『週刊金曜日』2月8日号の「金曜アンテナ」欄で、中村時広愛媛県知事を批判した月刊誌の記事の広告部分を『愛媛新聞』が黒塗りにした問題を掲載しました。
黒塗り掲載となった理由などについて、愛媛新聞社(本社松山市、土居英雄社長)に7項目の質問を2月1日にファクスで送りましたが、回答期日の4日を過ぎても返答はなく、校了日の5日になって「6日午前に回答する」との連絡がありました。
その2月6日、同社経営企画部の部長から口頭で回答がありましたので紹介します。
〈愛媛新聞広告倫理綱領の「他を中傷、ひぼうし、また他人の名誉を傷つけ秘密を侵すおそれのあるもの。」に基づき、愛媛新聞社として判断しました〉(全文は文末)
社としての判断という以上、当然、土居社長が判断しているものと思われます。また、質問に回答していない部分がありますが、「回答がすべて」とのことでした。
知事批判の事件をよく知る愛媛県内のマスコミ関係者に聞くと、「この程度の記事は誹謗中傷には当たらない」と誰もが口を揃えます。中村知事への忖度と受けとられても仕方ないのではないでしょうか。
編集部 伊田浩之
【愛媛新聞社への質問】
拝啓 時下、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。下記のとおり、質問FAXを送付させて頂きます。ご多忙の所恐縮ですが、2月4日午後3時までに回答いただけますようお願いいたします。 敬具
1)元の広告のままでは掲載できないと判断した理由をお教えください。
2)愛媛新聞の広告倫理綱領と広告掲載基準の全文をお教えください。
3)掲載できないと最終判断したのは誰かお教えください。
4)元の広告を、御社の土居英雄社長は見ていますか。
5)元の広告のままでは掲載できないとの判断に土居社長はかかわっていますか。
6)広告を黒塗りにすることは、愛媛新聞読者の知る権利を奪うことになると考えませんか。考えないのならばその理由をお教えください。
7)読者の反応はいかがですか。購読停止の通知は何件届いていますか。
【愛媛新聞社からの回答】
月刊『Hanada』3月桃花号の広告につきましては愛媛新聞広告倫理綱領の「他を中傷、ひぼうし、また他人の名誉を傷つけ秘密を侵すおそれのあるもの。」に基づき、愛媛新聞社として判断しました。
なお、広告の一部黒塗りについては、広告主が提案してきました。
愛媛新聞広告倫理綱領と広告掲載基準は愛媛新聞ONLINEで公表しています。