おしらせブログ 週刊金曜日から定期購読者の皆様へのおしらせを掲載しています。

本誌「憲法キャンペーン」を始めるにあたって(下)

『週刊金曜日』キャンペーンをはじめるにあたり、編集委員のメッセージを掲載します。

雨宮処凛

「日本は戦争しない国」「軍隊がない国」。
世界に流通するそんな「イメージ」に、私たちは自分が意識するより多くの恩恵をきっと受けてきた。そんな「日本のイメージ」が過去になった時、一体何が起きるのだろう。
安倍首相がしようとしているのは、そういうことだ。共に学び、考え、発信するために、『週刊金曜日』をプラットフォームに使ってほしい。

石坂啓

孤独な闘いをしている友人がいたら、この一冊を渡したい。ここにくれば連携できるよと励ませる。
無邪気に現政権を信じる友人にも一冊届ける。ことばで足りないのなら活字の力も使ってほしい。
そして自分の手もとにも一冊。未来が不安になったときに、ここでもう一度味方に会えて、考えを強くできる。まだ頑張ることができると、『金曜日』を手にして思う。

宇都宮健児

第48回衆院選の結果を受けて、安倍政権はいよいよ「壊憲」に乗り出す可能性が強くなりました。
大手メディアが権力のチェック機能を喪失してしまっている現在、『週刊金曜日』は安倍政権にはっきりと「ノー」を突きつけている雑誌です。
『週刊金曜日』の読者の拡大は、安倍政権の壊憲策動を阻止する大きな力となります。『週刊金曜日』の読者拡大にご協力下さい。

落合恵子

この社会を、もの言えば唇寒し、にさせないように。
表現や報道の自由をなんとしても確保し続けるために。
ひとりひとりの個が、自分の人生を自由に充分に平和に「生ききる」権利を、誰にも何にも侵害されないように。
個としてのネットワークをさらに強く、さらに深く、いま再びのスタートの時!

佐高信

既成のメディアの批判はもちろんしなければならないが、私たちの自前のメディアを育てることも必要だろう。私たちの声と国会の声が大きく食い違っている現在、それは急務である。 スポンサーのない独立独歩の雑誌であるこの『週刊金曜日』を是非みなさんの手で大きく育ててもらいたい。本誌はみなさんの武器になる雑誌なのだ。

田中優子

今回の衆議院選挙は、日本がゆっくりと軍事化と軍需産業への道を進むのか、別の道を選択するのかの分かれ目だったと思う。
すでに道は選択された。今後、政府が何を進めるのか、産業界はどう動いているのか、『週刊金曜日』は事実に向き合って報告する役割がある。多くの読者に、その後押しをしていただきたい。

中島岳志

立憲主義を破壊した上での憲法改正は、この国の屋台骨を崩壊させてしまいます。立憲主義を保守することのできない安倍内閣に、憲法改正を進める資格はありません。
まずは、憲法をめぐる慣習と常識、ルールを取り戻す必要があります。それが保守の役割のはずです。
私たちは憲法の文言の問題を超えて、憲法のあり方そのものを死守しなければなりません。

本多勝一

「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対的に腐敗する」──歴史学者J・E・アクトンの警句は、森友・加計問題を引き起こした安倍政権にまさにあてはまります。腐敗を監視して未然に防ぐための最も有効な働きを示してきたのがジャーナリズムです。ニセモノのジャーナリズムがはびこるなか、ホンモノの『週刊金曜日』を一人でも多くの方にお勧め下さい。

 

本誌「憲法キャンペーン」を始めるにあたって(上)

『ヴァンドルディ(金曜日)』の精神

日本国憲法が「リストラ」の危機に遭わなければ――「憲法くん」の演し物を松元ヒロさんが生むこともなかったかもしれません。憲法を「リストラ」させまいと、この間、映画もつくられ、さまざまな書籍も出て、憲法カフェも開かれるようになりました。憲法改悪反対の声が、学者の議論や従来からの運動に加えてこれほど幅広い市民の運動となってきたのは、それが単なるイデオロギーの問題ではないからでしょう。私たちの生活や文化、いのちや平和にかかわる問題だからです。

しかし、特定秘密保護法・安保関連法そして共謀罪が成立してしまった以上、この幅広い抵抗運動を今後も自由に展開できるのか、不安は募ります。

最近、本誌を「金曜日」と命名した哲学者の久野収さんのことを思いだします。創刊直後、久野さんはこんなエピソードを語ってくれました。

「言論統制が敷かれていた戦時下、雑誌『土曜日』を仲間とともに発行していたときは、フィルムを茶筒にいれて隠さなければならなかった」

いまはその話を切実に肌で感じます。掲載前の原稿や写真データに当局が介入する危機感を、現実に抱いたことがあったからです。時代はいよいよ最終コーナーにさしかかったのでしょうか。金曜日が受け継ぐのは、第2次大戦中のフランス人民戦線が刊行した『ヴァンドルディ(金曜日)』の精神です。私たちは時代や場所を越え、市民の自由を脅かす圧政や体制に抗いつづけます。

総選挙が終わったいま、改憲勢力が3分の2を獲得し、「憲法改正」発議がひきつづき可能になりました。安倍政権の改憲への欲望はいよいよ高まるでしょう。

本誌ではその流れに対抗するために、さまざまな企画を予定しています。憲法特集だけでなく、「ぶれない・あきらめない・おそれない」(人物紹介)、高田健さんの「STOP! 9条改憲」、さらに佐高信編集委員による「憲法を求める人びと」などの連載を始めます。インターネット上の公式サイトでも展開していきます。私たちは、市民のみなさんといっしょに9条を守り、憲法をとりもどすためにたたかう覚悟です。これまで以上に事実と真実をお伝えしてまいります。

編集長・小林和子

 

『金曜日』の灯は消しません

おかしな夢をみました。

急な山道で車のハンドルを切り損ね、ガケから転落と思いきやまだ宙に浮いている。一瞬、からだも心もふわふわして気持ちよいので、このまま死んでしまったら幸せだなあと思ったのだけど、やはり思い直して必死にハンドルを回したら車はもとの道に戻った。

夢判断をする気はありませんが、目覚めたときに不思議な高揚感がありました。あきめるのは楽だけど、それはまだ早い。これからも峻厳な山道をどんどん登ろうと、もう一人の自分が語りかけてきました。

小林編集長が述べたように、憲法が危機に立たされています。それはまた戦後民主主義の危機であり、社会全体を覆う危機です。でも、私たち市民は自力で未来を切り開く力をもっています。そう簡単にガケから転落はしません。

実は、『週刊金曜日』はいま別の険しい山に直面しています。1993年の創刊時に4万3000部だった定期購読数が現在は1万3000部強に落ち込みました。部数減は影響力の低下につながります。この非常時を前に、一人でも多くの方に本誌を読んでいただきたいとの思いから、「憲法をとりもどす」キャンペーンとともに読者拡大キャンペーンを実施することにいたしました。詳細は下記の写真をクリックしてご覧下さい。

弊誌は小さいながらも澄んだ光を放ち続けてきたと自負しております。どんな苦境に陥ろうと、絶対にその灯は消しません。読者のみなさまのお力を借り、ぶれずにペンの力でたたかってまいります。ご協力をいただけますよう、心からお願い申し上げます。

発行人・北村肇

 

本誌「憲法キャンペーン」を始めるにあたって編集委員のメッセージ http://www.kinyobi.co.jp/news/?p=3841