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970号目次

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970号の注目記事

●特定秘密保護法案反対
日本版NSCとは「戦争指導最高会議」だ
福島 みずほ×佐藤 優

特定秘密保護法案に注目が集まっているが、本当に危険なのは国家安全保障会議(日本版NSC)の設置法案だ。衆議院でスピード可決されてしまった法案の問題点をあらためて浮き彫りにする。

●原子力規制委は「規制の虜」のままか?
巨大地震が迫る伊方原発と再稼働
伊田 浩之

原子力規制委員会が原発の再稼働審査を急ピッチで進めている。福島から遠い電力会社ほど再稼働に熱心で、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)が第1号になるとの〝観測気球”が新聞紙上をにぎわす。だが、伊方原発の前面海域には日本最大規模の活断層が走る。最も危険な原発のひとつなのだ。

●「本物のニセモノ」猪瀬直樹知事の化けの皮が剥がれてきた
徳洲会からの5000万円「個人の借り入れ」で済む話か

作家としてファクト(事実)とエビデンス(証拠)にこだわってきた猪瀬直樹東京都知事が、徳洲会から5000万円提供問題ではエビデンスどころか一つひとつのファクトすらあやふやな説明に終始している。リコールを呼びかける識者まで出てきた。

●浮躁中国
「経済学界の魯迅」が語る習近平時代の中国
本田 善彦

中国の経済学者の中でも、良心派として知られる茅于軾さん。
今現在、中国が直面する諸問題について、インタビューの機会を得た。

●新わたしと憲法シリーズ
岡田和樹
上関原発を建設させないよう海で監視するカヤック隊員

原発反対行動を「妨害」だと中国電力が訴えるのは司法を利用した表現の弾圧

●東京高裁判決で“きわどい営業”促進か
NHKが申し込んでから2週間で受信契約が成立!?
丸山昇 ジャーナリスト

NHK受信料の支払いを義務づける法制化はかつて2度も不成立に終わった。視聴者の権利内容が不明確だからだ。ところが、義務化につながりかねないトンデモない高裁判決が出た。

●「テロとの闘い」掲げ、ウイグル人弾圧を正当化
中国が国家安全委員会設立へ
水谷 尚子

習近平体制の今後を占う意味で注目された三中全会では、国の安全保障戦略を定める司令塔として「国家安全委員会」を設立するとの決議が出た。開会直前に起きた天安門広場突入炎上事件の影響はあるのか――。

969号目次

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969号の注目記事

●山本太郎参議院議員手紙騒動で考える日本人と天皇

10月31日、秋の園遊会で山本太郎参議院議員が天皇に手紙を手渡し、福島第一原発事故に関する:請願”をした。だが、この行為には「不敬である」「天皇の政治利用である」などさまざまな厳しい指摘がされ、議員の出処進退や右翼団体から脅迫状が届く事態にも発展した。天皇をめぐるこの国の反応をみていると、自由で平等な民主国家という日本の裏側に根ざす別の顔が見えてくる。そこで8人の識者に日本人にとっての天皇とは何かを聞いた。

・政治利用しているのはどっち?福島県民の声
 おしどり マコ

・太郎からの手紙
 斎藤 環

・誰に山本議員を批判する資格があるのか
 鈴木 邦男

・問うべきは「天皇(制)の政治」
 中嶋 啓明

・「えらか人」ならわかってくれる、のか
 田中 優子

・天皇は京都にお戻りに
 南丘 喜八郎

・“直訴”と公共性の乖離について
 八柏 龍紀

◆英国人名誉教授が語る英国王室と日本の皇室
天皇への手紙、すべての人に渡す権利がある
ピーター・ミルワード

●いのちと仕事
映画『ある精肉店のはなし』公開記念対談
生々しい「人」と出会えたとき、乗り越えられるものがある
纐纈あや×田中優子

原発をつくらせない人々を撮った『祝の島』から三年。纐纈あや監督が第二作目『ある精肉店のはなし』を完成させた。
一一月二九日(いい肉の日)に公開するにあたり、田中優子本誌編集委員と、公開記念対談を実施した。

「出会った」という感覚から理解がはじまるのだと思う(纐纈あや)

大事な仕事がどんどん遠ざかっている(田中優子)

●ある地方都市から見た食肉産業の現在
「農業、畜産は国の根幹や。ものをつくる者をちゃんとしていかな」
角岡 伸彦

私たちが国産牛を食することができるのは、日本各地に食肉産業が存在し、屠畜をする人々がいるからだ。
しかし今や輸入牛が割安で買えるようになっている。グローバル化が進展するなか、
一地方都市から見た食肉産業の今を、フリーライターの角岡伸彦氏がリポートする。

●「『週刊朝日』差別報道」から一年
被害当事者置き去りで差別の本質を問えるのか
ヘイトスピーチとどこが違うのか
平野 次郎

橋下徹大阪市長の出自を暴いた『週刊朝日』差別報道からほぼ一年。
差別報道の問題は幕引きされつつあるかに見えるが、被害当事者の声はどこにあるのか。
差別扇動のヘイトスピーチとも重なるその姿勢に対して、差別報道問題の本質を改めて問う。

●脱混迷ニッポン
福島県立相馬高校教師 渡辺義弘
相馬高校放送局の活躍の影に「舟」となって支えた教師あり
山岡 淳一郎

原発や放射能、福島差別……。福島においてはいまだタブー視されるこの事柄を高校生たちがラジオドキュメントや演劇にした。生徒を待ち、見守ったのが放送局顧問の教師だ。作品は評判を呼び、全国へと拡がっている。

●検定教科書も作成、安倍政権で愛国心教育が強制へ
道徳の教科化で子どもの心を国家が管理
俵 義文

●山形ドキュメンタリー映画祭2013
現地レポート 見せつけられた「ドキュメンタリーの底力」!
そう、「物語」なのだ。 表現主義とテーマ主義の狭間で
九龍ジョー

 二年に一度開かれ、世界中の映画作家から“ヤマガタ”の名で親しまれているアジア最大規模の映画祭「山形国際ドキュメンタリー映画祭」が、一〇月一〇日から一七日まで山形市で開催された。前回(二〇一一年)のヤマガタでは、映像の素晴らしさなど「表現主義」の傾向を感じさせる作品が多かったが、さて、今回の新しい潮流は――。ライターの九龍ジョーさんが現地で取材した。

●ウクライナは「福島」をどう受け止めたのか
国立チェルノブイリ博物館の福島展が大盛況
写真・文 瀬川 牧子

原発事故の放射能汚染の地として、すでに世界の人々の記憶に刻印されているチェルノブイリ。その地で今、新たな被災の記憶を紡ぐ「福島展」がウクライナ国の施設で開かれている。日本でも「福島博物館」が必要ではないか。

●メニュー虚偽表示の対応がバラバラなわけ
景品表示法に罰金制度導入を
植田武智

次から次へと出てくる偽装表示。ところでこれらのお店への罰則ってどうなっているの?

968号目次

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●あまりにも危うい「両刃の剣」
国会に再提出された生活困窮者自立支援法案
みわ よしこ

生活保護法改正案とともに、多くの懸念がある生活困窮者自立支援法案。
「ワンストップ型の相談支援窓口」の実現を歓迎する声もある一方、
「『水際作戦』の新しい窓口」、「ブラック企業の利用」への危惧が。

●GHQ文書の公開で明らかになった給与の行方
朝鮮人労働者への未払金は2億円?
木村 嘉代子

戦時中に北海道・室蘭市の日本製鉄輪西製鉄所で就労させられていた朝鮮人労働者三人の遺骨が五年前、祖国へ返還された。室蘭の寺に納められていた骨箱に入っていた遺品は、空っぽの給料袋と給料明細のみ。遺族の依頼で給料を追跡したところ、意外にも連合国最高司令官総司令部(GHQ)の文書からその行方は明らかになった。北海道内で働いた朝鮮人の未払金の一部は、GHQが保管していたのだ。

●東電が5カ月ぶりに公開した福島第一原発
危険な4号機燃料棒取り出し作業がはじまる
村上 和巳

福島第一原発4号機からの燃料棒取り出しが11月中旬からはじまる。
事故で破損した不安定な原発での作業は世界初。
5カ月ぶりの公開で現地入りしたジャーナリストが課題を探る。

●新わたしと憲法シリーズ
アズマカナコ
家電がなくても豊かに暮らす「節電母さん」

独りで抗うことは大変でも認めてくれる人がいると心強い。
だから声を上げることも大切

●「スノーデン問題」を闇に葬るな
米諜報機関は日本で何を行なってきたか
小倉 利丸

米国家安全保障局が日本を情報収集活動の対象国としていたことが暴露された。
これは私たちに対する重大な権利侵害問題であり、機密情報暴露を行なったスノーデン氏
に事情を聞くことも含めた真相究明が必要だ。

●新買ってはいけない191
「二日酔い防止ドリンク」を過信するべからず
渡辺 雄二

忘年会シーズンとなって、お酒を飲む機会が多くなりましたが、「二日酔いを防ごう」「肝臓の働きを高めよう」と思って、いわゆる二日酔いドリンクを飲んでいる人も多いと思います。しかし、いずれも効果が確認されているものではありません。それに頼って深酒をしていると、肝臓を痛める心配があるのです。

●自由と創造のためのレッスン
歴史の展開につねに遅れる者たち
青山真治『共喰い』――『Helpless』
廣瀬 純

第六六回ロカルノ国際映画祭で、「YOUTH JURY AWARD最優秀作品賞」と「ボッカリーノ賞最優秀監督賞」の二冠に輝いた青山真治監督の新作『共喰い』、劇場デビュー作『Helpless』との対照が浮かび上がらせるものとは。

●Floating on the Nile
エジプト・ナイルとともに生きる
写真・文 原田 裕介

967号目次

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967号の注目記事

●スクープ
8000人以上の加盟店経営者をだます「販売協賛金」という名の不当利益の手口
ファミリーマートの裏リベートの証拠が発覚
渡辺 仁

「ピンハネされてる」、「原価をごまかされてる」――コンビニ加盟店が疑惑の目で見ていたコンビニ本部の仕入れ代金ピンハネ疑惑。本誌はコンビニ第3位のファミリーマートが「販売協賛金」などの名目で受け取っているリベートを裏づける覚書を入手した。不当利益の疑いのある取引実態に迫る。

●本誌編集委員 田中優子プロデュース
自らの拠って立つ位置とは
三浦 友幸・川崎 那恵・李 知 蓮・佐藤 東洋
司会・野中 大樹(編集部)

若い世代の批判をする力、精神が弱まったと言われる。
言論媒体の激変や価値観の多様化、社会の仕組みそのものが複雑化してきた側面も
あろうが、自らが拠って立つ場所を見失いかけているようにも見える。
九月二一日、各地で現実と格闘する三〇代の四人の方たちに集まってもらい、
法政大学でシンポジウムを開いた。

◆獲得しつつある視点
総合司会・田中 優子

●島袋前市長「乱入」で混迷極める移設容認派
大混乱の名護市長選候補者選び
本誌取材班

来年の一月に迫る沖縄県名護市の市長選。現職の稲嶺進市長は普天間飛行場の受け入れ反対を掲げ、
再選に臨む。今回も、対する受け入れ派との一騎打ちになるかと思いきや、
移設容認派のあいだで“内紛”が勃発。受け入れ派が分裂劇を演じている。

●公共放送人事への露骨な介入で「従軍慰安婦」番組改変が常態化か
安倍晋三首相、NHK経営委員に「お友達」4人を提示
丸山昇 ジャーナリスト

政府は10月25日、NHK経営委員会(定数12)委員の国会同意人事案を衆参両院に提示した。5人のうち新任の4人は安倍晋三首相と近く、菅義偉官房長官は、人事案が首相主導で練られたことを隠そうともしない。NHKを自分の色によほど染めたいのだろう。

●多発する食品偽装事件。
消費者へのお詫びなし体質にすべての原因が隠されている
垣田 達哉

阪急阪神ホテルズ系列のホテルで、信じられない内容の食材偽装表示が行なわれていました。
さらにザ・リッツ・カールトン大阪はじめ全国のホテルでも同様な偽装が。何がどうなっているの?

●佐藤優の飛耳長目90
戦争を行なうか否かを判断するのが日本版NSC

●新わたしと憲法シリーズ
秋山豊寛
原発難民として声をあげる日本人初の宇宙飛行士

勝てるから闘うんじゃない。
負けられないから闘うんだ。
絶望したら負けなんです。

●シリア内戦 トルコ国境の病院で
「テロリストと戦う」という欺瞞
写真・文 八尋 伸

「シリアに内戦は存在しない。これは対テロ戦争だ」。
シリアのムアレム外相は国連総会でそう演説した(9月30日)。
本当にそうなのか。フォトジャーナリストの八尋伸がトルコ国境の町に入った。

966号目次

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966号の注目記事

●就活で五人に一人が“死にたい”
清水 康之

「就職失敗」を苦に自殺する若者が急激に増えている。何がそこまで彼らを追い詰めるのか。
NPO法人自殺対策支援センター・ライフリンクの調査で浮かび上がった背景と、対策を探る。

●天性の直感力か廃炉ビジネスへの誘導か
安倍晋三首相が反発する小泉純一郎元首相原発ゼロ発言の信憑性
本誌取材班

小泉純一郎元首相が政府・自民党に求めている「原発ゼロ」発言が波紋を広げている。安倍晋三首相は10月21日、衆院予算委員会で小泉発言に初めて言及し、政策転換に応じない考えを示した。だが、これで「収束」とはいかないようだ。

◆小泉元首相の発言要旨
方向性示せば代案は必ず出る
(10月1日、名古屋市での講演会)

●現在を生き抜くために、読む!
ハンナ・アーレント
絶望に覆われた闇夜で到達した「哲学」
八柏 龍紀

ハンナ・アーレント。第二次世界大戦中にナチス強制収容所から脱出、
アメリカへ亡命したドイツ系ユダヤ人で、自身のその苛烈で酷薄な体験から
思考を深めた哲学者だ。「いま、アーレントを読む意味」を考えてみた。

●イオンで中国産米偽装事件
悪者は納入業者だけか?
垣田 達哉

小売り最大手のイオンが中国産米で作ったおにぎりなどを国産米として販売していました。ひたすら被害者づらするイオン……それでいいのか?

●コントロール不能の汚染水漏れ“六つの危機”
“何が飛び出すかわからないお化け屋敷”状態の福島第一原発
まさの あつこ

台風のたびに放射能汚染水漏れに拍車がかかる福島第一原発。田中俊一原子力規制委員会委員長も“何が飛び出すかわからないお化け屋敷状態”と表現するほど。“お化け”の正体は何か。東電会見と規制委の情報をもとに潜むリスクを分析する。

●アフリカ メディア戦争
アフリカ・メディアはジャーナリズムかプロパガンダか?
写真・文 和賀 えり子

人口が10億人を超え膨張を続けるアフリカに、世界は熱い視線を注ぐ。しかし政治は混沌とし紛争は絶えない。乱立するメディアの動きを追い、アフリカの姿を現地から報告していく。

●満腹の情景
主食のみのり
写真・文 木村 聡

天空を舞うコシヒカリ
 石打丸山スキー場(新潟県南魚沼市)では、秋になると稲がスキーリフトに乗って空を舞う。収穫した米を稲穂のまま干す「はさ掛け」スタイルだが、スキー施設で行なう意外性と、動かしながら乾燥させる新手法が話題になっている。
 最近の米作りのほとんどは、コンバインという機械で稲刈りと同時に脱穀し、籾の状態にして即乾燥。しかしはさ掛けにしてじっくり乾燥させると、稲木部分の養分が米粒に降りてきて、後からよく熟成が進むとされる。リフトに乗せての天日乾燥はいっそう効率的で、良質な米に仕上がるのだそうだ。
 地元農家が育てた極上の魚沼産コシヒカリを、毎年リフト管理会社が刈り取りから始め、乾燥、脱穀、販売まで行なっている。