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973号の注目記事

◎沖縄・辺野古強制へと策動する自民党
●辺野古強制へと自民党本部が策動する名護市長選まであと1カ月
基地利権派たちのもくろみと大誤算
野中 大樹

基地容認派がふたり立候補してしまう天変地異が起きた名護市長選。
マスコミは「保守分裂」と書くが、じっさい分裂させたのは当人たちではなく基地利権派たちだった。

●「県外移設」を堅持する國場幸之助衆議院議員インタビュー
沖縄の民意として辺野古移設は課題山積

沖縄県選出の自民党国会議員五人は一一月二五日、米軍普天間飛行場の移設先について「辺野古を含むすべての可能性を排除しない」とした党本部の意向に従わされた。
それでもなお「県外移設」公約を堅持している國場幸之助氏に、真意を聞く。

●株式上場に向け、郵政で何が起きているか〈下〉
過酷な労働現場から悲鳴が聞こえる
平舘 英明

日本郵政グループは成果賃金を導入する一方で、人件費削減のための雇い止めを断行。労働強化による自殺や、パワハラなどの人権侵害も起き、郵政労働者からは「ブラック企業だ」との声もあがる。
郵政民営化は正しい政策だったのか、
いま厳しく問われている。

●諫早湾干拓排水門は12月20日に開門するのか
農水省に翻弄された漁民と農民
永尾 俊彦

諫早湾干拓排水門(有明海)の開門は裁判で確定しており、この一二月二〇日が期限である。
しかしこのままいけば、国が履行しないという憲政史上初の事態が起きかねない状況だ。
このような前例を許せば、ほかの公共事業でも司法判断を後から覆せることになってしまう。

●「最後の一人となっても……」
閉鎖の危機に瀕する「最後の避難所」騎西高校
写真・文 武馬 怜子

東京電力・福島第一原発事故によって福島県双葉町は役場と住民がともに避難し、埼玉県の旧騎西高校で共同生活をはじめた。二年九ヶ月がたつが、その間、次の場所のある人が出ていく一方で出ていけない人たちがとり残されている。

●侵略という歴史の事実を認めない安倍首相に抗議する
今こそ立ち返るべき「村山談話」の精神
田中 宏

●歴史をわい曲する教科書の「国定」化
異例づくしの文部科学省の検定基準改定案
俵 義文

下村博文文部科学大臣は、一一月一五日、「教科書改革実行プラン」を発表。
教科書検定基準を改定する方針を明らかにした。教科書に政府見解を書かせるとする、
事実上の「国定教科書」化の問題点を、長年教科書問題に取り組んできた市民団体が指摘する。

●新わたしと憲法シリーズ
日野範之
宗教者の戦争責任を自覚する真宗大谷派前僧侶

「殺さない、殺させない」は
各宗教の共通の教えであり
それは九条の精神にも通じる

第24回「週刊金曜日ルポルタージュ大賞」佳作入選作

沈黙の坑口

「不可抗力」の名の下に、67人の坑夫が化石となった豊州炭鉱災害(福岡県川崎町)
53年目に辿り着いた〝真実〟とは

著者・肥後義弘

沈黙の抗口(縦書き・イラスト入り)PDFファイル
             

目次
プロローグ                            
第一章 「不可抗力」で処理された大災害 
1・火の見やぐらの半鐘
2・筑豊に君臨した男、上田清次郎
3・一人の遺体も収容されずに閉山
4・紙面に踊った「不可抗力」の文字
5・膨らむ疑念¦本当に大雨だったのか

第二章 なぜ私は再検証を思い立ったのか
1・私の生い立ち¦炭住に生まれ育って
2・織井青吾の取材姿勢に感化される
3・脳裏から離れない石井画伯の作品
4・住民運動から得た教訓
5・豊洲炭鉱災害の再検証に着手
6・大雨は「誤報」だった
7・ガンと闘いながらの調査

第三章 人災¦¦「複合災害」の証明
 1・原子力安全・保安院石炭保安室
 2・浸透破壊による堤防決壊
 3・福島原発事故との共通点
 4・参議院社会労働委員会の議事録
 5・盗掘が引き金となった地下爆発
 6・人命を無視した経営姿勢
 7・巨額な政府買い上げが内定していた
 8・守銭奴経営者による事故の連鎖
 9・政財界や黒社会とも通じた圧制のヤマ
 10・ヒューマニストの炭鉱転がし
 
第四章 再び事故現場を歩く
1・鉱夫たちの遺体を放置してはならない
2・67人の上に眠る清次郎
3・無名の英雄たち
4・永井渡の盗掘跡に立ち、想う

あとがき
参考資料・著者経歴   

プロローグ
2012年5月13日、日曜日の昼下がり。福岡県田川市の元三井病院跡地に出来た「田川文化センター」は1200人の市民で賑わっていた。
地元・筑豊炭田の労働実態を描いた炭坑絵師、故・山本作兵衛(1892~1984)の作品が、国内で初めてユネスコの世界記憶遺産に登録されて1年になるのを記念した式典が、文化庁長官や田川市長、ユネスコの担当官らが出席して開催されたのだ。
 「ヤマ(炭坑)の絵師」として知られた作兵衛は、父の後について7歳で炭坑に入り、以来、半世紀にわたって坑夫として働いた。やがて60歳になり子供のころ絵を描くことが好きだったことを思い出し、「孫たちにヤマの生活やその作業と人情を書き残しておこう」と絵筆を握った。92歳で亡くなるまで、2000枚もの絵を描いたといわれる。
 その絵心は、幼いころに観た紙芝居を思い起こさせる。「ツルハシで石炭を掘り出す上半身裸の男女」など坑内の様子を描いた作品から、「男女混浴の入浴」「炭坑を訪れた軽業師」といった日常生活の風景まで、すべて自らの経験や伝聞がベースとなっている。絵の余白に味わいのある説明を書き加えているのも特徴的だ。
 その魅力について、長年にわたり作兵衛の作品を世に広める取り組みをしてきた画家・菊畑茂久馬は「既存の美術作品にはない、原始的な力があふれている」と語る。

(さらに…)

972号目次

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972号の注目記事

●特定秘密保護法の成立に抗議する
○国会の自殺であり、三権分立へのテロであり、憲法への宣戦布告である
編集長 平井 康嗣

○次の衆議院選挙がある3年後には政治をひっくり返すぞ!
本誌編集部

◆これは異常事態だ!特別委の採決記録が残っていない
畠山 理仁

●労働組合を“反社会的勢力”扱い
カネを奪い、争議を封じる民事弾圧
宗像 充

会社から不当な取り扱いを受けたとき、労働者は労働組合を通して法律で守られた権利を行使しようとする。
だが、「営業妨害行為」「平穏権の侵害」等で使用者が裁判所に訴え、労働者の権利行使を封じる事態が近年、続出している。

◆経営側が裁判所に寄せる「信頼」
山本 志都

ストライキ自体、滅多に行なわれない。シュプレヒコールには周囲が退く。組合活動をめぐる社会の理解が薄れている日本の中で、民事弾圧を扱う組合側の弁護士が相手にすべきは、経営側の言い分だけではなさそうだ。

●非常勤講師を五年で雇止め?
ブラック化する早稲田大学
入江 公康

昨年の労働契約法の改正に伴い、早稲田大学が非常勤講師の五年雇止めを就業規則に盛り込もうとしている。
確信犯的脱法行為を企てる同大の総長は、政府「教育再生実行会議」座長の鎌田薫氏。
国会では“援護射撃”する法案まで通った。

●新わたしと憲法シリーズ
沖縄・高江のヘリパッド工事強行と
住民の反対行動を撮影して発信
比嘉 真人

戦争につながる軍事基地に反対する主権者を国が訴える
やるべきことが真逆でしょう

●浮躁中国64
香港の農村を守る取り組み
麻生 晴一郎

香港郊外の農地をつぶして進められる巨大開発計画に対し、香港の農業を守ろうとする動きが誕生した。
中国本土との関係に揺れる香港の、もう一つの顔だ。

●ベトナム戦争パリ和平会談から40年
ベトナムは今
文・写真 伊藤 千尋

ベトナム戦争で米軍の撤退を決めたパリ和平協定の締結から今年で四〇年、日本とベトナムとの国交樹立からも四〇年になる。この節目の年、現地を訪れた記者が見たものとは。

●新・買ってはいけない192
めでたい正月も地獄になる!?
「おせち料理」選びにも安全・安心を求めたい
渡辺雄二

お正月が近づき、おせち料理の準備を考えている人も多いと思います。最近は豪華なおせち料理セットを頼む人もいるようですが、一方スーパーなどで黒豆や数の子などを買い求めて、重箱に詰めたり、お皿に並べたりする人も少なくないでしょう。しかし、中には危険性の高い添加物を含む製品があるので、注意してください。

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971号の注目記事

【特定秘密保護法案反対】
●アリバイづくりに使われた福島県民の怒り
畠山 理仁

特定秘密保護法案に関する福島市での公聴会は異例づくめだった。公述人、傍聴人の一般公募はなし。自民党推薦を含め、すべての公述人が法案の慎重な審議や廃案を求めたのだ。

●国会が「国権の最高機関」の座を失う
青木 理

村上正邦事務所と小誌が主催する「日本の司法を正す会」は11月27日、日弁連の担当者・清水勉弁護士を招いてワークショップを開いた。保守派と目される人たちからも法案に反対の声が相次いだ。

●12・1「NO NUKES えひめ」に約8000人
裏切りとウソにまみれた伊方原発の再稼働は許されない

国内すべての原発が止まってから約2カ月半。最初の再稼働候補とされる四国電力伊方原発の地元、愛媛県松山市で12月1日、「NO NUKES えひめ~福島を忘れない!再稼働させない!」(伊方原発をとめる会主催)が開かれ、海外を含め全国から集まった約8000人(主催者発表)が再稼働反対を訴えた。

●なぜ沖縄の反対派議員たちは切り崩されたのか
辺野古容認の自民県連に高まる反発
問山 栄恵

●農水省の天下り団体が40年間も“ピンハネ”
卵利権で浮上した「天皇の義兄」と平沼赳夫
村上 力

どこのスーパーでも低価格で購入できる卵。それを支えているものの一つとして国の価格補填事業があるが、この事業に不透明なカネの流れがあった。そこには「天皇の義兄」や代議士の名前までがあった。

●大阪府教育委員会
「君が代」「口元チェック」の違法性を問う
「命令」と「処分」に抗う礫の教師、奥野泰孝さん
平舘 英明

大阪府では「君が代」起立斉唱を義務化する条例の施行後、
四一人もの教員が戒告処分され、うち二人が減給処分となった。
そんななか、府教委を相手に処分取り消しの裁判を起こした教員がいる。
憲法を守るための、そして教育を守るための闘いがはじまる。

●新わたしと憲法シリーズ
アン・ライト
九条を世界に伝え歩く元米陸軍大佐・外交官

「もう戦争はしない」という
憲法を持つからこそ
世界は日本を信頼し尊敬する

●満腹の情景第24回 水田と油田
国産バイオエタノール燃料の可能性
写真・文 木村 聡

 米からバイオエタノールを製造し、ガソリンに3%ほど混ぜた「グリーンガソリン」。新潟県の200あまりの農家が原料米を作り、県内19のガソリンスタンドで販売されている。価格はレギュラーガソリンと同程度で、これまで給油した車のトラブルはないという。
 法律で混合率3%のE3が実質の上限(限定的にE10も可)の日本に対し、海外ではE5~20が一般的。E85(アメリカ)、E100(ブラジル)もすでに実用化され、自動車にバイオ燃料使用を義務づける国も多い。日本ではほかに石油連盟が、輸入したバイオエタノールから混合率1~8%のETBE燃料を独自に作り販売している。
 国産バイオエタノールの利用拡大には、法律やエネルギー利権などが足かせとの指摘がある。

『週刊金曜日』主催 「歴史講座」のご案内

『週刊金曜日』の歴史講座 今回は「差別と歴史修正主義」を考えます。

「ヘイトスピーチ」の背景
日本社会に蔓延する差別と歴史修正主義。その根源はなにか?どうすればよいのか? 哲学者である講師が実態に迫り、その解決法をさぐる。

講師: 能川 元一 (哲学者)

 急速に注目を集めるようになったヘイトスピーチですが、この現象は突然現れたわけでもなければ、一部の人たちによる異常な現象というわけでもありません。書店の棚にも、電車の中吊り広告にもあふれる日本社会ではありふれた光景になりつつあります。その露払いとなったのが、歴史修正主義でした。90年代の「新しい歴史教科書をつくる会」などの歴史修正主義運動はその裾野を拡げ続け、運動自体の分裂抗争があったにもかかわらず、その影響力は格段に広がっています。差別的風潮が蔓延する現状は、まさに歴史修正主義の蔓延と軌を一にしていたと言えるでしょう。この講座では、歴史修正主義と差別意識がどのようにひろがったのか、私たちはどうすべきなのかをさぐります。

開催日・講座内容:
第1回 2014年1月12日(日)
差別と歴史修正主義
歴史修正主義はなぜ問題なのか?

第2回 2014年1月26日(日) 
歴史修正主義とレイシズムの謎(1)
「行動する保守」は本物の保守ではない、というのは本当か?

第3回 2014年2月16日(日)
歴史修正主義とレイシズムの謎(2)
ネットはなぜ右派にとって有利なメディアなのか?

第4回 2014年3月9日(日)
日本の戦後史と歴史修正主義・レイシズム
排外デモの参加者は「特殊な人々」なのか?

第5回 2014年3月30日(日)
マスメディアと歴史修正主義・レイシズム
「在特会」の周辺にひろがる「上品」なレイシズム、排外主義

時間:13:30 ~16:00 (開場13:00)
会場: 在日本韓国YMCAアジア青少年センター9階国際ホール
*JR水道橋駅東口改札約五分・東京メトロ神保町駅A5出口約7分・JR御茶ノ水駅御茶ノ水橋口約8分 
〒101-0064東京都千代田区猿楽町 2 – 5 – 5

受講料(資料代込): 5講座 8,000円  1回ごと 3,000円
25歳以下割引(5講座 6,000円 1回ごと 2,000円)
※定員 80名 先着順
お申し込みは『週刊金曜日業務部 原田』まで電話かFaxでお願いします。受講料は当日申し受けます。
電話:03-3221-8521 FAX:03-3221-8522

〈講師紹介〉
のがわ もとかず 1965年生まれ。96年3月、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学。2007年3月まで同研究科助手。現在、大学非常勤講師。専攻は哲学。インターネットにおいて歴史修正主義とレイシズムが蔓延している実情に触れたのをきっかけに、いわゆる「ネット右翼」を研究対象とするようになった。論文に「右派のイデオロギーにおけるネット右翼の位置づけ—道徳概念システム論による分析の試み」(駒井洋監修・小林真生編著、『レイシズムと外国人嫌悪』、明石書店、2013年)など。『週刊金曜日』にも「朝鮮人虐殺から『在特会』への記憶の連鎖」(第957号)などを寄稿。