集まるビルマ。日本企業も
全日空が直行便を再開し、清水建設、ホンダも進出を決めた。だが――。

●大企業の代理人が米国による経済支配を狙う
 TPPの仕掛け人
 USTR(米通商代表部)の正体
 成澤 宗男

日本の「再占領計画」ともいえるTPPの交渉窓口であるUSTR。
その実態は単なる政府機関に留まらない、米産業界の代理人だ。
あまりに露骨な企業寄りのその姿勢は、今や米国民ならず議会からも猛烈な批判を浴びるに至っている。

●福島女子は今を生きる 6
 中1女子も考えている あれから、そしてこれから
 宍戸慈

当時は小学5年生だった渡部真梨子ちゃん。
三春町から茨城に避難し、この春から茨城の中学校に通っています。
彼女の目線で捉えた、1年半、そしてこれからを2週連続でお届けします。

●「ねこマンション」が伝える
 人も猫も一緒に暮らして幸せにゃん
 文・ゆげたりえ(編集部)

帰宅すると「ごろにゃーん」という鳴き声とつぶらな瞳がお出迎え。
そんな猫との甘い生活が実現できる「ねこマンション」と、猫と共生する「猫島」をご紹介します。

918号目次


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〈注目記事〉
●対談 田中優子×石牟礼道子
 毒死した万物の声に身悶える

近代一〇〇年は子どもたちに何を教えてきたのか――
それを考えつづけながら、
魂の行き先をさがす作家の石牟礼道子。
その石牟礼の魂に一八歳で出会い、
四二年目にして初めて本人と対面をした
江戸文化研究者の田中優子。
「経済成長」の中で私たちが切り捨ててきてしまった
ものとは何か。元・現編集委員の二人が語る。

●対談 曽我逸郎×佐高信
 脱原発もtppも
 どう生きるかという思想

今年六月の村議会での「日の丸」になぜ礼をしないのかという質問に対し
憲法を引用しながら答弁した内容が話題を呼んだ曽我逸郎・中川村村長。
電通社員時代、原発のPRはしたくないと電力会社担当をはずしてもらった「異端児」と、
電通を批判し続けてきた佐高信・本誌編集委員が語り合った。曽我氏の生き方を貫く思想とは――。

●対談 花園一実×中島岳志
 親鸞・過去からの問い
 「縁起」「悪」「他力」が投げかけるもの

没後七五〇年を経てもなお、現代を生きる私たちを魅了してやまない親鸞。
親鸞の言葉が今の日本社会に投げかけるものは何か。
真宗大谷派の僧侶である花園一実さんと中島岳志本誌編集委員が語りあった。

●橋下徹市長とジャーナリズムの知的劣化
 小林健治さんに聞く(出版・人権差別問題懇談会顧問)
 聞き手・まとめ 伊田浩之(編集部)

橋下徹大阪市長を取り上げた『週刊朝日』の連載(第1回で打ち切り)は何が問題なのか。大手出版社などでつくる出版・人権差別問題懇談会の顧問を長年務めている小林健治さんに聞いた。

 ◆橋下市長! 都市は金儲けだけの場ですか?
  文化事業での補助金カットの裏には歴史認識修正の意図も
 粟野 仁雄

「文楽を見たが二度と行かない。チョー面白くない」「一等地に図書館は必要ない」。
挑発的言辞を繰り返し、文楽やオーケストラ、図書館、博物館などを潰しにかかる
橋下徹大阪市長。彼は「金」にならないものはすべて必要ないのか。

●腹の情景 第11回
 「ヒューマングレード」な食事
 写真・文 木村 聡

●格闘する思想 奥田博子
 本橋哲也

丁寧で緻密な実証を重ねることでしか
人々の記憶に向きあうことはできない。
戦後の日本が積み残してきた最大の課題である
広島と長崎の原爆体験、そして沖縄という
戦場の記憶に挑み、非当事者の意識の盲点を明らかにする。
そして問題意識は、3・11へとつづく。

 戦後日本のナショナルな「神話」を記憶によって解体する

●自民党だけじゃない、みんなの党、たちあがれ日本、日本維新の会……
 全方位的に進む憲法改定
 藤原 真由美

 ◆「立憲主義」を聞いたことがなかった参議院議員 礒崎陽輔氏(自民)
  5月末に「私は憲法を習ったが立憲主義という言葉を聞いたことがない」という趣旨のツイートを繰り返した礒崎陽輔参議院議員は、憲法審査会委員であり自民党憲法改正推進本部起草委員会の事務局長だった。一連のツイートを紹介しよう。